三国志(下) 羅貫中

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TVの影響で読み始めた「岩波少年文庫版三国志」もこれが最終巻です。

三国志(下)
著:羅貫中 訳:小川環樹・武部利男  岩波少年文庫

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玄徳は志なかばで病死し、栄華を極めた曹操も死ぬ。  玄徳の志をついだ軍師孔明もまた、秋風の吹く五丈原で没する。  戦乱の時代をいろどった英雄たちは次々と世を去り、やがて司馬炎の天下統一へとむかう。  (文庫本扉より転載)

関羽の死から始まり、続々と「三国志」でのおなじみメンバーが亡くなっていくこの巻。  正直読み進めるのがとっても辛かった!!  あんなに強かった関羽があんな最期を迎えるとは!!  あんなにお茶目(?!)だった張飛が部下に寝首をかかれるとは!!  劉備も病没、曹操も亡くなり、魏・呉・蜀の三国の覇者の中で最後まで生き残ったのがこの物語ではもっとも存在感が薄かった(^^;)孫権というのも何となく皮肉に感じないでもありません。

偉大な存在がどんどんいなくなる中で一際輝きを増すのが孔明なんだけど、その孔明も五丈原で没すると、後はさほど心ときめくようなこともなく、ひとまわり小粒の将軍たちの戦国絵巻っていう感じで、最後に晋の司馬炎が天下統一。  天下は統一したかもしれないけれど、司馬氏の中でも司馬炎ってさほどの存在感をこの物語の中で示しているとは言い難く、孔明と丁々発止の戦をした司馬懿ほどには魅力がありません。

 

この物語のベースになった「三国志通俗演義」の主役が諸葛孔明であったことを考えると仕方ないことではあるけれど、五丈原の章から先は正直、惰性(?)で読み終えた・・・・そんな感じです。

全巻読み終えて、ちょっとだけ思うのは孔明って「政治家ではあったけれど、軍人ではなかった人」だったんじゃなかったのかなぁ・・・・と。  兵を用いて戦にはよく赴いているし、兵法には通じているし、ついでに新兵器を考え出したりとかなり幅広い知識を持って活躍はしているんだけど、劉備・関羽・張飛・趙雲と多くの戦友を失って以降の魏との戦ではさほどぱっとした成果があったとは言い難い(もっとも大敗はしないから、そこが凄いとは思うけれど)・・・・・ような気がしちゃうんですよね~。  

それにしてもこういう乱世っていうのは面白いものですね。  多くの英雄が楽しい逸話とともに大活躍するのと同時に諸葛一族のように兄は呉に弟は蜀にと仕える相手が違ったりする。  昨日までは戦場で角を突き合わせていた人間同士が、一度「降伏」すれば、明日は一緒に戦略を練っていたりする。  誰もが自分を生かしきる場所を求めていて、ひとたび「ここ」と決めるとそこで一所懸命に働く。  そこには「自分探し」な~んていう悠長なことを言っている余裕はなくて、生きることに、生き抜くことに、立つことだけに懸命な人間が確かに息づいていて、「人生とはかくあるもの」という1つのパターンが確かに存在するような気がします。

 

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 お早うございます。最新記事から拝読しております。腹痛などから解放されて少し体調が良くなられたようですね。何よりです。やはりピアノ演奏のような手先を使う作業は脳にいい刺激を与えるようですね。私の母などは、趣味で陶芸やお茶や生け花をやるミーハーな(?)人ですが、やはり手先を使う作業は体にも頭にもいいようです。孫(私の妹の娘)が2人もいる年齢ですが、孫の面倒見たり、新しい料理のレパートリーを開拓したり元気にやっています。KiKi様も「人生まだこれから」ぐらいの気持ちで前向きに頑張ってください。若輩の私が生意気なこと言ってますね…すみません。
 三国志ですが、これはハマればハマるほど面白くなるお話のようですね。作家の酒見賢一氏は、ディープな三国志ファンのことを「サンゴクシシャン」などと呼んでおりますが、私の友人にも2人ほどおります。サンゴクシシャンが。吉川英治のも北方謙三のも陳舜臣のも宮城谷昌光のも岩波少年文庫のも岩波文庫の8巻本も読みつくして、マイナー武将の名前まで覚えこんで、「三国志登場人物事典」なんて分厚い本まで持っているなんて人たちですね。どうして彼らはここまで三国志に魅了されるのでしょうか?やはり魅力的な登場人物が多いからでしょうか。私もサンゴクシシャンの彼らには遠く及びませんが岩波少年文庫版と吉川版と陳舜臣盤を読んでいます。北方謙三版は6巻の途中で挫折しました。私の場合登場人物のだれそれが好きで読むというのではなさそうです。多くの才能ある武将や軍師が知恵をしぼって相手を出し抜いたり出し抜かれたりというあの古代中国の乱世が好きだから(自分があの時代に生きたいとは思いませんが…)違う作者の色々な版で何度も三国志を読むのだと思うのですね。他の超有名作品を例にあげるとガンダムなんかも私の場合そうです。登場人物の誰かが好きなのではなく、ジオン公国と地球連邦という2つの架空の国が戦争を延々とやっている荒廃しきった未来の世界が好きだから何度も鑑賞するのだと思います(三国志と無関係な話ですみません)。今日から岩波文庫版三国志に挑戦です!

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