ロスト・シンボル D.ブラウン

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図書館で借りてきた映画DVDに触発されて始まった KiKi の D.ブラウン作品読書計画。  KiKi はこの企画を思いついた段階ですべての本が再読だと思っていたんだけど、どうやらこれは勘違いだったみたい・・・・・。  確かに「天使と悪魔」、「ダ・ヴィンチ・コード」、「パズル・パレス」、「デセプション・ポイント」の4作品は間違いなく再読で、手元に文庫本も揃っているんだけど、今回読了した「ロスト・シンボル」だけは初読だったようです。  どおりであらすじなんかにまったく記憶がないわけだ!!  でね、それでも既読と錯覚したのには理由があって、つらつら思い返してみるに上記4作で何となくこの人の作風に飽きちゃっていて、それでも「ロスト・シンボル」が発売されたばかりの頃、あちこちの「書評ブログ」とか新聞評とか雑誌評をチェックして、それで「ま、これは読まなくてもいいか・・・・」と結論づけたということだったみたい・・・・ ^^;  ま、その「読まなくてもいいか・・・・」という結論に至ったはずの本が本日の KiKi の読了本です。

ロスト・シンボル(上)
著:D.ブラウン 訳:越前敏弥  角川文庫

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ロスト・シンボル(下)
著:D.ブラウン 訳:越前敏弥  角川文庫

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キリストの聖杯をめぐる事件から数年が経ち、ハーヴァード大で教鞭を執る静かな生活を送っていたラングドンに、旧友から連絡が入る。  フリーメイソン最高位の資格を持つスミソニアン協会会長ピーター・ソロモンからで、急遽講演の代役を頼みたいという。  会場である連邦議会議事堂に駆けつけるが、そこにピーターの姿はなく、切断された右手首が......  薬指には見覚えのある金の指輪。  フリーメイソンの紋章をあしらったその指輪は、ピーターのものに間違いない。  ピーターを人質に取ったというマラーク(悪霊)と名乗る謎の男は、ラングドンに"古の門"を探せと命じる。  ピーターの右手の指先に施された独特の刺青が"古の門"の先にある"古の神秘"を指し示す図像であることにラングドンは気付く。  誘拐犯マラークの目的は、この恐るべき力を持つとされる"古の秘密"を手に入れることにあるのは明らかだった。  ラングドンは駆けつけたCIA警備局長サトウと共に、まずは、"古の門"の捜索に乗り出すのだが......。  (単行本上巻扉より転載)

アメリカ建国の父祖でフリーメイソンのメンバーであるジョージ・ワシントンやベンジャミン・フランクリンらはあらゆる象徴を首都・ワシントンDCにちりばめた。  謎の男マラークは、彼らがこの街に"古の神秘"という人類最大の知恵を隠し、さらには、名家ソロモン一族がこの謎を解く鍵を代々守り伝えてきたというのだ。  これらは全て単なる言い伝えにすぎないと考えていたラングドンだが、国家安全保障のためマラークの要求に従うよう迫るCIA保安局長サトウと共に、暗号に導かれて連邦議会議事堂の地下室へ赴く。  そこで、伝説のピラミッドの存在を目の当たりにする!  (単行本下巻扉より転載)

う~ん、この作品はねぇ・・・・・。  正直なところちょっとマンネリ気味っていう感じでしょうか??  ある意味で良くも悪くもアメリカ的(≒ ハリウッド的)な作品になっちゃったかなぁという印象です。  相変わらずのスピード感、相変わらずのトリビア的薀蓄の数々には「さすが!」と思わないでもないんだけど、舞台をワシントンに置いたにも関わらずそこに「古の~」という謎解きを組み合わせるのは、ちょっとムリがあるんじゃないかなぁ・・・・と。  

合衆国建国の父たちは、このアメリカ大陸の先住民(いわゆる「ネイティブ・アメリカン」)じゃないわけで、そんな彼らが「古の~」という文化を引っ提げて上陸した人たちであることはわかるし、そんな彼らが自分たちの「文化」を理想的な形で実現しようとしていたというのも、単視眼的には理解できないわけじゃない・・・・。  だから造形的に何を残そうがそこを否定するつもりはないんだけど、「ワシントンDC」と「古の~」をセットにした瞬間に胡散臭さが漂い過ぎちゃう・・・・・(苦笑)  KiKi のようなひねくれた人間には

ああ、やっぱりアメリカ人にとっては歴史が浅い国というのが根深~いコンプレックスなのね・・・・

とまで感じられちゃうんですよね~ ^^;


さらに言えば前2作のラングドン・シリーズと比較しても、どんでん返し部分のプロットの作りこみが雑な感じがして、真犯人像が結構早い段階で読めちゃったし・・・・・。  さらにさらに言えば、ストーリー全体の壮大感があんまりない(要するにスケールが小っちゃい)し・・・・・。  さらにx3 言えば、独身主義のはずのラングドン教授が被害者の身内の美人と絡んでどうたらこうたらというのもアメリカ・メロドラマ的でここまで連発されると鼻につくし・・・・・・。  さらにx4 言えば、ここまで不死身なラングドンはあまりに嘘っぽすぎるし・・・・・と、まあ、論っていくと散々な Review になってしまいそうです。  何となく・・・・ではあるんだけど、D.ブラウンさん。  小説家と言うよりはハリウッド映画のシナリオ・ライターに道を絞られたんでしょうか??  完全に映像化を意識した物語になっちゃっているように感じました。

フリーメイソンという多くの人にとって「名前は知っているけれど正体は不明」な団体を扱っているのはラングドン・シリーズの流れからすれば必然とも感じられたけれど、「ダ・ヴィンチ・コード」のシオン修道会や「天使と悪魔」のイルミナティほどには、「そこに所属する人たちの想い」みたいなものも感じられなかったし・・・・・。  要するに「得体の知れない陰謀集団」のイメージだけにそのまま乗っかった作品という印象です。  

そして KiKi にとって一番納得がいかなかったのがすべての事件が解決した後のエピローグの部分。  いかにも「文明社会をリードする、先進国アメリカ讃歌」的な結末がこれまたいただけない・・・・・。  結局この作品で言いたかったことは「アメリカ、万歳 \(^o^)/」ですか???  まあ、アメリカ人の著者だからわからなくもないけれど・・・・・・。

と、散々にけなした(?)後で最後に賛辞を(笑)  この物語で出てくる「魔法陣」の話とそれを利用しての暗号解読(そこに象徴がからむ)の部分は、これまでのラングドン・シリーズ同様、なかなか読まされちゃいました。  特にあのデューラーの「メランコリアⅠ」の版画は不思議な絵ですよね~。  下巻の巻頭にある図表には何度も何度も見入ってしまいました。

186px-Dürer_Melancholia_I.jpg

それこそ「得体の知れない」絵で、安心感とは程遠いものがあるけれど、見れば見るほど惹きつけられる不思議な作品だと思いました。

    


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このページは、KiKi (Brunnhilde)が2011年10月22日 10:38に書いたブログ記事です。

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