大鷲の誓い デルフィニア戦記外伝 茅田砂胡

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以前、デルフィニア戦記を続けざまに読んだ頃から、この外伝の存在は知っていました。  その時から興味だけは持ちつつも、この C-Novels というシリーズに気恥ずかしさ・・・・・みたいなものがあって、なかなか手にすることができずにきたのが本日の読了本です。  たまたま図書館で見つけることができたので、思い切って借り出して読んでみました。

大鷲の誓い デルフィニア戦記外伝
著:茅田砂胡  中央公論新社

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大華三国の一角、デルフィニア。  かの地に二人の若者がいた。  ひとりは王国を代表する大貴族であり、国王の縁戚でもある筆頭公爵家の才気煥発な十二歳の嫡子。  一方、身分では比べものにならぬ地方貴族の子息ながらも、天才的な腕を持つ十七歳の剣士。  国王崩御の混乱の陰で彼らは戦う ― 未来を掴むそのために。  (新書本裏表紙より転載)

この装丁、正直なところ50を超えたオバハンにはちょっとキツイものがあります ^^;  そうであるだけに本編の方は文庫本で制覇した KiKi にとってこの本の文庫本発刊はとても待ち遠しいものがありました。  でも、知らないうちに出ていたんですねぇ。  今回、図書館本でこれを読了し、この(↑)Amazon Link を作ろうとPC に向かっていたら発見しました。  さらには今ではこれとは別の外伝も出ていたんですねぇ・・・・・。  ま、もう1冊の外伝の方はともかくとして、KiKi と同じようにこの(↑)装丁がちょっとキツイと思われる方のために、文庫本の方の Amazon Link も載せておきますね(笑)

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デルフィニアの黄金期を創出した「獅子王」のそばには、内乱期から数々の戦場を共にした二人の騎士団長がいた。  一人は筆頭公爵家の才気煥発な嫡子、一人は地方貴族の出身ながら卓抜した剣の腕を持つ天才剣士。  身分の異なる騎士たちの強固な絆はいかにして結ばれたか。  若武者の青春を描く待望の外伝。  (Amazonより転載)

いや~、これは結構 KiKi 好みのお話だったかもしれません。  少なくとも超人的な王妃(?)リィが出てこないだけでも(もちろんそれで薄れてしまった魅力もあるのですが)、人間模様の物語としてスンナリ読み進むことができました。  この「デル戦」の登場人物の中ではバルロに思い入れが強かった KiKi としては、あまりにも幼くて可愛い彼の姿に思わず心がくすぐられました(笑)  いや~、良い!  すこぶる良い!!  このバルロがあってのあのバルロです。

 

王族の血統でありながら、そして追放されたウォルに変わって王位に就くことを周囲に望まれていたバルロがどうして騎士団の団長 & 公爵という地位の方がよかったのか?がヒシヒシと伝わってくる物語だったと思います。  権力・権威の象徴みたいな王座に興味がないというのは本編でも伝わってきた理由だったけれど、彼は「騎士であり続ける事」「ナシアス・ジャンペールがノラ・バルロの楯となって死ぬのではない。  いつでも、どんな戦場でも、必ずノラ・バルロがナシアス・ジャンペールの楯になるのだ。」という誓いを立てたからこそ、王位に就くわけにはいかなかったんですねぇ・・・・・。

この物語でもっとも KiKi が共感できたのは、バルロの気持ちでした。  つまり、

自分でもまったくもって不思議な気がするのだが、ナシアスには軽蔑されたくなかった。

という彼の想い。  ナシアスがバルロの家格だとか、立場を超えた存在だったからこそ、そしてそうでありながらも魅力あふれる騎士だったからこそ、さらには「自分が敵方の武将だったら、ナシアスみたいな人質を取るのは絶対御免だ。  頼まれてもお断りだ。  自陣の中に入れたりしたら何をされるか物騒でかなわない。」と思わせる人物であればこそ、バルロはナシアスを認めたし、その自分が認めた人物に自分と同じような比重で逆に認めてもらいたいという想い。  これは、KiKi にとっても身近な感情です。

KiKi は学生時代に「生涯の友」と呼んでいいだろうと感じられる親友を得ました。  大学を卒業してから数年はその彼女も東京にいたので、比較的頻繁に連絡をとりあい、食事をしたり電話で話したりをしていたけれど、彼女がご主人の転勤で東京を離れてからはある意味で連絡が疎遠になってしまっています。  でも、彼女との物理的な距離が遠くなり、会う頻度が減ったり、会話をすることが滅多になくなった今でも、何かを考えるときに「彼女ならどうするだろう??」と強く意識することがあります。  そしてその多くは、人生の岐路に立ち何かを選択しなければならない時で、迷っている間は思い出すこともないんだけど、自分なりにそこそこ結論が出たと感じられた時には決まってふとそう思うのです。

そして、何年に1度という頻度で彼女に会う時には、「彼女に負けない自分であるか否か?」を強く意識します。  言ってみれば「彼女の親友として恥じない自分であるかどうか?」「会わずにいたこの何年間かを彼女と同程度に充実して過ごせたオーラが自分にはあるか否か?」を気にする・・・・という感じでしょうか。  正直、会わずにいて、話もしていなくて、彼女が充実した時を過ごしていたか否かを知る由もないんだけど、KiKi にはある種の確信があるんですよね。  「彼女であれば、絶対に有意義な時間を過ごし、あの頃以上に魅力的な女性になっているはずだ。」ってね。  そう、だからこそ思うのです。

自分でもまったくもって不思議な気がするのだが、彼女には軽蔑されたくない。

って・・・・・・。  若かりし頃にそう思い定めた人間関係っていうのは、信じられないくらい強いもの・・・・・だと思うんですよ。  そして事実、これまではそれを裏切られたことはありません。  ( KiKi の方が裏切っていないかどうかは甚だ心許なかったりもするのですが・・・・・ ^^;)  恐らくバルロとナシアスの関係も、あの年齢だからこそ築けたものだし、そうであるだけに人生の中での重みが違う・・・・・・そんな風に感じました。

巻末の本編とも重なる時期のエピソードに関しては、個人的にはなくても良かったように思えます。  まあ、でも、久しく「デル戦」の世界からは遠ざかっていただけに、ちょっぴりしみじみとしてしまったのは事実なんですけどね(笑)  

それにしても、この「デル戦」は不思議な物語ですねぇ。  正直なところ、KiKi はこの物語が好きなんだか、さほど気に入っていないんだか、よくわからないんですよね~(苦笑)。  でも、この外伝単体に関してだけ言うなら、これは間違いなく KiKi 好みの物語でした。     

 

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