黄金の騎士 フィン・マックール R.サトクリフ

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吾妻郡図書館で借りてきた3冊のサトクリフ作品。  最後の1冊を読了しました。  う~ん、ひょっとすると数年前に KiKi のサトクリフ苦手意識を助長したのはコレだったかもしれません・・・・・ ^^;  ま、いずれにしろ本日の KiKi の読了本はこちらです。

黄金の騎士 フィン・マックール
著:R.サトクリフ 訳:金原瑞人、久慈美貴  ほるぷ出版

41JVBQDXPNL__SL500_AA300_.jpeg (Amazon)

むかし、アイルランドはエリンと呼ばれ、五つの王国にわかれていた。  小王国のあいだの争いや血の復讐を治め、またエリンを侵略者から守るために、フィアンナ騎士団はあった。  英雄フィン・マックールは、その騎士団長だった...。  人間と妖精がいりまじって紡ぎあげられた、フィンの冒険物語は、ケルト神話の代表的な英雄物語として古くから語りつがれてきた。  鮮やかに、力強く、ときにユーモラスに、カーネギー賞作家サトクリフによって語りなおされた、ケルト神話英雄譚。  (単行本扉より転載)

昨日読了した「炎の戦士 クーフリン」が英雄叙事詩的な物語だとすると、こちらは炉辺の民話風。  読み進めている間、KiKi は「フィン・マックール」のお話を読んでいるのか、「アーサー王と円卓の騎士」のお話を読んでいるのか、混乱してしまうことがありました。  どのエピソードも、フィンとフィアンナ騎士団の戦士たちのヒロイックな騎士道精神が主軸にあって、フィン自身の活躍・・・・と言うよりは、彼が統率する騎士団の面々の物語っていう感じなところも、アーサー王の物語とそっくりです。

一般的にフィン・マックールの物語で著名なエピソードと言えば

  • 若かりし頃のフィンが、ターラの王宮に現れる妖怪を退治して、フィアンナ騎士団のチーフの座(これは元々彼の父親が占めていた座)をかちとったというお話。
  • フィンの最愛の妻がドルイド(?)の杖の一振りで牝鹿になって消えてしまったというお話。
  • フィンの息子オシーンが、妖精の娘に誘われて、海の向こうの常若国「ティル・ナ・ノグ」に行ってしまうお話。  
  • その話の後日譚である、人間世界にちょっと里帰り・・・・のつもりのオシーンが、妖精世界とは異なる時間の流れで一挙に老人になってしまう(← って浦島太郎みたい 苦笑) & 妖精世界に戻れなくなってしまうというお話。
  • フィンの後妻となるはずだったグラーニアが、彼の腹心の部下・ディアミッドと駆け落ちしてしまい、結果的に彼はもっとも信頼すべき部下を失ってしまう(& ディアミッドを慕う孫との関係もちょっとハチャメチャ)というお話。

の5つだと思うんだけど、これらは当然含まれていて、ついでにそれ以外のあれやこれやのフィン & フィアンナ騎士団のお話を寄せ集めた纏めた1冊っていう感じでしょうか。  そこそこ楽しめるお話のオンパレードで、サトクリフならではの美しい描写に心惹かれるものはあるものの、KiKi の読後感としてはワクワク感に欠けるなぁ・・・・・と。  どことなく素っ気無いと言いましょうか、あっさりしすぎていると言いましょうか、気高さに欠けるとでも言いましょうか・・・・。  

 

エピソードの1つ1つは結構楽しめるんですけどねぇ・・・・。  魔法で動けなくなったフィン & 側近を守って勇士たちが戦い抜く「ナナカマドの木の宿」や、フィンの最期をえがいた「ガヴラの戦い」なんかは、勇壮で、期待させてくれちゃうんだけど、戦シーンはさておき何か物足りない・・・・。  個人的に結構好きだったフィンがどのようにして愛犬を得るに至ったかという物語とか、真実を見抜く力をどのように得たかという物語も何となく呆気ない・・・・。  う~ん、これは何が原因なんだろう。  ここに収められている多くの物語が別の民話や童話のプロットとして使われていて、そちらで結構ワクワクさせてもらっているが故に「デ・ジャ・ヴ・・・・・・ あれ?  終わり??」という風に物足りなく感じている部分があったりするのかもしれませんが・・・・・。

ま、それはさておき、美しくそして賢かったフィン・マックールも老いには勝てないようで、(と言うより老いてからの変わり様は見なかったことにしたくなっちゃうぐらい!)、権威は失墜するは、妙な嫉妬心にかられるは、意固地になるはで何だか淋しいものを感じました。  でも、これもアーサー王と似ていると言えば似ている末路だなぁ・・・・・。

そうそう、アーサー王で思い出したんですけど、「フィアンナの名馬」という章で登場する「ブリトン王の息子・アーサー」っていうのは、あのアーサー王と何らかの関係があるのかなぁ・・・・・。  まあ、当時のブリトンではアーサーっていう名前はかなり「よくある類の名前」だったらしいから、関係ないとは思うんだけど、この物語を読みながらしょっちゅう「あ、これはアーサー王のあの話と似ている!」「あ、こっちは・・・・」と考えていたために、KiKi はこの章では誰が誰やら、どっちが主でどっちが脇やらこんがらがってしまいました(苦笑)

 

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このページは、KiKi (Brunnhilde)が2010年11月 9日 21:02に書いたブログ記事です。

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