星の王子さま S.テグジュペリ

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さて、宮崎駿さんの「岩波少年文庫の50冊」で推薦されている本を順番に読み進める企画。  早速その第1作からお話ししたいと思います。  本日の KiKi の読了本はこちらです。

星の王子さま
著:S.テグジュペリ 訳:内藤濯  岩波少年文庫

41C00CC2KGL._SL500_AA300_.jpg  (Amazon)

サハラ砂漠に不時着した孤独な飛行士と,「ほんとうのこと」しか知りたがらない純粋な星の王子さまとのふれあいを描いた永遠の名作。  初版本に基づき挿絵を改めた新しいエディション。  (岩波書店HPより転載)

現在市販されている版は上記のように「初版本に基づき挿絵を改めた新しいエディション」のものらしいのですが、生憎、KiKi の手持ちのこの本はそんな新しいものではありません。  新しいどころか古いことこのうえない、厚紙でできたサック付き、本の表紙はそのサックよりもさらに厚紙で装丁され、更には読みかけの頁にはさむ紐までついた昔ながらの「本らしい本」です。  現在の版では表紙もカラーで綺麗だけど、KiKi の本は訳者があとがきで

この訳本でも、もとの色どりをそのまま複製したかったのですが、出版の方の事情が許さないので、しかたなくあきらめました。  残念です。

な~んていうことをわざわざ仰っている(事情が許さない≒ペイしない なんでしょうねぇ)ぐらい古い本。  昭和43年4月の第27刷で当時の価格で240円。  まあ今の240円と当時の240円ではその価値が全然違うけど(な~んていうことをここに書くこと自体が「数字の好きな大人」の証拠ですよねぇ 苦笑)、まあそれくらい古い本で、古本屋さんに漂うのと同じ、古い本独特のちょっとかび臭いような香りを放っています(笑)  因みにその本はこんなお顔をしています。

2011_Dec15_001.JPG

左側が紙サック、右側が本です。  いやはや、こんな本をよくもまあ度重なる引っ越しの際にも捨てることなく、今まで持ち続けてきたモンです。  しかもこの本がどの本よりも好きな愛読書だったというならいざ知らず、子供時代(小学生の時と中学生の時)と大学時代、そして大人になってからと今回の読書も含めて5回しか読んでいないにも関わらず・・・です。

この本に寄せた宮崎さんのコメントはこんな感じでした。

最初に読み終えた時の気持ちが忘れられません。  言葉にすると何か大切なものが抜け出てしまうような気がして、だまりこくってシーンとしていました。  一度は読まなければいけません。  大人になったら、同じ作者の「人間の土地」も読んでください。  (「岩波少年文庫の50冊」より転載)


このコメントを読んで、KiKi が最初に読み終えた時、どんな気持ちがしたのか思い出してみようと試みました。  でも、実はあんまりはっきりと覚えていないんですよね~、これが ^^;  この本を最初に読んだのは KiKi が小学校低学年か中学年の頃だったんだけど、正直なところよくわからない本だったんですよ。  しかも冒頭に出てくるウワバミの絵が当時は子供だったはずの KiKi であってさえも「ゾウをこなしているウワバミ」の絵には見えなかった・・・・・という以前に「ウワバミ」を知らなかったのです。  大人の感覚と子供の感覚のギャップみたいなものは十二分に感じていた子供ではあったけれど、それでもこの子が理解できないので共感することができず、戦後教育の中で教えられることに疑問を抱くほどには成熟していなかった KiKi にとって、ホント、この本は「よくわかんない本」以上でも以下でもありませんでした。

中学生になってこの本を再読した時は、その以前の印象が薄れていない時で、それでも手に取ってみたのは「名著」であり「子供の必読書」だと誰かに言われたから・・・・であって、そんな意識で読んでいるわけだからやっぱりさほど心に響いてくることはなくサラッと通してお終い・・・・みたいな感じでした。  当時の KiKi は本に「知識」を求めていた時期だっただけに、この本に感銘を受けることはありませんでした。

そして「星の王子さま」は私の嗜好とは合わない・・・・という潜在意識にも似た感覚を持ち続けて大学生になり、フランス語の授業を受けている中で「星の王子さま」の一節がテキストに含まれていて、それをきっかけに再読。  この時初めて KiKi の心に響いてくるものがありました。  要は小学生・中学生の頃の KiKi にとってこの本は早熟すぎる本だったのです。  大学生になり、大人にはなりきらないモラトリアムの時代になって初めて深く頷くことができるようになった本。  それがこの「星の王子さま」でした。  で、そうなってみると不思議なもので、あの「ゾウをこなしているウワバミ」の絵にも王子さまにねだられて適当に描いた「ひつじの箱」の絵にも妙な親近感が湧いてきちゃったんですよね~(苦笑)

そして王子さまが自分の星から地球に至るまでの宇宙旅行で出会った数々の大人の造形に考え込み、キツネの一言一言を味わい、そしてオーラスの王子さまが去った砂漠の光景の絵に深々とため息をついたのでした。  あの王子さまが去ってしまったことが寂しいんだけど、でも、何故か感じる「安堵感」・・・・・のようなもの。  あるべき場所に戻ったというバランス感。  何とも不思議な読後感だったことを強烈に覚えています。  

そして今回の読書が大人になってから2度目の読書(前回は30代の半ばだった)だったんだけど、今にして思うとこの本は KiKi にとって毎年毎年繰り返し読み返す本ではないけれど、10年か15年おきぐらいに読み返しながら「自分が知らず知らずのうちに手放したもの」や「自分が『大人の分別』と考えるようになったある種の物差しの目盛」を確認するための本のような気がしています。  

岩波少年文庫発刊4年目にして初収録され、更には発刊50周年を記念して刊行された「なつかしい本の記憶」によれば50年間人気ベスト10の第一位に冠しているこの作品ですが、果たして児童文学という括りに入れてよい作品なのかしら・・・・・。  宮崎さんにも是非お聞きしてみたいのです。  この作品を初めて読まれたのが何歳の時だったのか?を・・・・・。 

次回はG.ロダーリの「チポリーノの冒険」です。   

    

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このページは、KiKi (Brunnhilde)が2011年12月15日 10:10に書いたブログ記事です。

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