ムーミンパパ海へいく T.ヤンソン

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ムーミン・シリーズの読書途中で、岩波少年文庫に逃避してしまっていました。  「シリーズ物を読もう!」という意気込みで読み始め、手元に全巻揃っているのに浮気をしたっていうところに、KiKi とこのシリーズの相性・・・・みたいなものがあったのかも!?  ま、いずれにしろ本日の KiKi の読了本はこちらです。

ムーミンパパ海へいく
著:T.ヤンソン 訳:小野寺百合子  講談社文庫

31ZT1QGZN3L__SL160_.jpeg (Amazon)

かわいいムーミントロールとやさしいママ、おしゃまなミイにすてきな仲間たち。  毎日が平和すぎてものたりないムーミンパパは、ある日1家と海をわたり小島の灯台守になります。  海はやさしく、あるときはきびしく1家に接し、パパはそんな海を調べるのにたいへんです。  機知とユーモアあふれるムーミン童話。  (文庫本裏表紙より転載)

う~ん、この本はかなりビミョーだなぁ。  これって言ってみれば「ムーミンパパの中年の危機の物語 & それに振り回されるムーミン一家」っていう感じ??  タイトルこそ「ムーミンパパ海へ行く」だけど、実際に海へ行くのはパパ1人ではなくムーミン一家全員(含むミィ & 何故かモラン)だし、この引っ越しの必然性は単に「パパがムーミン谷の生活に何とはなしに物足りなくなったから」だし・・・・・。  人が(ムーミン・トロールも?)生きていくと、ある時期にこれまで満足していたはずの生活に何等かの違和感のようなものを感じるのは理解できる(実際 KiKi もそれに直面した)んだけど、どうしてもムーミンパパに感情移入できないのは、「自分が本当のところは、何を感じて生きてきたのか、ということに気づいていく」プロセスが描かれていないから・・・・・。

彼の本作でのモチベーションがただひたすら「父親たるもの、○○であらねばならない」というよくわからない義務感のみというのがねぇ・・・・・。  これって KiKi が♀だからわからない感覚なのかもしれないけれど・・・・・ ^^;  要するにこの引っ越しで彼が取り戻したかったもの(もしくは得たかったもの)が何なのか、正直なところサッパリわからないのです。  「絶対的な父権」という意味では、それはムーミン谷での生活であっても、少なくとも前作までのシリーズではちゃんと確立していたと思えるしなぁ・・・・・。  これが「ちびまるこちゃんのお父さん」だったら、理解できなくもないけれど(苦笑)

 

次に読むことになるムーミン・シリーズのタイトルが「ムーミン谷の11月」であることから察するに、この島での生活は長続きしなかったことが想定できちゃうんだけど(まあ時系列はメチャクチャなシリーズなのかもしれないけれど ^^;)、作者が平穏無事なムーミン谷の世界以外のフィンランドの厳しい自然の一旦を描きたくて無理やり絶海の孤島に場面を移しただけなのかもしれないけれど、要するに KiKi にはしっくりこない物語でした。

部分・部分にはハッとさせられる言葉も書かれていたんですけどね。  特に本作でのミィの発言には色々考えさせられることが多かったです。

そして何よりも心に残ったのはムーミン・トロールとモランの間の心の交流の物語です。  よくわからない設定の中でひたすら「嫌われ者」だったモラン。  そのモランがどうしてムーミン一家の後を追って海を渡っちゃったのかはさておいて、その「よくわからない先入観による嫌悪」をムーミン・トロールが乗り超えることができたのも場面が平和なムーミン谷ではなく絶海の孤島だったからこそ、大好きなムーミン谷の仲間から離れていればこそ・・・・だったのかもしれません。

ある意味では「当たり前のようにそこにあった居心地のいいもの、居心地のいい関係」から隔離されて初めて気がつくことも多いから・・・・・。  そして思春期というビミョーな時期に、煩わしい外界とは遮断されて自分ひとりの世界を構築する時間を持つことができたのは、ムーミン・トロールにとって幸せなことだったのかもしれません。  でもね、それでも KiKi は思ってしまうのです。  その時期に「自分ひとりの世界を構築したいのに何かと邪魔が入りうまくいかない」という経験も、実はとっても大事なことなんだけどなぁ・・・・ってね。

この作品は1965年の作品なので、著者トーベが50代の前半頃に描かれたものになります。  その年齢にありがちな「私の人生、これでよかったんだろうか??」「私がこれまで是としてきたことは本当に是だったんだろうか?」「私がこれまで避けてきたことは、本当に避けるべきことだったんだろうか?」という心の逡巡が反映されている作品であることは痛いほど伝わってきたんだけど、それがまだ全然こなれていない状態で書かれたもの・・・・・・そんな印象を受けました。      

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このページは、KiKi (Brunnhilde)が2011年9月 8日 10:46に書いたブログ記事です。

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