罪と罰(2) ドストエフスキー

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こんなに重々しく、できれば直視したくない「人間の性」みたいなものを敢えて丸裸にしちゃうような物語なのに、スイスイ読めちゃうのはやっぱり「新訳ゆえ・・・・」なんでしょうか??  それとも、ここLothlórien_山小舎で寒さに震えている時間が長くて手持無沙汰だから???(苦笑)  ま、いずれにしろ「罪と罰」の第2巻を読了しました。

罪と罰(2)
著:ドストエフスキー 訳:亀山郁夫  光文社古典新訳文庫

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目の前にとつぜん現れた愛する母と妹。  ラスコーリニコフは再会の喜びを味わう余裕もなく、奈落の底に突きおとされる。  おりしも、敏腕の予審判事ポルフィーリーのもとに出向くことになったラスコーリニコフは、そこで背筋の凍るような恐怖を味わわされる。  すでに戦いは始まっていた。  (文庫本裏表紙より転載)

いやはや、物凄いモンをアッケラカンと読んじゃっているような、何とも奇妙な感覚にとらわれちゃいました ^^;  主人公であるラスコーリニコフも一種病的だけど、彼をとりまくすべての人たちがどこか普通じゃない感じ・・・・・(笑)。  この切迫感 & それによって生み出されたよくわからない高揚感 と言うかマグマが燻っているような感じ、これこそがあの時代のロシアにうごめいていた未だ形ははっきりしていないある種の「雰囲気、ムーブメント」だったんでしょうね。

まだ残り1巻を残しているのであまり多くは語りたくないんだけど、この巻でとにかく印象に残ったのは、ラスコーリニコフがある意味で1人勝手に自分を追い詰めていく狂気にも似た自虐性と辛うじて彼を正気の瞬間に留めようとするエゴ丸出しの自意識・・・・とでも呼ぶべきものでしょうか。  

    

この物語を通読した中学生 & 高校生の頃にも「それにしてもこの物語の登場人物たちは誰も彼もよく喋るなぁ (除く ラスコーリニコフ)」と思っていたけれど、だからと言ってそこに対して苛立ちやら何やらはさほど感じなかったんだけど、今、この年齢になった KiKi がこの物語を読むと、誰も彼ものお喋りがちょっと鬱陶しく感じるぐらいうるさい(苦笑)  あんな調子で周りでペチャクチャ・ガヤガヤやられたら仮に殺人事件を起こしていなかったとしても「もうたくさんだ!  嫌なんだ!!」と叫んでしまう気持ちはわからないじゃないなぁ・・・・と。

まして、ラズミーヒンの縁戚の予審判事であるポルフィーリーとの丁々発止の場面なんかで感じるのは、心理戦で相手を追い込んでいく「権威側」の人間の狡猾さ・傲慢さ・・・・みたいなものだったりするあたり、ひょっとしたら KiKi はラスコーリニコフが最後まで無事逃げおおせることを望んでいるのかしら・・・・・と自問自答しちゃったぐらいでした。

同じ2人の問答の中で出てくるラスコーリニコフが過去に書いた論文に書かれた

「一つの微細な罪悪は百の善行に償われる」

「選ばれた非凡人は、新たな世の中の成長のためなら、社会道徳を踏み外す権利を持つ」

「伝説の英雄のような人類の指導者となるべき選ばれし者は、より大局的な正義を為すためならば、既存の法や規範をも超越する資格を持つ」

という彼独自の犯罪理論(と言うかテーゼ)は、恐ろしい思想ではあるけれど「権力者」と呼ばれる人たちが多かれ少なかれこれに類する考え方を持っていると言っても過言ではないような部分もあるわけで、確かに歴史を俯瞰してみれば権力闘争な~んていうものは突き詰めればこの通りのことをしてきてもいるわけで、その説得力が怖い・・・・・。 

もっとも、そうであったればこそ、彼が言う「境界を越えてしまう」人間はそこに「自分は選ばれた存在(非凡人)である」という極度の自惚れか、「大義・正義」を求めずにはいられないんだと思うんですよね。  そしてそうであればこそ、KiKi がこのブログの中で何度もお話している

正義とは立場が変われば変わるもの

ということを、常に意識している必要があるように感じるのです。

それはさておき・・・・・・

今回再読してみて「あれ?」と思ったのはラスコーリニコフの妹ドゥーニャのストーカーと化しているスヴィドリガイロフの存在感で、昔読んだときには印象がかなり薄かったんだけど、こんなオッサンだったっけ???  まあ、この後どんな風に絡んでくるのかは知っているだけにあんまり詳細を書くことができないんだけど、ちょっと意外でした。


さて、本来なら「では、最終巻に突入します!」と宣言してこのエントリーを締めくくりたいところなんだけど、実はこの「罪と罰」の第3巻は未入手なんですよね~。  いえね、前回上京した際に自宅近くのブックオフでこの2巻を見つけたのでその場で即購入し、「第3巻はネットオフで買えばいいや。」と山小舎に帰ってきたんだけど、ネットオフではいつまでたっても出て来ないんですよね~、これが・・・・・。  ま、てなわけで、明日上京したら早速数軒のブックオフをはしごして探す予定なんだけど、最悪、正価で普通の本屋さんで買うことになっちゃうかも・・・・・・。  ま、てなわけで、第3巻を入手できるまでは同じ「ロシア繋がり」で「イワンのばか」に読み進む予定です(笑)。 


追記) 

「イワンのばか」(岩波少年文庫)に進もうか・・・・とも思ったのですが、よくよく考えてみたら明日から東京へ移動しなくちゃならないので、購入したきりまともに本を読んでいないあの電子書籍で読書を進めることに急遽変更しました。  まずは昨年残念なことに亡くなられたあのSFの大家、小松左京氏の「日本沈没(上)(下)」を購入してあるのでその再読(これも中学生の頃に1度読んだきりなので、正直あんまりよく覚えていない ^^;)から着手することにします。     

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