原発を考える50話 西尾漠

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計画停電実施中・・・・ではありますが、先週の大混乱に比べると少しずつ落ち着き・・・・のようなものが出てきたように感じられます。  大手の自動車メーカーの工場が軒並み操業停止な~んていうニュースもあるので、本来ならまだまだかなり意識した自主停電が必要だと感じたりもしているのですが、とりあえず今日の KiKi の読了本はこちらです。

新版 原発を考える50話
著:西尾漠  岩波ジュニア新書

51AQ2QHN7QL__SL500_AA300_.jpeg (Amazon)

1999年のJCO、一昨年の美浜原発と、日本でも原発にかかわる悲惨な事故が起きたことは、記憶に新しいでしょう。  しかしパソコン、携帯、ゲームなど、電気を使う機会は増える一方です。  だから原発に頼るのもやむをえないのでしょうか?  あのチェルノブイリ原発事故から20年にあたる今年、原発の危険な現状と電気の真実を新たに語り明かします。  (新書裏表紙より転載)

基本的に著者は原発反対派。  だから記述の多くが「反原発!」という立場で書かれています。  著者のプロフィールを本書から転載すると

1947年東京都生まれ。  広告制作会社で働いていた1973年ころ、「電力危機」を訴える電力会社の広告に疑問を抱いたことから、原発の問題に関わる。  1978年に「反原発新聞」が創刊されて以来、その編集にあたるほか、原子力資料情報室の共同代表としても活躍。  著書に「どうする?  放射能ごみ」「地球を救うエネルギー・メニュー」ほかがある。

なるほど~、バリバリの「反原発論者」っていうわけです。  そうであるだけに、この著者のこの本だけで何かを考え、結論まで出しちゃうのは危険だけど、今回の福島原発の事故が発生するまで、考えたことも 否 考えようとしたことさえなかった多くの事を知ることができたように思います。  印象的だったのは2006年に第1刷が発行されたこの本に今まさに起こっていることがそのまま「見てきたこと」でもあるかのように描かれている・・・ということです。  その記述を読んだ時、KiKi はこれまで「知ろうとさえしなかったこと」に対する羞恥心でいっぱいになりました。  この本が発刊されたときに読んで、他の本や施設見学等々でもっと知識や関心を増やしてさえいれば、今、この時にここまでオタオタしなくても済んだのかもしれない(事故収束に向けて何かができる・・・ということではなく、この事態に対して自分なりの立ち位置がもっと明確に自覚できていたのかも)・・・・・と感じました。

 

Amazonのカスタマーレビューである方が仰っている意見に KiKi は心の底から賛同します。

私たちの生活を支える電気をつくるうえで、原発は非常に大きな役割を果たしている。  しかし、原発はとても危険な施設だ。  目に見えない放射線は、あまりにも恐ろしい。  それなのに、原発が近くになければ、「他人事」で済まされている。  原発が設置されている福島県では、福島原発の発電量のたった8%しか使われていないそうだ。  それ以外の大部分は、途方もない長い距離を経て、都市部で使われている。  それなのに、原発をかかえる地方では、非常時には電気は残らず、放射性物質を含む廃墟と、甚大な被害が残る。

震災での原発事故混乱の責任を、電力会社や国家に求めるのは安易で、確かに一面でその通りだと思う。

しかし一番大切なのは、名もない私たち一人一人が、自分たちの生活を支えているものに、受身にならず、「知る」「自覚する」ということではないかと思う。  震災で大変な被害を受け、明日をも知れぬ不安を抱える人が、同じ日本にたくさんいるのに、一方で無駄な電気を使いながら、自分の狭い世界を最優先して笑いあう人がいる。  人任せに受身でありながら、発言や対応のまずさについて粗さがしをし、他を批判する人がいる。  私は、その無自覚が、とても恐ろしいと思う。

これまでの1週間、KiKi が感じていたある種の違和感をまさに言い当ててくださっているご意見だなぁ・・・・と。  これって以前このエントリーでご紹介した伊丹万作の「戦争責任者の問題」で伊丹氏が語っている話と根っこは同じじゃないかなぁ・・・・と。 

この本を読んでいて初めて知った言葉に「計画被曝」という言葉があります。  JCOの臨界事故の際の当初の事故調査報告書では「被曝者」のカウントの中に臨界を止めるための作業をした人が入っておらず、これは言ってみれば「覚悟の上で、知っていて被曝した」人であることから呼ぶ名称だったとのこと。  これはこういう事故の際に対応をする人のみならず、通常原発や関連施設で働く多くの方はこの「計画被曝」をしていらして、その被曝量が電力会社の設定する計画を超えた被曝があった時のみ、「被曝事故」として発表されるのだそうです。

いくらそういう労働環境での仕事を自分で選んでいるから・・・・と言えども、ひょっとしたら「ただちに健康に被害が出る値ではない値が閾値として設定されている」のかもしれないけれど、それでも何となく割の合わない話だなぁ・・・・と。  

以下、この本を読んでいて気になった言葉を備忘録としていくつか列挙しておきたいと思います。

電気はクリーンなエネルギーと言われますが、そのクリーンな電気をつくっている「送電線の向こう側」で起きていることを、私たちはもっとよく知る必要があります。

原発は小回りがきかず、フル出力で動かすか運転をとめるかのどちらかしかできません。  刻一刻と変化する電気の需要に合わせて供給するには、小回りのきく火力や水力など、ほかの発電所が必要となります。  (中略)  原発を増やすときにはほかの発電所も増やすことが必要になるわけです。  (← 要 事実確認 かな?)  原発に頼った温暖化対策は、本来おこなうべき対策を遅らせ、むしろ温暖化を進めてしまうでしょう。

原発をつくると設備が過剰になります。  (中略)  そこで需要開拓がおこなわれます。  (中略)  そうして需要が拡大されると、今度は供給力が逼迫してきます。  そこで発電所を増設する → 再び設備が過剰となる → 需要開拓が行われる・・・・・と、どこまでも悪循環が続きます。  それにともなって雪だるま式にエネルギー消費は拡大しつづけます。

ここで「省エネルギー」という言葉について、注意をうながしておきましょう。  政府やエネルギー産業が「省エネ」と言うとき、それは、エネルギー消費が伸び続けることを大前提にして、その伸びの一部を削減しようというものです。  

必要なのは、省エネルギーが企業の利益となるような社会的な仕組みであり、右肩上がりの「成長」に固執してきた企業の意識変革でしょう。

う~ん、これをそのまま鵜呑みにすることはできないし、最後の1つなんかは「会計人」の立場からすると企業は「右肩上がり(仮にそれが微々たるものであっても)」を目指すのが宿命でもあるから、どうすればいいのか現時点ではやっぱり KiKi にはわからないけれど、考えさせられます・・・・。

  

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このページは、KiKi (Brunnhilde)が2011年3月22日 17:01に書いたブログ記事です。

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