南総里見八犬伝(4) 滝沢馬琴

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サクサク読めちゃう子供向けの「南総里見八犬伝」。  とうとう最終巻を読了してしまいました。  ま、てなわけで本日の KiKi の読了本はこちらです。

南総里見八犬伝(4) 八百比丘尼
著:滝沢馬琴 編:浜たかや 画:山本タカト  偕成社

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謎の尼僧妙椿(みょうちん)の妖術で、またたくまに上総館山城主となった悪党源金太(げんきんた)改め蟇田素藤(ひきたもとふじ)。  妙椿の目的は、里見家の滅亡。  そこにあらわれたのが、犬江親兵衛、房八の息子である。  少年とは思えぬ強さで活躍、里見家の危機を救う。  八犬士たちは、里見家を守り、足利成氏(しげうじ)、上杉定正、千葉自胤(よりたね)、箙御前(えびらごぜん)等からなる宿敵連合軍をむかえうつ・・・・。  ここに、玉梓の怨念に端を発した宿命と絆の物語が、大団円をむかえる。  (単行本扉より転載)

いや~、あっという間でした。  ホント、呆気ないほどサクサクと読めちゃってちょっと唖然としているぐらい・・・・。  もっとも、この第4巻はかなりバタバタと駆け足で纏め上げちゃったという雰囲気もあって、前の3冊と比較すると何かと不満も多いんですけどね。  それとね、これはこの最終巻に限った話ではないんだけど何とな~く記憶に残っている物語とところどころ違うのがちょっと気になります。  もっとも KiKi の場合、八犬伝と言えば「例の人形劇」と「この偕成社版全4巻」と「ぶつぎれのシーンごとの人伝伝聞」しかないわけで、本家本元の原本には未だ手を出していないわけだから、「何が正か?」は知らないのです。  つまり、KiKi の記憶にある物語の断片が正しいとは言い切れないのですから、偉そうにあげつらうわけにはいきません。 ^^;

でもね、この本の編者である浜たかやさんの「あとがき」によれば、

原作を六分の一から、七分の一に縮めるのですから、原作の後半部分はおもいきって割愛し、ストーリーもかなり単純に整理しました。  約400人と言われる登場人物も、大幅に整理しました。  たとえば、籠山逸東太(こみやまいっとうた)は原作にも登場する敵役ですが、数多い敵役を整理し、籠山逸東太に兼ねさせたので、原作よりはるかに多い出番をもつことになりました。  又、安西土佐、山下小助のように、原作にはない登場人物もいます。  話の都合上、エピソードをかえた部分の多々あることもおことわりしておきます。

とのこと。  う~ん、そう言われちゃうと何だか「原本を読みたい気分」がかきたてられちゃいますねぇ。  でもね、滝沢馬琴のこの作品、言ってみれば現代のマンガのような、もしくは韓ドラのような書かれ方をしていて、要は熱狂的なファンの期待に合わせて、馬琴先生が当初考えていたストーリーからあっちへはずれ、こっちへはずれ、ある意味では連載を長引かせるために余計な挿話なんかも増えちゃっていて、特に後半にいけばいくほどその影響を受けている・・・・・と以前に聞いたことがあるんですよね~。  そうなると、やっぱり全10巻な~んていう作品を読み通せる自信はないし・・・・ ^^;  もっともあの文語調の何とも言えないリズムの文章には興味があったりもするわけですが。


ところでこの第4巻のサブタイトル「八百比丘尼」とは妙椿尼(玉梓の怨霊の化身)のことなんだけど、KiKi の記憶では確か彼女、狸でその昔、あの八房に授乳した乳母みたいな存在だったような気がするんだけど、そのあたりに関してはこの本では触れられていませんねぇ。  まあ、だいたいにおいて八房自体が玉梓の怨霊の化身だったことも触れられていないし、伏姫がどうして自害する気になったかも省略されていたし・・・・。

まあ、児童書ということで色々省略しなくちゃならないことが多かった(特に性的な部分)のは理解できるんだけど、玉梓の怨霊がどこまで執念深かったかという点においてはかなり薄められちゃっていたような気がします。  この全4巻では結果的にバラバラだった八犬士がいかにして巡り会って里見家に仕えるようになったかという軸のみで、活劇ドラマとして終始しちゃっているのが残念と言えば残念でした。  まあ、イマドキの子供には「怨霊」な~んていう非科学的な存在のお話は退屈極まりないのかもしれないけれど、あの人形劇で「我こそはぁ~、玉梓がぁ~、怨霊ぅ~」(ドロドロドロ)というイメージが定着した KiKi にとってはあれが素地にあって源氏物語の「物の怪」とか「陰陽師」とか「形代」というような摩訶不思議な世界を受け入れることができたように思うし、その果てにFFXの「魔物は生きている人間がうらやましい」に通じるものがあったように思うんだけど・・・・(苦笑)

この本は児童書ということもあってかなり多くの振り仮名が振られています。  人によってはそのひらがなの多さや、ルビの多さに辟易とする人もいるみたいだけど、KiKi にとってはそれはさほど邪魔にはなりませんでした。  逆に八犬伝の登場人物や土地の名前などは「漢字」によってイメージが湧くものあり、「音」によってイメージが湧くものありと、日本語の多彩さがイマドキの物語よりも生かされている物語だと感じているので、正しい音で読めることも重要な要素でした。

特にこの第4巻で登場する盗賊源金太、改め、蟇田素藤 な~んていう名前は、「ゲンキンタ」という名前と言い「ヒキタ」という名前と言い、まさに「名は体を表す」の典型的な例じゃないかと思うんですよね~。  

ま、せっかく手がけ始めた「八犬伝」の世界。  岩波文庫の全10冊に手を出すか否かはもうちょっと読みやすそうな「八犬伝関連本」を読んでから決めたいと思います。  ま、てなわけで、昨日図書館からこ~んな本を借りてきてみました。

里見八犬伝 (古典を読む シリーズ)
著:川村二郎  岩波書店 同時代ライブラリー

51CHAXH68RL._SL500_AA300_.jpg (Amazon)

殺さば殺せ。  児孫(うまご)まで、畜生道に導きて、この世からなる煩悩の、犬となさん - 「八犬伝」の物語は一人の女の呪いからはじまる。  玉梓、伏姫、船虫ら作中異彩をはなつ女性たちに存分の筆を割いて論じ、単純な勧善懲悪小説と片づけられがちなこの大長編に新たな光を投じる。  魅力あふれる力作古典評論。  (新書本裏表紙より転載)

まあ、この本を読んでみてやっぱり原文も読んでみようかなぁ・・・・と感じることができたら、古文のお勉強に着手してみようかなぁと思っています(笑)。

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このページは、KiKi (Brunnhilde)が2011年10月 8日 13:10に書いたブログ記事です。

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