星の林に月の船 声で楽しむ和歌・俳句 大岡信

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昨日のエントリーでせっかく我が母校の先輩が編纂された「おとぎ草子」を読了したので、今日も引き続き先輩に敬意を表し、こちらを読了しました。

星の林に月の船 声で楽しむ和歌・俳句
編:大岡信  岩波少年文庫

5194V52TAQL._SL500_AA300_.jpg  (Amazon)

何度も口ずさんで、五七調のリズムのよさ、ことばのひびきを楽しもう。  時代をこえて脈々とうたいつがれてきた和歌や俳句。  季節やくらしを題材にした美しい表現やユーモラスな感受性の宝庫から、194作を選びました。  (文庫本裏表紙より転載)

世の中には俳句や和歌を趣味とする大人も多いけれど、あいにくそのての雅な趣味を持たずに大人になってしまった KiKi。  でも、久々にこの本で数多の和歌や俳句を読んでみると、今さらながら「日本語の美しさ」と「日本人の美意識」、「季節感」といったものに驚かされます。  この本に収録されている194編の作品の中で、既に KiKi がどこかで読んだことがあるものが約半数。  そのまた更に約半数が未だにちゃんと暗唱できる句だったのが嬉しかった(笑)。  最近ではすっかりご無沙汰の「百人一首」に含まれている詩もあり、そう言えば小学生の頃、100首全部を覚えたものだっけ・・・・などと感慨にひたったりもして・・・・。

標題の「星の林に月の船」はこの本にも収録されている柿本人麻呂の

天(あめ)の海に  雲の波立ち  月の船
    星の林に  漕ぎ隠る(かくる)見ゆ

から採ったものなのだそうですが、たまたまこの本を読了した昨日は三日月だったようです。  (この歌の大意は 「天は海。  雲はその海に立つ波。  三日月の船がそこを滑って星の林に漕ぎ隠れていく」 というほどの意味で、まさにこの日のために歌ったかのような和歌であることに偶然とはいえちょっぴり運命的なものを感じてしまいました。

 

学生時代には「古文の時間」やら「百人一首大会」などで、それなりに接点のあった和歌・俳句の世界。  現代の私たちが使う日本語とはちょっと違うということで苦手意識を持つ友人たちも多い中、決して KiKi は嫌いな世界ではなかったはずなのに、この歳になるまで再び接点を持たずに来たことが不思議と言えば不思議な感じがしました。

この本を読んでいてちょっと嬉しかったのは「坂の上の雲」のメインの登場人物、正岡子規門下にいた高浜虚子と河東碧梧桐の俳句をほんの少し(合計3つ)知ることができたことでした。  子規の句自体もさほどは知らないのですが、ましてその弟子の虚子と碧梧桐の句となると「古文の時間」にも学んだ記憶がないので、間もなく「坂の上の雲 第3部」放映を前にしたこのタイミングで読むことができたことにも偶然とはいえ、何となく驚きを感じました。

個人的には万葉集の歌が一番好きな KiKi ですが、そんな KiKi にとってかなりの衝撃だったのが以下の句です。

戦争が  廊下の奥に  立ってゐた     渡辺 白泉

KiKi が子供時代に学んだ俳句のお約束事、「季語」がまったく含まれていない、いわゆる「無季俳句」の一句なんだけど、多くの一般人がある意味で思考停止した状態で日々の生活に追われているうちに「戦争」という非日常が目の前に突き付けられた衝撃みたいなものがダイレクトに伝わってくるような俳句でドキリとしました。  

不勉強な KiKi はこの方のお名前さえも知らなかったので、どんな方なのか調べてみようと思ってググってみたらこちらに行き当たり、この方もまんざら KiKi とは縁のない方ではなかったことにさらに驚きを覚えました。  この本で紹介されていた彼のもう1句

夏の海  水平ひとり  紛失す

という句と併せて、「戦争を知らない子供たち」世代の KiKi にとって、どんなにリアルに描写された映画やドラマよりも、「戦争の現実」が胸に迫ってくる句に感じられます。  ついでにネットで色々検索してみたらこんな句も見つかりました。

銃後といふ  不思議な町を  丘で見た

飛行機となり  爆弾となり  火となる

赤く青く  黄いろく黒く  戦死せり

こういう句をこの歳まで知らなかったことを恥じるのと同時に、あの時代にこんな句を詠んだ人もいたんだという事実を知り、戦後には彼が俳壇を去り我が故郷で教壇に立っていたことを知り、この方に強烈な興味を覚えました。  

  

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このページは、KiKi (Brunnhilde)が2011年11月28日 13:51に書いたブログ記事です。

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