せむしの小馬 エルショーフ

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「ガリヴァー旅行記」と同じように子供時代に絵本で読んだきりご無沙汰だったロシア民話を読了しました。  本日の KiKi の読了本はこちらです。

せむしの小馬
著:エルショーフ 訳:網野菊 絵:V.プレスニャコフ  岩波少年文庫

2012_Jan17_001.JPG (Amazon)

ばかといわれるイワンと、彼に忠実につかえるせむしの小馬がくりひろげる奇想天外なお話。  火の鳥をつかまえたり、クジラにのみこまれた船を救ったり、数々の冒険を経たイワンは、立派な若者となり、しあわせをつかみます。  ロシア民話をもとにしたこの詩物語は、世界中の子どもたちに読みつがれています。  (文庫本扉より転載)

この本、今では絶版なんですね~。  これはやっぱり「せむし」という差別用語扱いされている言葉がタイトルに入っているからなんでしょうか??  それとも「詩物語」というヤツがイマドキは流行らないから・・・・・なんでしょうか?  でも、散文調のものばかり読んだり味わったりするっていうのはどうなのかなぁ・・・・・。  文学を発展させてきた1つの重要な形態だし、何より民話っていうヤツは元はと言えば口承文学なわけで、そこにはリズムとか反復という「調子」があって生きるわけで、そういう情緒は大切にしたいなぁと KiKi なんかは感じちゃうんですけどねぇ。

ま、正直なところ、この本の訳者さんはそのあたりではかなりご苦労されていらっしゃることが行間から滲み出ています(笑)。  まあ、こういうことは1つの言語(要するに母国語)を習得する過程の子供時代にはまったく理解も想像もできなかったことだけど、なまじ「英文学」な~んていうものを学んでしまった人間には、そこはかとな~く感じられちゃうんですよね~。  でも、確かにご苦労の後は垣間見えるんだけど、ところどころにそれゆえの古めかしさ(要するにどことなく文語調)があったりもするんだけど、KiKi の世代であれば恐らくさほど抵抗なく読めてしまう日本語だと感じました。

  

どこかで読んだことがあるようなプロット、どこかで聞いたことのあるような人名、どこかで見たり聞いたりしたことがあるモチーフが満載されたいわば「寄せ集め」のお話だと思うんだけど、不思議と統一感があるんですよね~。  この統一感を醸し出している一つの要因はやっぱりこの「文語調」・・・・と言うか、「詩」という形態が一役買っているような気がしました。  恐らくこの「詩物語」を「ロシア語」で味わうことができたら、もっともっと「音の響き」も「リズム」も素晴らしくて、それだけで音楽を聴いているような気分になるのじゃないかしら?

又、この本は毎度のことながら挿絵が素晴らしいんですよ。  あとがきによれば1969年にモスクワで出された当時の若手画家の作品なんだそうだけど、いかにもロシア的な版画風の絵で雰囲気良すぎb-hato4-b.gif  残念なことに表紙以外はモノクロなんだけど、表紙のイワンがせむしの小馬のお母さん馬をつかまえたシーンの挿絵の色使いなんてシャガール風(もしくはステンドグラス風)で、どことな~く古き良き時代の「写本」の雰囲気さえあるような気がしませんか??  この本がハードカバー(昔の岩波少年文庫のように)だったら、絶対に愛蔵版にしちゃいたいぐらい!!  (ま、ソフトカバーのこの本であっても KiKi は大切な蔵書として守り続けますけどね 笑)

さて、この本も宮崎さんの50選の中の1冊です。  彼のコメントは?と言うと

役に立ちそうにないチビで形もゆがんだ仔馬が、実はとてもかしこくて、知恵と勇気で飼い主の少年にしあわせをもたらします。  ずっと前にソ連(今のロシア)でアニメーションになって、その映画を観て感動したひとりの日本の少年が後にアニメーターになりました。  ぼくの先生です。

とのこと。  う~ん、そっちへ行っちゃったか!!  彼の目で見たこの挿絵のコメントが知りたかったんだけどなぁ・・・・・。  

さて、それはさておき、ここから暫くはちょっと「ロシア」に拘ってみたい気分が盛り上がっているので、宮崎さん50選では次の予定は「ファーブル 昆虫記」で、その次は「日本霊異記」(既にエントリーあり)なのですが、その2つをすっ飛ばしてトルストイの「イワンのばか」に行きたいと思います。  と、同時に今週末には上京しなくちゃならない(≒ 移動時間が長い ≒ 少年文庫の読書には向かない)ので、長らく「今読んでる本」に掲出しっ放しの「罪と罰」も読み進めたいと思っています。


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