金の鍵 G.マクドナルド

| コメント(0) | トラックバック(0)

子供の頃からイギリス文学にはお世話になり、大学時代に英文学を専攻していた KiKi ですが、な☆ぜ☆か、G.マクドナルドだけは縁が薄くて、この著者の名前や作品名や英文学史上(特に児童文学において)の功績に関してのみはそこそこ親しかったものの、実はこれが初めてのマクドナルドです。  そう、KiKi にとっては彼の作品よりもハンバーガーでこそお馴染みの名前、それがマクドナルドでした。  ま、てなわけで本日の KiKi の読了本はこちらです。

金の鍵
著:G.マクドナルド 訳:脇明子  岩波少年文庫

mcd1.jpeg (Amazon)

虹のたもとで見つけた金の鍵を持つ男の子が、妖精の国にまよいこんだ女の子と一緒に鍵穴をさがす旅に出る「金の鍵」。  ほかに、「魔法の酒」「妖精の国」を収録。  神秘的なファンタジー短編集。 (文庫本扉より転載)

しまったぁ!!!  これは KiKi の一生の不覚・・・と言っても過言ではなかったかもしれません。  これこそもっと早くに読んでおくべき物語でした。  思いっきり KiKi 好みのお話ばかりじゃありませんか!!  そして、この美しい文体!!!  どの作品も妖精が登場する幻想的で神秘的ないかにも英国らしいファンタジー。  個人的には表題作の「金の鍵」が一番素敵だと感じました。  この物語に登場する「おばあさま」や女の子と金の鍵を持つ男の子の導き手となる「魚」、さらには「海の老人」「大地の老人」「火の老人」にどんな意味が込められているのか、そしてさらには彼らが最終的に目指していた「影たちがやってくる源の国」がどこのことなのか、まだまだ KiKi の頭の中では空想(妄想?)が整理しきれていないんだけど、漠然とイメージできたのは「生命」そして「成長」(熟成? かな??)という言葉。  う~ん、この物語はこれからも時々手にとって読み返すことになりそうな予感がしています。

「魔法の酒」も結構好きな物語。  「カラソイン」(≒ 魔法の酒)っていったいどんなお酒だったんですかねぇ・・・・。  著者がイメージしていたお酒の種類は何だったんだろう??  そもそもこの名前はいったいどこから引っ張り出してきて、どんな意味が込められていたんだろう???  結構そのことが気になって仕方なかったんですけど、まあ、それはともあれ、この物語のプロット、「主人公の少年が妖精達との関わりを通して、世界の真実の姿と自分自身のあるべき本当の姿を理解する」っていうのもかなり KiKi 好みのお話なんですよね~。 

      

これら3作品を読んでいて感じること。  それはどの物語でも「妖精」っていうのはある意味で人間を取り巻く世界全体としての自然そのものであり、また別の意味においてはその世界の中に生き、戸惑い、過ちを犯す人間自身であり、そうでありながらも、人間の世界よりも妖精の世界の方がより純粋で本質的なもの、神聖なものである・・・・という著者の考え方の核みたいなものが描かれているなぁ・・・・と。  そうであるだけに、これら3つの物語の登場人物たちは誰もがその妖精と接触を持つことによって、世界の自分以外の存在の存在意義を理解し、それらの諸々と自分自身との関係に価値を認め、受容する。  そんな物語だと感じます。

昨今では物質には恵まれているけれど心が・・・・とか、もっといい世界になるはずだったのに何故か理想の姿からはかけ離れているような気がしてどうした・・・・とか、そんな話が多いような気がするけれど、その原因のヒントがこの本には満載だと思うんですよね。  世界が色あせて見えるのはそれをみる人間の心の変化によるものだとはよく言われることだけど、それがどういうことなのか、感覚的にわかったような気がするんですよ。  つまりね、「妖精」という存在に凝縮されている意義は2つあって、その1つは人間から見て外界にあたる「自然」と深く関わりを持つ存在であるということ。  そしてもう1つは人間から見て内界にあたる「精神」とでも呼ぶべきものを体現した存在であるということ。  そんな存在である妖精が信じられない(≒ 存在しない)世界っていうのは、極論すれば、他の存在との関係があまりにも希薄(≒ 孤独)で、自分をとりまくあれこれの価値を認めず(≒ 価値基準を持たない)、その結果として「充足」することを知らないと言える・・・・・そんなことなんじゃないかな・・・・と。  

う~ん、まだまだ読後感がうまくまとまっていないんだけど、1つだけ確信したことがあります。  それはね、こういう物語を好む性癖だったから、KiKi は経済人としては落ちこぼれだったし、Lothlórien_山小舎みたいな避難場所が必要な人間だったんだなぁ・・・・と。  この本についてはいずれまた機会をみて再読のうえ、別エントリーを立てたいと思いました。

トラックバック(0)

トラックバックURL: http://poco-a-poco.chu.jp/mt/mt-tb.cgi/765

コメントする

2015年2月

1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28

Current Moon

CURRENT MOON

東京のお天気


山小舎のお天気


Booklog



ブクログ

アーカイブ

ウェブページ

Powered by Movable Type 4.261

TrackbackPeople

クラシック・ピープルの Trackback People Site


チェロ ラヴァーズの Trackback People Site


Piano~ぴあの Trackback People Site


ピアノオススメ教本の Trackback People Site


ピアノ教室の Trackback People Site


Book Love Peopleの Trackback People Site


本好きPeople・ぴーぷるの Trackback People Site


今日読んだ本の Trackback People Site


ファンタジーが好き♪の Trackback People Site


この絵本がすごい!の Tackback People Site


児童書大好き♪の Trackback People Site


ハヤカワepi文庫の Trackback People Site


岩波少年文庫応援団の Trackback People Site


薪ストーブの Trackback People Site


週末は田舎暮らしの Trackback People Site


野菜育てPeopleの Trackback People Site


ガーデニングの Trackback People Site


パッチワークキルトの Trackback People Site


あなたの訪問は?


日めくりカレンダー


Real Time News


カテゴリ

ノルンはいくつ?

本が好き!


読書メーター

KiKiさんの読書メーター
KiKiさんの読書メーター

最近読んだ本

KiKiの最近読んだ本

今読んでいる本

KiKiの今読んでる本

読了目標





今やってるゲーム

KiKiの今やってるゲーム

このブログ記事について

このページは、KiKi (Brunnhilde)が2010年11月12日 21:02に書いたブログ記事です。

ひとつ前のブログ記事は「木いちごの島をとりかえせ C.セフトン」です。

次のブログ記事は「妙義神社と小野子山」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。

高速運賃





Edita

ブロガー(ブログ)交流空間 エディタコミュニティ

名言黒板


作家別タグ