ヴァイキングの誓い R.サトクリフ

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先日、「ケルトの白馬」を読んで以来、それまではどちらかというと苦手意識のあったサトクリフ作品に興味を持ち始めた KiKi。  ま、せっかくなので「吾妻郡図書館」で他のサトクリフ作品もいくつか読んでみることにしました。  岩波少年文庫のサトクリフ作品もちゃ~んと待機しているんだけど、それはもう少し先にとっておくことにします。  ま、てなわけで本日の KiKi の読了本はこちらです。

ヴァイキングの誓い
著:R.サトクリフ 訳:金原瑞人・久慈美貴  ほるぷ出版

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孤児となったイギリスの少年ジェスティンは、ヴァイキングにさらわれ、奴隷として売られた。  ある事件をきっかけに、自分の主人と兄弟の誓いをする。  そのことからジェスティンは、ヴァイキング同士のすさまじい復讐の戦いに巻きこまれてしまうことになった。  アイルランド、ユトランド半島、ロシア、黒海、そしてビザンティン帝国の都コンスタンティノープルへとつづく、思いもかけない冒険の旅がはじまったのだ...。  十世紀のヨーロッパを舞台に、自分と自分の居場所を求めて悩む若者の成長を描く、サトクリフの歴史ファンタジー。  (単行本扉より転載)

これは面白かった!!  この時代のことを正直なところあまりよく知っているとは言い難い KiKi にとっては目からウロコの作品でした。  こういう物語を読むとつくづく KiKi は思うのです。  ああ、KiKi が学んできた歴史って本当に「受験対策のための歴史だけ」だったんだなぁ・・・・ってね。  物語は主人公ジェスティンの回想という形で語られていて、ところどころ記憶が曖昧になったりぼやけたりしちゃっているがゆえに「え~!  そんな、期待だけさせてぇ!!  もっと深堀りして、語っちゃって~!!」ってなことを感じちゃう部分もなかったわけじゃないんだけど、この時代のヨーロッパ全体の状況が俯瞰できる作品だったと思います。  と同時に極東の島国に暮らし、メルカトル図法で描かれた地図が強烈に頭にインプットされている KiKi にはしっくりイメージできていたとは言い難い、アイルランド、ユトランド半島、ロシア、黒海、ビザンティン帝国の位置関係も、かなりくっきりとイメージし直すことができた作品となりました。

 

 

 

ブリテン島に生まれ、キリスト教信徒でありながら、数奇な運命に弄ばれた結果、ヴァイキングのトーモッドと義兄弟の契りを結んだ主人公のジェスティンが異なる文化を受け容れていく様子が「それが生き抜くための方便」であったにしても、説得力をもって描かれていて、多くを受容しながら生きていく人間だけに備わる強かさ、賢さ、そして潔さのようなものを感じることができた爽やかな読書体験になりました。  

KiKi はね、大人になってケルトのことを調べ始めるまでヴァイキングのことをある種のプロトタイプで見ていたようなところがあるんですよね~。  言ってみればピーターパンのフック船長とか、パイレーツ・オブ・カリビアンのジャック・スパロウのイメージ。  貪欲で、金銀宝石にしか興味がなくて、乱暴モノ & 狼藉モノで嘘つき。  ま、要するに嫌われ者 & 悪の体現者というイメージです。  これって、子供時代に読んだ本のイメージの影響がかなり大きいと思うんだけど、ヴァイキングの側の立場に立った物語を目にすることが少なかったからなんですよね。  でもね、この物語のような作品を読むと、それが彼らの生き方の一部をデフォルメした歪んだイメージであることが納得できます。

確かに彼らの神は「荒ぶれる神」ではあるけれど、それは彼らを育んだ自然の力の大きさの裏返しでもあるし、この本の表紙の写真のような風土の影響もある・・・・。  今の時代の日本人の多くは、牛肉はプラスチック容器に盛られて売られるものだし、魚は切り身になって売られるもののほうが馴染み深いけれど、それに馴れ過ぎたことにより見なくなってしまった行為がある。  そもそも人が生き、食し、身に纏うためには、ある種の残虐性とは無縁じゃない。  そういう文明社会では忘れがちな諸々の事柄が、こういう物語を読むことによって体感できるように思います。

  

 

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このページは、KiKi (Brunnhilde)が2010年12月12日 23:13に書いたブログ記事です。

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