リスト 2つの伝説(S.175)より「水の上を歩くパオラの聖フランチェスコ」

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本日も「のだめ(漫画)」からの1曲を聴いてみたいと思います。   のだめちゃん初リサイタル @ ブノワさんち の第3曲目、若かりし頃のイケイケブイブイb-hato4-b.gif 生活から足を洗ったリストが作曲した宗教色バリバリの作品でございます。

リスト 2つの伝説(S.175)より「水の上を歩くパオラの聖フランチェスコ」
NAXOS 8.553594 J.ヤンドゥー(pf)

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リストのこの作品は「2つの伝説」というタイトルが示す通り、2曲で構成されています。  その1曲目が「小鳥に説教するアッシジの聖フランチェスコ」、そして2曲目が本日の「水の上を歩くパオラの聖フランチェスコ」です。  「小鳥~」の方はこんな(↓)有名な絵画をご覧になったことのある方もいらっしゃるのではないかしら?

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小鳥にまで説教しちゃうわけだからどんな素晴らしいお方か?と言えば笑っちゃうことに、実はこの方、若かりし頃には小鳥はおろか人様に説教できるようなお方ではなかったらしい・・・・ ^^;  どちらかと言うと親が金持ちなのをいいことに遊び呆けていたドラ息子タイプ。  ところがある時神様のお告げを聞いた気になって(ひょっとしたら二日酔いによる幻聴だったかもしれないけど 苦笑)、そうしたらいきなり信仰に目覚めちゃって、ついには小鳥にまで説教するようになった聖人のお1人です。  KiKi は初めてこの話を聞いたとき、「なるほど~、リストは彼にあやかりたかったのね・・・・」と思ったものでした。  

で、実は2曲目の方の聖フランチェスコさんは名前は同じフランチェスコさんでもこの方とは全く別の方で、彼から遅れること約200年。  南イタリアにお生まれになった別の聖人で、こちらにも絵画があるらしいんだけど、残念なことに KiKi は見たことがありません。  こちらのフランチェスコさんはいくつも奇跡を行われた方らしいんだけど、その絵が扱っている題材(伝説)はざっと以下のようなストーリーになっています。

メッシーナ海峡を前に聖フランチェスコの一行は一隻の船を見つけ、その船頭に彼らを対岸の島まで乗せていってくれるように頼んだが、一行の身なりのあまりの貧相さに船頭はそれを断った。  一行の中の1人が「我ら一行の中には聖人が1人いるのだから・・・・・」と言ったが、それを聞いた船頭はせせら笑いながら「もしも聖人がいるなら、波の上を歩いていけるだろう。」と言った。  彼らを浜に置き去りにして船は出帆してしまったが、その時、聖フランチェスコはこの苦境からの救いを神に祈った。  すると神が彼らに恩寵を与え、彼らのマントを船に変え、又一行の1人が持つ杖を櫂に変え、彼らは無事に海を渡ることができた。

リストはこの伝説を題材にしてシュタインレという人が描いた絵画を所有していたそうで、その絵は聖フランチェスコが波間によれよれのマントを広げた上に立ち、左手には燃える石炭(イエス・キリストのすべての使徒が持つ内なる火の象徴)を持ち、右手は斜め上に掲げている、そんな絵だったのだそうです。

因みにこの画題はグレゴリオ13世がヴァチカンの広間に描かせたほど有名 & 信仰の力を表す逸話として大切にされたお話なのだとか・・・・・。  若い頃にはヤンチャばかりをして華麗なる恋愛遍歴を重ねていたリストが、売れっ子ピアニストを引退した後に結婚を渇望していたザイン=ヴィットゲンシュタイン侯爵夫人カロリーネとの関係を教会には認められず、ついでに複雑な財産相続の問題なんかもあって断念。  そのショックを遠因として僧籍に入り(ただし下級聖職位)、そんな頃に作曲された曲がこの「2つの伝説」とされています。  

1曲目の「小鳥~」の方は演奏会で演奏される機会も録音される機会も比較的多いので、KiKi も子供時代から何度も聴いたことのある音楽だったんだけど、こちらの「水の上~」の方はこのCDを購入するまでは楽譜を眺めたことはあったけれど聴いたことはなかったし、正直なところあんまり興味のある曲ではありませんでした。  だから初めて聴いたときには1曲目とはあまりにも異なる曲調にちょっと唖然としちゃったぐらい・・・・・。  1曲目の繊細さと比較するとダイナミック。  まあ、リストっぽさ(派手っていうか、ホールでの演奏会映えするっていう意味だけど)はこっちの方が上のような印象ではあるけれど・・・・・。

やはり「海を渡る」っていうのは大変なことなんだよなぁ・・・・・と思わずにはいられない、そんな音楽です(笑)  こんな曲を弾いたんですねぇ、のだめちゃん。  そしてこの曲の後がラヴェルの「水の戯れ」ですか!  ドラマ版ののだめちゃんのリサイタルではあんまり感心しなかったプログラムだったけれど、こちらのプログラムはなかなか練られていますねぇ。  さすが、マスター・ヨーダっていう感じです。

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コメント(2)

先日は 意味不明なドストコメントに
ご丁寧な返信
ありがとうございます。

クラシックカテは それぞれあまりに魅力的で
どれに対して
コメント(駄文ですみません)しようか
ホント悩みます。

アルゲリッチのプロコトッカータやら
バッハの協奏曲は かなり好きだし・・・

が 悩みまくってこちらにお邪魔しました。

「水の上を歩くパオラ」は
学生時代、私が弾いた 
否、水中にズブズブ沈んだ想い出深い~曲です。

オクターブやっとのワタシには
パオラは拷問に近く
聴くに耐えない結果となりました
ラストの記憶がないくらい必死でした。

1年前、あるリサイタルに行ったところ
プログラム中に 
この曲があり 
「あ、溺れパオラだ」と引き気味で
待っておりましたが
えーーけっこうイイ曲じゃないかと驚きました。

>「水の上~」の方はこのCDを購入するまでは楽譜を眺めたことはあったけれど聴いたことはなかったし、正直なところあんまり興味のある曲ではありませんでした

私も溺れ以前に
楽譜ザッと眺めても良さがわからなかった為
全く乗り気ではありませんでした

・・・溺れたし(笑)
よって CDさえ購入しませんでした

私にとってパオラは
奏者によって違い(好みの差)が
かなり出そうとも思いましたね。


>若かりし頃には小鳥はおろか人様に説教できるようなお方ではなかったらしい・・・・ ^^;  どちらかと言うと親が金持ちなのをいいことに遊び呆けていたドラ息子タイプ。

そうなんですかっ!!
リスト氏の若い頃 
さぞかし い~ろいろあったでしょうね


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