マーラー 交響曲第2番 「復活」

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今日はあの恐ろしい震災から8日目です。  東電の発表によれば今日は輪番停電は行われないとのこと。  だから・・・・と言って、「PCを必要最小限しか使わない」というノルマを覆す理由には十分ではないかもしれないけれど、電車も土日ダイヤで少なめだろうし、PCの使用 & CDをかけるぐらいの消費電力が増えても大丈夫と勝手に判断(^^; というよりそこまで脆弱であってもらっては困る!)し、このエントリーを書いています。  この間、それなりに読書は進んでいる(とは言っても夜は早めに寝ていたので総読書時間はかなり減っている)のですが、その読後感を整理して書く意欲にはかなり欠けてしまっているので、久々の音楽エントリーにしたいと思います。  ま、てなわけで本日の KiKi の1曲はこちらです。

マーラー 交響曲第2番 「復活」
Sony CSCR 8393~6 演奏:バーンスタイン指揮 & ニューヨーク・フィルハーモニック 録音:1963年9月29日、9月30日

最近ではめっきり音楽関係のエントリーとはご無沙汰だし、少なくともこの曲は1度インバル盤でご紹介しているので、本来なら別の音楽(楽曲)のエントリーを書くべきところ・・・・のような気がしないでもないのですが、あの悲劇から1週間たって、少しずつ KiKi 自身の気持ちも落ち着いてきたところで、明日に向かうための喝!を入れるために、今日はどうしてもこの曲を聴いておきたくなったのです。

この1週間、何度もラジオから流れる(普段ならTVなんだけど、何となくラジオの方が消費電力が少ないような気がして、なかなかTVが見られなかった小心者のワタシ ^^;)アナウンサーの被災者の皆さんへの「頑張ってください」というメッセージ。  個人的には何となくその「頑張ってください」という言葉に抵抗を感じていた KiKi です。  

彼らは極限状態と言ってもいいような中で既に頑張っている!!  これ以上何をどう頑張れというのか!!

とさえ思いました。  もちろんそれが応援している言葉であることはわかっているんだけど、アナウンサーを一方的に責めることはできないんだけど・・・・ ^^;  ま、これも一種の興奮状態・KiKi 自身のある種身勝手な不安感だったのかもしれません。  でもね、はっきりしていることは、本当に頑張らなくちゃいけないのは私たち被災しなかった人間の方なんだろうということです。  と言いつつも、これまでの震災ならすぐにそう思うこともできたけれど、今回はそこにオマケというにはあまりにも緊張を強いられる原発事故があるがゆえに、被災しているわけでもない癖に頑張れたとは言い切れない1週間を過ごしてしまったように思います。

自分はたいして頑張りもしないまま、自衛隊や消防庁や機動隊や多くの方々が頑張ってくれているのを見守ることに終始してしまった1週間だったような気がしないでもありません。  たまたま今、KiKi は契約社員という立場でお仕事をしていて、組織の中でラインを持っているわけではないので、余計にある意味手持無沙汰で生産性の低すぎる時間を浪費していたような気がします。

今日は KiKi の持っているこのバーンスタイン盤CDのライナーノーツにあるマーラー自身の書簡の抜粋からいくつかご紹介。  このCDは KiKi が今よりもはるかに感受性が強かった時代にマーラーに嵌った頃、繰り返し繰り返し聴いていたものです。  

<第1楽章>

私は第1楽章を「葬送の儀式」と呼んだ。  私はここで、第1交響曲の英雄を埋葬し、彼の生涯をくもりのない鏡に、いわば高いところから映している。  同時にこの楽章は、次のような大きな問題を表している。  すなわち、汝はいかなる目的のために生きてきたのか、ということである。  この問いを聞いた者は解答せねばならず、私はこの解答を終楽章で与えている。

そう、こんな時だからこそ、自分に問い返さねば!!  私はいかなる目的のために生きてきたのか、今も生きているのか を。

  

<第3楽章>

あなたたちが第2楽章の思いに沈んだ夢からさめ、再び生活の喧騒の中に戻ると生活の絶え間ない流れが恐ろしさをもってあなたたちにぶつかることがよくある。  それはちょうど、あなたたちが外の暗いところから、その音楽が聴き取れないくらいの距離をもってながめている、舞踏場の踊り手たちの揺れ動く様に似ている。  人生は無感覚であなたたちに現れ、あなたたちが嫌悪の叫び声をあげて、飛び起きることのある悪夢に似ている。

あまりの悲劇にあたかも思考停止したかの如く、神経が麻痺したかのように動けなくなっていた1週間。  被災地にいたわけではなかったけれど、鉄筋コンクリートの住まいに慣れ過ぎて、Lothlórien_山小舎(木造建築 & 耐震構造がどの程度のものかよくわからない中での震度5強)の激しい揺れとミシミシ言う音に心身ともにすくんでしまったあの数分間。  思えばそこから今日まで自分ではいろいろ考えたり行動したりしていたつもりだったけれど、今、この音楽を聴きながら冷静に考えてみると、すくみっぱなしだったような気がしないでもない・・・・。 

そして第5楽章の導入部のような第4楽章と、マーラーが言う解答の第5楽章。  ここは歌詞の訳文(深田甫 ライナーノーツより)をそのまま転載します。

<第4楽章>

おお くれないのちいさなバラよ!
人間はこのうえなく苦しんでいる!
人間はこのうえなく悩んでいる!
そう できれば天国にいきたいもの!
そこでわたしは広い道をたどっていた。
すると天使がひとりやってきて
わたしを追い払おうとした。
おお そんな! むざむざわたしは
あとにひきさがりなどしなかった。
わたしは 神からでたもので
ふたたび 神のみもとにもどるのだ!
神様はきっとちいさな燈火を
あたえてくださることだろう。
光をてらして とこしえの
至福にみちる生にまで
みちびいていってくださるだろう!

<第5楽章>

蘇える そう 蘇えるだろう わが塵なるものよ
わずかな憩いをすませたならば!
死すことをしらぬ生命!
死すことをしらぬ生命を おまえを喚んだ者が さずけてくださるだろう。
ふたたび花咲くために おまえは種として蒔かれる!
収穫の主は あゆみゆきて 穀物の束なるわたしらを
死んだわたしらを拾いあつめる!

おお 信じておくれ わが心 おまえは何もなくしはしない!

おまえのものだ そう おまえのものだ
おまえが憧れていたものはどれも!
おまえのものだ おまえが愛していたものは
おまえが争っていたものはどれも!
おお 信じておくれ わけあればこそ
おまえは生まれたのだと!
愛しもし 争いもしたのだと!
生まれ出でたものは やがて消え失せるさだめ!
消え去りしものは 蘇えるさだめ!
おののきふるえないでおくれ! 生きる覚悟を決めておくれ!

おお 苦しみ!  すべてに浸透するものよ!
わたしはおまえから逃げてきた!
おお 死! すべてを征服するものよ!

いまこそおまえのほうが征服されたのだ!
わたしは かちえた翼をひろげ
愛するつとめにはげみつつ
ただよいとんで きえるだろう
いかなる瞳もむけられぬ 眩しい光のもとに!
生きるためにこそ死ぬのだ!
蘇える そう 蘇えるだろう
わが心よ たちまちのうちに!
おまえがはばたいて打ち克ったものが
おまえを神のみもとに担うだろう!

 

人は何のために生きているのか?  そんな深淵なテーマを謳いあげたこの交響曲。  若い時代にこそ感銘を受けても、人生ここまで生きてくるともうそんなに熱心に聴くことはないだろうな・・・・と思っていました。  実際、KiKi は「落ちこぼれ会計人の Music Diary」でも「Lothlórien」でも、マーラーに対してはどちらかというと冷めた口調のエントリーが多かっただろうと思います。  でも、今日はこの音楽の力を借りて、「おののきふるえていないで 生きるための覚悟」をしたいと、心の底から思いました。  

うちひしがれている場合じゃない!  キリスト教の教義的な生死感はちょっと置いておいて、日常生活を早く復活させなくちゃ!  被災者のある方がインタビューに応えて仰っていました。

「食べ物がこうやって買えて、うちで食べられる。  幸せなことだよね~」(言葉はちょっと違ったかもしれないけど)

原発がその後どうなったのか、あまりにも多すぎる行方不明の方の無事が確認できていないか、悲痛な叫びを発していらした原発30㎞圏内の病院に救いの手は差し伸べられたのか、心配でたまらないけれど、今日はラジオはオフにして可能な限り地震前と同じような生活を送るぞ~!!  

尚、当面、輪番停電の日は基本的にはエントリーはお休み。  停電のない日は可能な限りエントリーをたてたい(日常の1つとして)と思います。

    

   

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このページは、KiKi (Brunnhilde)が2011年3月19日 09:36に書いたブログ記事です。

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