本の小べや 1 & 2 E.ファージョン

| コメント(0) | トラックバック(0)

今日は E.ファージョンの作品から。  岩波少年文庫に収録されている2冊を同時にご紹介したいと思います。

ムギと王さま 本の小べや1
著:E.ファージョン 訳:石井桃子 絵:E.アーディゾーニ  岩波少年文庫

51W9D20K47L._SL500_AA300_.jpg  (Amazon)

幼い日々、古い小部屋で読みふけった本の思い出 ― それは作者に幻想ゆたかな現代のおとぎ話を生みださせる母胎となりました。  この巻には、表題作のほか「レモン色の子犬」「小さな仕立屋さん」「七ばんめの王女」など、14編を収めます。  (文庫本裏表紙より転載)

天国を出ていく 本の小べや2
著:E.ファージョン 訳:石井桃子 絵:E.アーディゾーニ  岩波少年文庫

51V3FW5NGFL._SL500_AA300_.jpg  (Amazon)

「現代のアンデルセン」とも称されたファージョンの美しい自選短編集(全27編)から、この巻には、表題作ほか「コネマラのロバ」「十円ぶん」「サン・フェアリー・アン」「しんせつな地主さん」「パニュキス」など13編を収めます。  (文庫本裏表紙より転載)

1巻目の「ムギと王さま」には14編、2巻目の「天国を出ていく」には13編、合計して27編のファージョンの自選短編集(その本のタイトルが「The Little Bookroom; 本の小べや」です)の全編をようやくこの年齢になって読了することができました。  KiKi が昔読んだこの物語集には2巻目の最後に収録されていた「パニュキス」はなかったんですよね~。  他にもいくつか読んだことがないなぁと思われる作品も含まれていたんですけど、少なくとも「パニュキス」に関しては作者自身が好きだった物語だったとのこと。  まあひょっとすると子供にはちょっと馴染みにくい物語かもしれませんが、少なくとも KiKi にとってはこの時期にこの版で読むことができたことは嬉しい驚きでした。

この本、一つ一つの物語もキラキラしていてとっても素敵なんだけど、それよりなにより惹かれてしまうのは挿絵です。  どれ1つをとってもため息ものなんですよね~。  モノクロ(表紙は彩色されているけれど、それでも色数をぐっとおさえてある)なのに、色が浮かび上がり、静止画なのに空気や風が香り立つような感じ・・・・・とでもいいましょうか。

そしてそれにさらに輪をかけて素晴らしいのが石井桃子さんの美しい日本語です。  これにはもちろん著者であるファージョン自身の持っている品格・・・・のようなものも大いに寄与しているとは思うのですが、それを石井さんの甘すぎず、かと言って淡々とはしすぎない絶妙なバランス感覚で選び抜かれた日本語がさらに素敵なものにしてくれている・・・・・そんな素敵な短編集だと思います。


因みにこの本(というより宮崎さんが選んだのはこれよりは前の版の「ムギと王さま」なので、KiKi が昔読んだ版になるのですが・・・・・)に関する宮崎さんのコメントはこんな感じです。

P.3 より
この人の描く愛らしい絵は、幼児の世界にぴったりです。  表紙の絵(これは現在の版では「月がほしいと王女さまが泣いた」の口絵)好きです。  こういう風にペンで描くのかと参考になりました。  後の時代に出てくるペン画のようにギスギスしていないんです。

大人になって、訳者の石井桃子さんの文章のすばらしさが、この本を素敵にしたんだと判りました。  ひとつひとつのお話が、どれもキラキラしていてクリスマスツリーのようです。  挿絵も強く印象に残っています。

ああ、やっぱり稀代のアニメーターの目にもこの絵は印象深く残る絵なんですねぇ・・・・・。  ペン画を多く見てきたわけじゃない KiKi には後の時代のペン画がギスギスしているのかどうかまではわからないけれど、「ポワッ、モコッ」みたいな擬態語がぴったりくる絵であることは間違いなくて、こんな挿絵が KiKi の子供時代の本には多かったような気がするのは確かなんですよね~。  そこへ行くと割と最近の児童書の挿絵は漫画的な絵が多いような気がするのは気のせいでしょうか??  カラフルなんだけど、味がない・・・・とでも言いましょうか・・・・・。

ま、それはさておき、ファージョンの作品っていうのは結構「好き・嫌い」がはっきりしやすい作品のような気がします。  どちらかと言えば女の子向き・・・・の作品が多いかな。  それでも「ムギと王さま」とか「金魚」とか「十円ぶん」あたりは、男の子好きのする物語のような気がします。  大人になった今の KiKi が個人的にとっても好きだったのは「巨人と小人」「十円ぶん」「ねんねこはおどる」「サン・フェアリー・アン」の4編でした。  

さて、せっかくここでファージョンの短編集を読了したので、次に読む岩波少年文庫の本もファージョンでいきたいと思います。  次は「リンゴ畑のマーティン・ピピン」(ファージョンの出世作)です。        

トラックバック(0)

トラックバックURL: http://poco-a-poco.chu.jp/mt/mt-tb.cgi/1082

コメントする

2015年2月

1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28

Current Moon

CURRENT MOON

東京のお天気


山小舎のお天気


Booklog



ブクログ

アーカイブ

ウェブページ

Powered by Movable Type 4.261

TrackbackPeople

クラシック・ピープルの Trackback People Site


チェロ ラヴァーズの Trackback People Site


Piano~ぴあの Trackback People Site


ピアノオススメ教本の Trackback People Site


ピアノ教室の Trackback People Site


Book Love Peopleの Trackback People Site


本好きPeople・ぴーぷるの Trackback People Site


今日読んだ本の Trackback People Site


ファンタジーが好き♪の Trackback People Site


この絵本がすごい!の Tackback People Site


児童書大好き♪の Trackback People Site


ハヤカワepi文庫の Trackback People Site


岩波少年文庫応援団の Trackback People Site


薪ストーブの Trackback People Site


週末は田舎暮らしの Trackback People Site


野菜育てPeopleの Trackback People Site


ガーデニングの Trackback People Site


パッチワークキルトの Trackback People Site


あなたの訪問は?


日めくりカレンダー


Real Time News


カテゴリ

ノルンはいくつ?

本が好き!


読書メーター

KiKiさんの読書メーター
KiKiさんの読書メーター

最近読んだ本

KiKiの最近読んだ本

今読んでいる本

KiKiの今読んでる本

読了目標





今やってるゲーム

KiKiの今やってるゲーム

このブログ記事について

このページは、KiKi (Brunnhilde)が2011年12月26日 23:05に書いたブログ記事です。

ひとつ前のブログ記事は「今年のX'mas Present」です。

次のブログ記事は「電子書籍体験 Part1」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。

高速運賃





Edita

ブロガー(ブログ)交流空間 エディタコミュニティ

名言黒板


作家別タグ