クリスマス・キャロル C.ディケンズ

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東京の町はクリスマス・ムード満載!!  あっちもこっちも原発事故後の節電キャンペーン中であることが別次元の出来事かの如く、キラキラしたイルミネーションで飾られ、あっちの店こっちの店とそこいら中で「年末商戦」が繰り広げられています。  今回の東京滞在で KiKi が呆気にとられたもの。  それは電気店がこぞってキャンペーンをやっている「スマホ」やら「iPad を筆頭とするモバイル端末」の大混戦の姿でした。  ついこの間やっと「光通信」の恩恵を受けたばかりで、いわゆるモバイル回線の未設エリアで暮らしているとそんなものを持っている人にも会わなければ、その必要性も感じないモノが今や東京では当たり前の世界なんですねぇ。  でも、それって本当に必要なモノなのかなぁ。  KiKi は田舎にいる限りその必要性は一切感じないし、なくてもとっても幸せなんだけど・・・・・。  う~ん、よくわからん。  でも、もしも東京で暮らす時間が増えると、やっぱり KiKi も欲しくなるんだろうなぁ・・・・・。  これが東京の麻薬・・・・というか媚薬・・・・。

ま、何はともあれクリスマス・シーズンに突入したのは都会も田舎も同じなわけでして・・・・。  てなわけでこの時期に読みたいと思っていた本を読了しました。

クリスマス・キャロル
著:C.ディケンズ 訳:村山英太郎  岩波少年文庫

51249X8MRBL._SL500_AA300_.jpg  (Amazon)

クリスマスの前夜、幽霊に導かれて親しい友人の家々を訪れたスクルージは、けちんぼうな自分が皆に嫌われていることを知ります。  そして最後に、未来の幽霊に見せられたのは、自分のお葬式でした・・・・。  (文庫本扉より転載)

ここ(↑)でご紹介している Amazon リンクは現在市販されている「岩波少年文庫」のものであるのに対し、今回 KiKi が読了したのは、昔入手した古い版のもので、訳者はその当時のものを記載させていただいています。  現在市販されている岩波少年文庫では脇明子さんの「新訳」に変わっています。  表紙の挿絵もこれとは異なるので、新訳では本文中の挿絵も変わっているのではないかしら・・・・・。  因みに KiKi が今回読んだのはこちら(↓)の版です。

2011_Dec14_007.JPG

やっぱり「旧訳」っていうせいもあるんでしょうね、ところどころ訳に不自然なところがあったり、訳文から想像できちゃう英語版の書き方(一応大学では英文学専攻だったので、何となくわかる 苦笑)みたいなものが気になったりもしたけれど、まあまあ、それは置いておくことにしましょう。  あのディケンズの名作の1つが岩波少年文庫に収録されているのは嬉しい限りです。  大作が多い中でディケンズ作品の入り口としてはまずまず・・・・なんじゃないでしょうか??

もっとも、KiKi の子供時代ならいざ知らず、現代の日本の子供たちがこの「キリスト教的説教臭さ」を受け入れてくれるのかどうか・・・・はちょっと疑問かもしれません。  特に過去の幽霊が見せてくれたあの「スクルージ少年」がどうして今の「スクルージさん」になってしまったのかは詳らかにはされていないし、いかに自分の葬式シーンを見せつけられたからと言って、それをきっかけにいきなり「いい人」になってしまうという転換はちょっと時代がかっている・・・・と言えなくもないような気がします。


でも逆に言えばこの本の面白さはそんな「時代がかった」ところにあるのかもしれません。  ディケンズが生きた時代のイギリス、そしてその延長線上にある今の私たちの生き様に想いを馳せた時、初めてこの作品が描いているある種の「我欲」みたいなものを振り返ることができる・・・・そんな作品だと思います。  いかにもヴィクトリア朝の作家の作品だなぁと感じるのは、「クリスマス」というイベントをこれでもかっていうぐらい神聖視しているところではないでしょうか??  もちろんクリスチャンにとって「クリスマス」というのは特別なイベントであるのは間違いないことだけど、あのヴィクトリア女王のメディア政策がこんなところにも影響を及ぼしているんだなぁ・・・・と感じ入ることしきりです。 

ヴィクトリア女王はメディアに数多くの写真を載せ(一説にはウェディングドレスが白となったのは彼女の結婚時のコスチューム;当然白 がメディアで流れ、多くの人がそれを真似したがったことに端を発すると言われていたりする)、その中にはクリスマスを家族で祝う風景などもあり、「良き家庭人」を一般国民に印象付けたと言われていたりもする。

秀逸だなぁと感じるのは「過去・現在・未来」のクリスマスの幽霊がスクルージを導くというプロットで、尚且つそのそれぞれの幽霊がなかなか見応えのある(というより想像しがいのある)造形をしていることではないでしょうか?  やっぱりスクルージに「畏れ」を抱かせるだけの存在でなくては、全てが嘘っぽくなってしまうところがあると思うんだけど、そういう意味ではなかなか凝った描き方をしていると思います。

読了して一番気になるのは、改心したスクルージさんがただ一人の雇人であるボブのお給料をあげてやって、病気の子供の治療費が捻出できるようになったことにより、あの可愛そうなティム坊やに未来が開けたのかどうか?です。  これが現代まで時間を下ってしまうと、下手をすると機械に繋がれて辛うじて心臓だけは動いている・・・・な~んていう、幸せなんだか不幸せなんだかわからない状況さえもが想像できちゃうわけだけど、やっぱりこの物語ではティム坊やが元気になって素敵な大人になっていて欲しいなぁと思わずにはいられません。

そしてもう一つ気になるのは、キリスト教的美徳の1つである「慈善事業」っていうやつが本当に世のため人のためになっているのか?ということ。  もちろん「慈善事業」に熱心な人のほとんどが「善意」をもってその事業に取り組んでいることを疑うものではないけれど、「慈善事業」は時に「ラ・ミゼラブル」に出てくる何人かの気の毒なんだけど悪に染まってしまう人を作る1つのきっかけになっていたりもするし、最初から「勝者と敗者」が存在することを認めたうえでの罪滅ぼし・・・・みたいな側面があったりもして、汚れた大人になってしまった今の KiKi はどうしても懐疑的にならざるを得ません。  

まあ、一方でそんな理想的な社会があるわけがない・・・・という何とも言えない絶望感みたいなものも感じちゃっているだけに尚更なのかもしれませんが・・・・・・。


さて、ところで・・・・・です。  せっかくこのブログではこの「岩波少年文庫読破計画」をやっているので、これから暫くはこちらを参考に読み進めてみようかな・・・・な~んていうことを思いついちゃいました。

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こちら、あのスタジオジブリの宮崎駿さんが、岩波少年文庫創刊60周年を記念したイベントで配布された、彼のオススメ50冊が掲載された豆本です。  中には既にエントリーを書いた本も含まれているんですけど、幸い、まだエントリーを起こしていない本もかなり含まれているので、やみくもに読み進むよりもさらに楽しさが増すんじゃないかな?な~んていうことも思いついちゃったので・・・・・。

市販されなかった豆本なので、宮崎さんがそれぞれの本に対してどんなコメントを書いていらっしゃるかのご紹介を含め、読み進めていけたらなぁ・・・・・な~んていうことを考えています。  ま、てなわけで、次の「岩波少年文庫」からの読書は「星の王子さま」になる予定ですb-hato4-b.gif

  

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このページは、KiKi (Brunnhilde)が2011年12月14日 14:09に書いたブログ記事です。

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