絵のない絵本 H.C.アンデルセン

| コメント(0) | トラックバック(0)

昨日、ちょっとしたご縁でこの本を読んだので、この機会にか~な~り久方ぶりになるこちらを再読してみました。  本日の KiKi の1冊はこちらです。

絵のない絵本
著:H.C.アンデルセン 訳:矢崎源九郎  新潮文庫

51o-6wp65bL._SL500_AA300_.jpgのサムネール画像  (Amazon)

わたしは、貧しい絵描き。  友達はいないし、窓から見えるのは、灰色の煙突ばかり。  ところがある晩のこと、外をながめていたら、お月様が声をかけてくれた・・・・・。  ある時はヨーロッパの人々の喜びと悩みを語り、ある時は空想の翼に乗って、インド、中国、アフリカといった異国の珍しい話にまで及ぶ。  短い物語の中に温かく優しい感情と明るいユーモアが流れる、まさに宝石箱のような名作。  (文庫本裏扉より転載)

偶然とはいえ、昨日は皆既月食でした。  KiKi は暦に興味を持つようになってからこんなメルマガを定期購読しているんだけど、このメールのお蔭で昨日が皆既月食であることを知りました。  このブログには一応 「Current Moon」 というブログパーツが設置してあって、これを頼りに月を眺める癖がつき始めている KiKi なのですが、さすがに「皆既月食」であることはこのメルマガで教えてもらうまで知りませんでした。  因みに昨日入手したメルマガはこんな感じ(↓)でした。

 ◆今日(12/10)の夜空に見える月は【満月】。

月は日暮れの頃に東の空から昇り、翌日の夜明け頃に西の地平線に沈んでゆきます。   新月から数えて15日目の十五夜の月と満月は同じものと考えられがちですが、 十五夜と満月が同じ日になる確率は50%以下。   案外はずれています。 (今回も一致しませんでした) 

旧暦日による呼び名では【十六夜の月】です。

 ◆今日は皆既月食

今回は真夜中に皆既月食が起こります。   今回は日本全国何処ででも最初から最後まで見ることの出来る月食です。  

月食の進行状況は以下のとおり。 

10日 20:32 半影月食の開始

10日 21:45 本影月食の開始

10日 23:06 皆既の開始

10日 23:32 食の最大(食分 1.11)

10日 23:58 皆既の終了

11日 01:18 本影月食の終了

11日 02:32 半影月食の終了

半影食は肉眼で確認するのは難しいので、空を見上げて月が欠けているのを確認出来る時間帯は10日 21:45~11日 01:18頃ということになりそうです。

最大の食分は、1.11と皆既月食としては浅めですので、皆既月食中も地球の大気による光の屈折現象による、赤い月がずっと見えているかもしれません。

このメールを事前に見ていなかったら、皆既月食を意識することなくお月様を眺めていたかもしれません。  今回は残念なことにカメラを持たずに上京してしまった(携帯カメラはうまく使えないワタシ・・・・ ^^;)ので昨晩のお月様は写真に残すことができなかったけれど、KiKi が見たお月様はほんのりと赤みがかった月でした。  「こんな月が語るのはこの本の第3夜の物語かしら・・・・」な~んていうことを感じながら・・・・・。


全部で33の月が語る短い情景的な物語。  あたかも夏目漱石の「夢十夜」のような、稲垣足穂の「一千一秒物語」のような、はたまた「千一夜物語」のようなちょっと幻想的な雰囲気の物語集です。  「絵のない絵本」というタイトルが表しているとおり、絵画的な繊細な描写が見事な作品で、この言葉によって紡がれる情景を読者の想像力によって「絵」に仕上げる絵画作品・・・・と言っても過言ではないような気がします。

今回、KiKi はある面では幸せなことに、そして別の面では不幸なことに「いわさきちひろさん」という稀代の画家によって描かれた1つの完成形ともいえる「絵画」を観ちゃった直後にこの本を読んだので、どうしても自分自身の想像力を働かせる・・・・というよりは、頭と気持ちに残っている彼女の絵の残像に引きずられがちになっちゃったんだけど、それでも「ちひろのアンデルセン」には掲載されていなかった物語の方が多かったためにその部分では自分のイメージを自由に広げることができました。  もっとも、それはどうしても「いわさきちひろ風」になりがちだったんですけどね(苦笑)

KiKi の大好きな絵本作家に「ガブリエル・バンサン」(この本の人)がいるんだけど、彼女だったらこの情景をどんな風に描いたのかしら・・・・と必死で想像力を働かせてみたんだけど、それでも「いわさきちひろ風」に引きずられるのはやっぱり彼女の画才のせいなのか、はたまた KiKi の乏しい想像力のせいなのか??

それにしても「月」っていうのは不思議な存在ですよねぇ。  人間が、そして地球が生きていくためには太陽の恩恵に浴している部分が圧倒的で、例えば農業なんかをやっている時や、山小舎で雪に閉ざされちゃっている時なんかは太陽の有難味をヒシヒシと感じるわけだけど、そのエネルギッシュさが圧倒的に過ぎるためか、なかなか詩情は湧いてこない・・・・・。  でも、お月様は天文学的には地球で生きる生物に大いなる恵みをもたらしてくれている天体らしいけれど、有難味を感じるというよりはもっと情緒的な部分で人に影響を与えているような気がするんですよね。

そうであるだけにこの物語の語りべは「太陽」ではありえなくて、やっぱり「月」じゃなきゃいけない。  そしてその聴衆はしがない芸術家でなくちゃいけない。  アンデルセン自身を投影したと考えられるこの「しがない絵かき」の無常観、透明な観察眼があって初めて言語化された物語だと思います。

「月の光」っていう、どことなくぼや~っとした照明だからこそ浮かび上がる情感っていうのがやっぱりあるんだと思う。  これが「太陽の光」だと明るすぎるうえに、影の部分であってさえも影としてある意味赤裸々に見せつけられちゃう。  でも「月の光」だとその影が色彩の陰影ほどにしか見えず、そしてあたかも滲むように消えていく・・・・。  その余韻こそがこの物語集の底に流れる「詩情」なんじゃないか・・・・・。  そんなことを感じました。

KiKi はね、大人になってからは「アンデルセン」の書いたものを読むと必ずと言っていいほど「宮澤賢治」を思い出し、「宮澤賢治」の書いたものを読むと必ずと言っていいほど「アンデルセン」を思い浮かべるようになったんだけど、子供時代には「宮澤賢治」はちょっと大人ぶって読む本だったのに対し、「アンデルセン」は子供っぽいと思っていたようなところがあります。  でも「アンデルセン」を子供っぽいと思っていた KiKi こそがお子ちゃまだったと気がついたのが30代半ば過ぎ・・・・。  そしてようやく最近になって「アンデルセン、大好きb-hato4-b.gif」と堂々と言えるようになってきた・・・・そんな気がしているんですよね~。

彼の物語の底にある無常観、諦観みたいなものに子供時代は気が付かなくて単なる「悲しいお話」とか「楽しいお話」という括りでしか味わっていなかったようなところが多いんだけど、大人になった今はその「無常観、諦観」を抱えつつ、じ~んとしみわたるような痛みを感じながらも、どこかの一瞬一瞬で輝いている人の生き様みたいなものが感じられるようになって、しみじみすることが多くなったような気がするんですよね~。  

この本は高校時代以来の久々の読書だったんだけど、「いわさきちひろイメージ」が払拭された頃に、再読してみたいなぁと思いました。

トラックバック(0)

トラックバックURL: http://poco-a-poco.chu.jp/mt/mt-tb.cgi/1062

コメントする

2015年2月

1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28

Current Moon

CURRENT MOON

東京のお天気


山小舎のお天気


Booklog



ブクログ

アーカイブ

ウェブページ

Powered by Movable Type 4.261

TrackbackPeople

クラシック・ピープルの Trackback People Site


チェロ ラヴァーズの Trackback People Site


Piano~ぴあの Trackback People Site


ピアノオススメ教本の Trackback People Site


ピアノ教室の Trackback People Site


Book Love Peopleの Trackback People Site


本好きPeople・ぴーぷるの Trackback People Site


今日読んだ本の Trackback People Site


ファンタジーが好き♪の Trackback People Site


この絵本がすごい!の Tackback People Site


児童書大好き♪の Trackback People Site


ハヤカワepi文庫の Trackback People Site


岩波少年文庫応援団の Trackback People Site


薪ストーブの Trackback People Site


週末は田舎暮らしの Trackback People Site


野菜育てPeopleの Trackback People Site


ガーデニングの Trackback People Site


パッチワークキルトの Trackback People Site


あなたの訪問は?


日めくりカレンダー


Real Time News


カテゴリ

ノルンはいくつ?

本が好き!


読書メーター

KiKiさんの読書メーター
KiKiさんの読書メーター

最近読んだ本

KiKiの最近読んだ本

今読んでいる本

KiKiの今読んでる本

読了目標





今やってるゲーム

KiKiの今やってるゲーム

このブログ記事について

このページは、KiKi (Brunnhilde)が2011年12月11日 11:16に書いたブログ記事です。

ひとつ前のブログ記事は「ちひろのアンデルセン いわさきちひろ」です。

次のブログ記事は「KiK とレコード鑑賞 その6」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。

高速運賃





Edita

ブロガー(ブログ)交流空間 エディタコミュニティ

名言黒板


作家別タグ