神統記 ヘシオドス

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昨日のエントリーでもお話ししたとおり、図書館から借り出してきている本の続きを読むべきか、はたまた一旦ギリシャ神話シリーズ(?)を制覇すべきか、色々迷ったのですが、ここはやっぱりギリシャ神話シリーズに埋没する日々を送ってみるのも悪くないだろうとの結論に至りました。  とくにこういう神様がいっぱい出てきて、誰が誰だかわからなくなってしまうような物語は眠気と戦わざるを得ない「野良仕事シーズン」には絶対に読み進めることができません。  ま、てなわけで本日の KiKi の読了本はこちらです。

神統記
著:ヘシオドス 訳:廣川洋一  岩波文庫

41tyuFzJIjL._SL500_AA300_.jpg  (Amazon)

ホメロスと並ぶ最古の叙事詩人ヘシオドスが唄いあげるギリシア諸神の系譜。  宇宙の始源、太古の神々の生誕から唄い起こし、やがてオリュンポスの主神ゼウスが、凄惨な戦いののち、ついに世界の統治者として勝利と栄光を獲得するに至るまでを力強く物語る。  ギリシア神話、宇宙論のもっとも基本的な原典。  (文庫本表紙より転載)

いわゆる「聖典決定版」にあたるものが存在しないギリシャ神話。  子供時代から数多の編纂もので親しんできたギリシャ神話の一つ目の原典にあたる「神統記」にまずは手をつけてみました。  実はね、この「神統記」。  KiKi は学生時代に一度は手にしたことがあるんですよ。  でも神様の家系図みたいな構成で羅列される名前の多さにうんざりとして、結局途中で放り出してしまったという前科があったりします。  今回は、せっかくの機会なので放り出さずにちゃんと最後まで読了したものの、その読み方としては結果的に雑なものになってしまいました。

詩の形態で書かれているため、言葉のリズム(のようなもの)を味わうことはできました。  そしてそのリズムを感じ取ろうとすると、恐らくこれが古代ギリシャ語で、尚且つオリュンポスの9人の詩歌女神(ムウサ)が語るという舞台か何かであれば、あのコーランの朝晩の祈りの言葉同様に、厳粛かつ音楽的なものなんだろうなぁと感じることができたように思います。  又、ところどころにあった挿話的な物語(ウラノス;父とクロノス;息子のあれやこれやとか)はじっくりと堪能することができました。  でも、本書の大半を占める「どの神様とどの神様が添寝して誰が生まれて」というあたりは正直、斜め読みになってしまいました ^^;  だって、やっぱりどう頑張ったってそこはつまんないし、覚えられるわけもないんだもの・・・・・。


読了して考えたこと。  今日はそのお話をしてみたいと思います。  この Blog に定期的に通ってくださっているお客様は恐らくよ~くご存知だと思うけれど、KiKi は一神教っていうやつと相性のよくない人間です。  「全知全能、唯一無二」な~んていう考え方にはどうしても胡散臭さと感じてしまうタイプの人間です。  それでも改めて多神教の一例であるこのギリシャ神話をじっくりと味わってみると、一神教が理想の宗教体系だと結論づけた人々の気持ちもわからなくはないなぁと思うのです。

何せ、このギリシャ神話の場合、太古の神々であるウラノスとガイアの間にできた子供たち(子供と言えども神様ですが)をウラノスはわが身の安全を図るために大地の奥に隠して光の世界には出てこられないようにしちゃう。  そんな子供の一人であるクロノスはその仕儀に心を痛めていた母、ガイアと共謀してそんなウラノスに復讐しちゃう。  じゃあ、そのクロノスはどうか?と言えばウラノスに復讐する際には「ウラノスの方が先に恥知らずな仕業を企んだのだから」と言っていたにも関わらず、自分が最高位に立った後は父親同様、生まれてくる子供たち(これまた子供と言えども神様ですが)を次々飲み込んじゃう。  唯一、飲み込まれずに育つことができたゼウスに今度は復讐されるわけですが、そのゼウスも子供を飲み込むわけではなく、奥さんを飲み込んじゃう。  (その結果としてアテナはゼウスの頭から誕生)  

畏れ多くも畏くも、神様ともあろう方々が身内でこんな内紛を起こしているようじゃ、か弱き存在、神様に劣る人間はどうしたらいいのかわからないじゃないか! と考えても不思議はないわけで・・・・ ^^;

ギリシャ神話の神様たちの魅力の一つは「とても人間的」なことではあるものの、信仰の対象とするにはチト頼りない・・・・と言うか、少なくともその後の「一神教の発祥地」である砂漠の民にしてみれば「神様たちの内輪もめにつきあっていられるほどこちとら余裕はないわい」となってしまうのはさもありなん・・・・と。  自然に対する畏怖の気持ちは人間誰もが持つものだけど、同時に「自然の恵みも十分に享受できる民族」と、「自然とは闘うしかない民族」ではやはり信仰の対象になりえるものは違うのだなぁと改めて感じました。

因みに、この神統記で描かれる「宇宙の始源」の物語もその後の「ゼウス vs. クロノスの戦い」の物語も、地球に生命が生まれる前の苛烈な環境(火山が爆発したり、大地が割けたり)を彷彿とさせる文学的な表現だなぁと感銘を受けました。  

さて、ギリシャの神様方の家系図(巻末に整理されている)を横に置きながら、次の1冊(4冊?)、ホメロスに移りたいと思います。  岩波文庫の「イーリアス」 & 「オデュッセイア」を読むのは実に30年ぶりぐらいになるでしょうか。  とっても長~い物語だけど、とっても楽しみです。  KiKi の大好きなヘクトルに会えるというだけでも☆ウ☆レ☆シ☆イ☆ ♪  そう言えばこ~んな映画もあったっけ。  この映画もついでに久々に観直してみようかしらん(笑)  

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このページは、KiKi (Brunnhilde)が2011年10月12日 10:57に書いたブログ記事です。

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