ガリヴァー旅行記(1) スウィフト

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40代を迎えた頃から、コレクション(収集)を始めた岩波少年文庫。  そのきっかけは以前このエントリーでもお話したように東京のマンションの本棚の整理をしていたら、前後2列縦隊の奥に潜んでいた岩波少年文庫の「ギリシア・ローマ神話(上)(下)」を発見したことにありました。  何故か捨てずに取ってあったこの「岩波少年文庫」との再会がなければ、今、こんな Blog を書いている KiKi はいなかっただろうと思います。  そんな中、かつては持っていたはずなんだけど、どこかの時点で「ギリシア・ローマ神話」とは異なり、廃棄の道を歩んでしまった物語の1つがこの「ガリヴァー旅行記」です。  いずれは新刊で購入することになるだろうと思いつつも、コレクションしなければならない(?)本がまだまだ多いためついつい後回しになってしまっている「有名でありながらちょっと悲しい運命」を辿っているこの物語。  先日吾妻郡図書館でたまたま発見することができたので、借りてきました。

ガリヴァー旅行記(1)
著:スウィフト 訳:中野好夫  岩波少年文庫

1145380.gif (Amazon)

1726年に書かれて以来、世界中の大人と子どもに愛読されてきた名作。  船医のガリヴァーが航海に出て見聞したふしぎな国々「小人国」「大人国」での奇想天外な事件を語る。  (岩波書店HPより転載)

船医のガリヴァーが4つの航海で見聞したふしぎな国々「小人国」「大人国」「飛び島」「馬の国」での奇想天外な事件を記した旅行記。  1726年に発表されて以来、豊かな空想力と強烈な社会風刺で、世界中の大人と子供に愛読されてきた。  (文庫本扉より転載)

ここ(↑)でご紹介している Amazon Link は現在も入手できる新刊本なので、上下2巻構成にはなっていないのですが、KiKi が図書館から借りてきたのはこれよりも1つ前のシリーズの岩波少年文庫で、2巻構成になっています。  Amazon の情報だけではかつての2冊が1冊に編集されたものなのか、はたまたかつての2冊目に掲載されていた物語はカットされてしまって「小人国(リリパット)」「大人国(プロブディンナグ)」の物語のみになってしまったのかはちょっとわかりませんでした ^^;  

KiKi が初めてこの物語(ガリバーの物語)に出会ったのは、絵本でした。  印象に残っているのはちょうどこんな感じ(↓)の挿絵で、まだまだ純粋な心を持っていた子供時代にはこの小人国にポンと放り込まれてしまったガリバーの運命にワクワク・ドキドキしたものでした。

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でもね、絵本で出会ってしまった物語っていうのは悲しいもので、無意識のうちに「もう読んだことがある」という意識が働きがちで、しかもガリヴァーの物語に関しては絵本で描かれていた世界と岩波少年文庫で描かれている世界のギャップが激しすぎて、小学校低学年では難しすぎ、小学校高学年では「絵本にもなっているガリバーなんて今更・・・・・」という意識も出てきて、結局「小人国」「大人国」の物語が収録されている「ガリヴァー旅行記(1)」こそ斜め読み状態で1~2回読んだものの、「ガリヴァー旅行記(2)」に至っては購入してもらうことさえなく、学校の図書館でも手に取ってみようとはほとんど思いませんでした。  だって、当時の岩波少年文庫にもまだあらすじさえ知らない物語のラインナップがいっぱいあったのですもの・・・・・・。

そして中学生になると「岩波少年文庫」というシリーズのタイトルに対する KiKi の偏見から「このシリーズは小学生以下が読むもの」という意識が出てくるので、結果的にこの歳になるまで「ガリヴァー旅行記」を味わって読んだことはなかったと言っても過言ではありません ^^;

 

大学で英文学を専攻していた KiKi は当然のことながら「英文学史」な~んていう学問の講義を受けたこともあって、その時に「ガリヴァーの物語は日本では絵本でしか有名ではないけれど、実は風刺小説で、当時の英国社会のありように対する痛烈な批判・人間不信・人間嫌悪がそこかしこに散りばめられている」な~んていうことを聞かされ、ちょっぴり興味を持ちました。  でも、ここでも KiKi の読書を邪魔したものは、「大学生にもなってガリヴァーでもないでしょう・・・・・」という今にして思うと根拠の薄いプライドでした。

さて、今回、そういう意味では「子供向けの編集が行われている版」であることには間違いないらしい岩波少年文庫の「ガリヴァー旅行記(1)」を始めてじっくりと読んでみたわけですが、これは面白い!!  この年齢になったからこそわかるスウィフトの批判精神をそこかしこに感じることができました。 

人間って自分がいる環境に埋没し、尚且つ、そこにあることを思考停止したまま受け入れるだけの生活をしがちだけど、この物語ではガリヴァーが「小人国」「大人国」というガリヴァーの常識が通用しない世界に放り込まれることにより、私たちが思考停止しがちな様々な問題を浮き彫りにしてくれます。  

大人国の王様がガリヴァーとの会談で、イギリスの政治制度に対する質問をする場面などは、なかなかの圧巻で、「リスク管理」の原点はここにあり!といった趣さえあります。

かなり意味深だなぁと思ったのは小人国(リリパット)では、身体こそ小さいものの小人国の人たちが思いのほか凶暴で、次に訪れた大人国(プロブディンナグ)では、立場は変わって今度はガリヴァーが小さいわけだけど大人国の人から見るとそんな彼がかなり凶暴に見えたというくだりで、人間の卑小さとその小さな存在の持つ凶暴性を見事に暗喩しているなぁ・・・・・と。

岩波少年文庫版の編集の影響もあるかもしれないけれど、この「小人国」「大人国」の2編は比較的軽快でユーモラスな物語になっているように感じたけれど、大学時代の「英文学史」のノートを見ると、「ガリヴァー旅行記の諷刺の神髄は3度目及び4度目の航海にある」とメモ書きしてあるので、これは第2巻を読むのが楽しみ♪です。  どんどん辛辣になっていくのではないかしら・・・・・(笑)

「今更・・・・」という傲慢な想いからず~っと放置し続けたガリヴァーの物語。  岩波少年文庫版を読了したら岩波文庫版もせっかくの機会だから読んでみようかしらん。  

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このページは、KiKi (Brunnhilde)が2011年9月 2日 08:52に書いたブログ記事です。

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