埋もれた世界 A.T.ホワイト

| コメント(0) | トラックバック(0)

せっかく見つけた「吾妻郡図書館」。  これはこの図書館を使い倒すぞ!とばかりに、またまた出かけていって借りていた本を返却するのと同時に、新しい本を借りてきました。  せっかくなので、KiKi が未入手の岩波少年文庫の絶版本をメインに探してみました。  いろいろあることはわかったので、まずはその中の1冊を借り出し、本日読了しました。  ま、てなわけで本日の KiKi の読了本はこちらです。

埋もれた世界
著:A.T.ホワイト 訳:後藤冨男  岩波少年文庫

2010_Nov14_001.JPG (Amazon)

シュリーマンが一生の夢をかけたトロイア、ピラミッドの国エジプト、バビロニア帝国の栄えたメソポタミア、ユカタン半島のマヤ - これらの代表的な4つの地方の発掘を通して、埋もれた遺跡から古代の社会をよみがえらせる考古学者たちの仕事を感動的に描いた物語。  (文庫本扉より転載)

KiKi はね、歴史に興味のある方だとは思っていたのですが、正直なところ「シュリーマンの物語」だけは知っていたものの、この物語の中に出てくるその他の古代遺跡を発掘した多くの考古学者のことはほとんど知りませんでした。  学校で学んできた歴史の教科書や美術の教科書で、彼らのお仕事の成果物である多くの遺物の写真を見てきているけれど、KiKi にとってそれらの遺物は「太古の昔から存在していたもの」にしか見えず、ミュケーナイの獅子門も、アガメムノンの金の仮面も、ティリュンスの壁画も、ミノスの宮殿も、ツタンカーメンの棺も、アッシリアの翼のある牡牛も、マヤのピラミッドも、すべて「そこにあったもの」という認識しか持っていませんでした。  それらの遺物が長い年月の間地中もしくはジャングルの中に埋もれていて、それを発掘する作業を行った人がいたことに対して、何ら感慨を持ったことがなかった・・・・・と言っても過言ではありません。

文字で書かれた歴史の始まる以前のことがわかるようになったきっかけとしての遺物には興味があったし、それらの遺物を作り上げた人類の叡智とか、技術力に感銘を受けたことは多々あっても、それらを今、目の当たりにすることができるようになるために働いた人たちに思いを馳せたことがなかったのです。  たまたまシュリーマンに関しては、子供時代に読んだ何かの物語で知ることがあったし、長じてシュリーマン自身の著作「古代への情熱」を読んだこともあり、ある程度は知っていたけれど、第二第三のシュリーマンがいたことに思い至ることさえなかったとは情けない限りです。

  

考古学ってとっても地味な世界で、極論すると金銭欲を満たしてくれるような世界ではないだけに、特に昨今の日本ではこの世界に憧れる子供がどれくらいいるのか、KiKi にはイメージさえできないんだけど、こういう本を子供時代に読むのは大切なことだと感じました。  昨今のTVの世界(本の世界もそうだけど)ではいかにお金を儲けて、その儲けたお金をいかに使うか(グルメ、ブランドファッション、高級車、高級ホテル 等々)・・・というような刷り込みをするような話ばかりが目に付くような気がするんだけど(あとは美容とかダイエットとか・・・・)、こういう「人生をかける意義の見つけ方」に近いようなお話ってずいぶん減ってしまったような気がするんですよね~。  それを証拠にこの本自体も絶版状態だし・・・・・。

別に誰もが考古学者になる必要はないけれど、この物語に出てくる人たちは「自分が何をすべきか?」を自分で見つけ出し、多くの困難に直面しつつもそれを成し遂げ、それでいて「誰もが知っている人」ではない、極論すれば「縁の下の力持ち」的な仕事をした人たちばかりです。  彼らの努力そのものよりも、彼らが発見してくれた「もの」にばかり、世間の注目は集まります。  でも、彼らはそんなことよりも何よりも、その「もの」の存在することを信じた自分、そしてその信念を押し通した自分、そしてそれをやり遂げた自分に満足している人たちなんじゃないか・・・・・。  そんな風に感じました。  (まあ、いっさいの名誉欲がなかったとまでは言わないけれど・・・・ ^^;)

KiKi 自身はここまで根気が必要で、費用もかかる世界には没頭できそうにないけれど、でも何かを成すフィールドこそ違えども、彼らと同じように「人生をかける意義あると KiKi 自身が考えていること」に拘って生きているし、それを押し通した彼らの不屈の精神には見習うべきものが多くあると感じました。  良書だと思います。  

トラックバック(0)

トラックバックURL: http://poco-a-poco.chu.jp/mt/mt-tb.cgi/767

コメントする

2015年2月

1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28

Current Moon

CURRENT MOON

東京のお天気


山小舎のお天気


Booklog



ブクログ

アーカイブ

ウェブページ

Powered by Movable Type 4.261

TrackbackPeople

クラシック・ピープルの Trackback People Site


チェロ ラヴァーズの Trackback People Site


Piano~ぴあの Trackback People Site


ピアノオススメ教本の Trackback People Site


ピアノ教室の Trackback People Site


Book Love Peopleの Trackback People Site


本好きPeople・ぴーぷるの Trackback People Site


今日読んだ本の Trackback People Site


ファンタジーが好き♪の Trackback People Site


この絵本がすごい!の Tackback People Site


児童書大好き♪の Trackback People Site


ハヤカワepi文庫の Trackback People Site


岩波少年文庫応援団の Trackback People Site


薪ストーブの Trackback People Site


週末は田舎暮らしの Trackback People Site


野菜育てPeopleの Trackback People Site


ガーデニングの Trackback People Site


パッチワークキルトの Trackback People Site


あなたの訪問は?


日めくりカレンダー


Real Time News


カテゴリ

ノルンはいくつ?

本が好き!


読書メーター

KiKiさんの読書メーター
KiKiさんの読書メーター

最近読んだ本

KiKiの最近読んだ本

今読んでいる本

KiKiの今読んでる本

読了目標





今やってるゲーム

KiKiの今やってるゲーム

このブログ記事について

このページは、KiKi (Brunnhilde)が2010年11月14日 12:14に書いたブログ記事です。

ひとつ前のブログ記事は「妙義神社と小野子山」です。

次のブログ記事は「高山村の人命救助訓練」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。

高速運賃





Edita

ブロガー(ブログ)交流空間 エディタコミュニティ

名言黒板


作家別タグ