竜の本 & 悪魔の本 R.M=サンダーズ

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吾妻郡図書館で発見した「世界の民話館」シリーズから「魔法使い」「魔女」に続いて KiKi にとって興味深いテーマ「竜」と「悪魔」を読了しました。

竜の本 & 悪魔の本
著:R.M=サンダーズ 訳:西本鶏介  ブッキング

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世界的な民話採集者ルース・マニング=サンダーズがよりすぐった竜のお話。  むかしから空想上の動物として、ときに神さまのように大切にされ、ときに悪者扱いで退治されてきた竜の、ダイナミックでわくわくするお話を収録。  (単行本裏扉より転載)  

世界的な民話採集者ルース・マニング=サンダーズがよりすぐった悪魔の登場するお話。  人の魂をほしがるこわい悪魔から陽気でお人よしの悪魔、人間にもやっつけられてしまう愚かな悪魔まで、ときにおそろしく、ときにふき出してしまうさまざまなお話を収録。  (単行本裏扉より転載)

今回もとても楽しむことができました。  前回の「魔法使い」「魔女」を読んだときにはあまり感じなかったのですが、今回、この2冊を読んで初めて気がついたこと。  それは「国別童話集」とか「作者別童話集」とは異なり、こうやって1つのテーマであちこちの国のお話を集めている童話集を読むと、自分の中に存在するある種の「固定概念」みたいなものが覆されるなぁ・・・・ということです。  と言うのもね、KiKi にとって「竜」とか「悪魔」のプロトタイプっていうのは、「人間に仇をなすもの」で「退治されるべきもの」だったんですよね。  もちろん中には神格化されて大切にされているものや、お茶目なものがいたりすることは知ってはいたんです。  でも、善悪二元論・・・・とまではいかないけれど、どちらかというと「忌み嫌うべき存在」の代表格が「竜」と「悪魔」だという凝り固まった先入観みたいなものがあったことに気がつかされちゃったんですよ。

この2冊を読んでいて、「竜」にしろ「悪魔」にしろ、実は中には愛すべき可愛いヤツもいることを再発見すると共に、実は「竜」とか「悪魔」以上に怖い存在なのは「人間の心」なのかもしれないと感じた次第。

 

訳者のあとがきにある

もっとも古い竜は、紀元前3千年頃、世界最古の文化の発祥地であったバビロニアやその北にあった古代王国アッシリアの神話から生まれたものともいわれていますが、その竜も、ギリシア文化の中では神話的な性格がうすれてきて、もっぱら宝物を守る存在になり、ついには神様や英雄に退治されてしまう立場に変わっていきます。

悪魔はむかしから神や仏に対立する悪の象徴として考えられてきました。  つまり悪魔は仏教やキリスト教が支配的になってから生まれたもので、善の神に対する悪の力というわけです。

という言葉には色々考えさせられました。

この2冊の本の中でもどちらかというと「忌み嫌われる & 退治される存在」としての「竜 & 悪魔」のお話が多いのですが、どちらの本にも1編ずつ、ちょっと毛色の変わった「竜 & 悪魔」のお話で、非常に似通ったプロットの物語がありました。  「竜の本」の中の「井戸の竜」と「悪魔の本」の中の「赤いこびと」に登場する「竜 & 悪魔」はどちらも、根っこの性格としては「人に仇をなすもの」として登場しているのですが、たまたま彼らと接触を持つことになる人間が彼らを蔑視するような、ののしるような言葉を吐かなかった・・・・・というただそれだけの理由で、その人間に対してとても親切な行為をしてくれるようになります。

これって普通の人間関係においても同じことがあって、自分が嫌い or 苦手だと感じている人は、たいてい相手も自分のことを嫌いだし苦手だと感じているというのによく似ている事象だし、要は私たちが幼い頃から数多く読み込んで慣れ親しんできた「童話・伝説」で知らず知らずのうちに固まってしまっている偏見によって吐かれる言葉にどれだけ彼らが傷ついているかという証のような気がしちゃいました。

KiKi はこのブログの中でも「勧善懲悪」みたいな考え方にある種の疑問を呈したり、「正義とは立場が変われば変わるもの」という考え方を書き記してきているわけだけど、「悪魔 & 竜」というと「悪の権化」みたいに考えている自分がいることを再認識し、まだまだ修行が足りないなぁ・・・・・と反省しちゃいました。  

  

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