イワンのばか トルストイ

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月が変わったところで再び岩波少年文庫に戻ってきました。  同時進行で光文社古典新訳文庫も読み続けていく予定です。  本日の KiKi の読了本はこちらです。

イワンのばか
著:トルストイ 訳:金子幸彦  岩波少年文庫

2012_Feb02_001.JPG 51R719R36VL._SL500_AA300_.jpg (Amazon)

ロシアの文豪トルストイの民話のなかから、「イワンのばか」「人は何で生きるか」「人には多くの土地がいるか」など、子どもの読み物にふさわしい物語を選びました。  農民の悲哀をみごとに描きながら、人生の愛と真実について深く語りかけます。  (岩波書店HPより転載)

せっかく「罪と罰」を読了したので、ここいらでもう一つ19世紀の偉大なロシアの文豪の作品を読んでみました。  もっとも「戦争と平和」とか「アンナ・カレーニナ」とか「復活」はちょっと重そうだったので(^^;)この本に逃げちゃった・・・・・というところでしょうか??  

貴族の生まれでありながらも先日読了した「グレート・ギャッツビー」のトムやデイジーとは異なり、トルストイは自分の生きている世界の矛盾やら貧富の差といった問題を直視し続け、悩み多い人生を歩んだ人であることがこれらの短編を読んでもそこかしこから漂ってきます。  短編ばかりが収められたこの本を読むとロシアの文豪もやたらと長い話を書くばかりではなかったんだなぁ・・・・と妙なところで感心したりもして(笑)。

ここに収められている物語は以下のようなラインナップになっているのですが、どの1編も今の年齢の KiKi にはあれこれ考えさせられる物語ばかりでした。

イワンのばか
人は何で生きるか
人には多くの土地がいるか
愛のあるところには神もいる
ふたりの老人
二人の隠者
小さい話 (小鳥、 年寄りの馬、 ふたりの兄弟と黄金、 大くま星座)
カフカースのとりこ


これらの物語を読んでみて強く感じるのは宗教観の違いこそあれ、ロシアという国が日本と極めて似た文化を持った国だったんだなぁということです。  もちろん国土の広さも自然環境も大きく異なる国だし、ピョートル大帝の欧化政策以降、「西欧に追いつけ、追い越せ」路線を突っ走った国だったし、ロシア革命以降は共産主義国家をめざしイデオロギー的にも大きな乖離のできてしまった「近くて遠い国」ではあるけれど、西欧諸国に遅れて世界史に登場した国であるということも、農業が主産業であり「農奴」が支えた国であったということも・・・・・・。

表題作の「イワンのばか」は子供時代に絵本で読んだきりの作品だったし、「人は何で生きるか」「人には多くの土地がいるか」の2作は、読んだ記憶こそあれどもいつ頃どんな本で読んだのかに関してはまったく覚えがなかったんだけど、子供時代に読んだ時よりも今の方が共感できるような気がしました。  少なくとも現代日本の経済社会で生き抜くためにはほとんど参考にならないお話ばかり・・・・ではあるのですけどね(苦笑)

「愛のあるところには神もいる」、「ふたりの老人」、「二人の隠者」の3作品は、「新々約聖書」かしらと感じられるぐらい「伝道書」っぽい作品でした。  

個人的に気に入ったのは4つの小品で、これらの物語のほとんどは古いロシアの民話風。  さらっと読める割にはストンと心に落ちてくるものがある物語集でした。

例の豆本での宮崎氏のコメントを最後にご紹介しておきましょう。

人はどのように生きるべきなのでしょう。  子供のころ、この本を読んでぼくはとても心をうたれました。  ばかのイワンのように生きられたらどんなにいいか。  でも、それはとてもむずかしい。  自分にはできそうにありません。  そう思うのに、ぼくは今でもばかのイワンのように生きられたらと、時々思います。

  

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コメント(2)

 お邪魔します。大雪で大変ではないでしょうか。KiKiさんは読書の範囲や量がすごいので、私の読んだ本と重なることがけっこうありますね。
 トルストイの民話の中で、私が好きなのは、「伝道書」っぽい方です。「イワンのバカ」は、有名ですけど、教訓がむき出しになっている感じで私の好みには、ちょっと・・・。教訓自体は、嫌いじゃないんですけど。
 たぶんそちらの解説に書いてあるかと思いますが、小品は小さな子ども向けだそうです。トルストイは学校を開いて、小学生用の教科書を書いていたとのこと。何と、今でもロシアではトルストイの教科書をもとにしたものが使われているそうです。
 またトラックバック失敗しましたので、こちらに失礼します。よろしければ、どうぞ。
 http://blog.livedoor.jp/kokoro_no_fukei/archives/51838877.html
 http://blog.livedoor.jp/kokoro_no_fukei/archives/51845276.html
 http://blog.livedoor.jp/kokoro_no_fukei/archives/51871147.html
 URL三つは、さすがに押しつけがましいですが、お許しを。それでは。

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