東の海神 西の滄海  小野不由美

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今日は十二国史の中で3つ目の国「雁(えん)国」の物語です。  ここまでの物語で友情出演的にチラホラ出てきた「雁(えん)国」は他国に比べると安定して経済的にも潤っている印象の国だったのですが、ここも荒廃とは無縁ではなかった土地だったのですねぇ・・・・・。  ま、てなわけで本日の KiKi の読了本はこちらです。

東の海神 西の滄海
著:小野不由美  講談社文庫

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廃墟と化した雁(えん)国の復興に励む延王・尚隆と延麒(えんき)。幼い頃に出会った更夜(こうや)の来訪になつかしさで一杯の延麒は、実は仕組まれた罠であることを疑いもしなかった。  争いごとや殺傷を忌み嫌う麒麟を人質にとられ、雁国は怒濤の騒乱にまきこまれてゆくが──。  華麗なる筆致で運命の力を謳いあげる大スペクタクル。  (文庫本裏表紙より転載)

この物語、ここまでの作品の中では最も KiKi のツボにはまった物語だったかもしれません。  何て言うか、社会性の強い物語だったと思うんですよね。  「月の影 影の海」はどちらかと言えば「陽子の物語」であって「慶国の物語」ではなかったし、「風の海 迷宮の岸」も「泰麒の物語」であって「戴国の物語」ではなかったのが、ようやくこの第三作にして「延王・延麒の物語」でありつつも「雁(えん)国の物語」になった・・・・・そんな感じでしょうか。  

まあ、最初の2作はある意味で世界観を読者の頭の中に定着させる必要があったということもあるだろうし、それ以上に主人公が年齢的にも精神的にも幼かったのに対し、本作では少なくとも主人公たちが精神的には大人であることが大きな特徴だと感じられます。


やんちゃ坊主っぷりばかりが目立っていた延麒も「統治・治世」というものに関して彼なりの一家言を持っているし、延王に至っては戦国武将の出自ということもあり「帝王学」「君主論」を机上ではなく肌身で学んできた人物という設定なので、当初から彼らなりの確固たる「意志」があるのが読んでいて気持ちがいい♪  そしてこの作品が KiKi のツボにはまったのは、終盤で出てくる延麒のこの想いの記述があったからです。

正義を語るものが必ずしも全く正義の者ではないことを、六太は忘れてはいなかったか。  人は正義を標榜するのだ。  王や君主でさえ正義の御旗がなければ兵を動かすことなどできない。  実体のない正義だ。  だから正義が行われて、民はあれほど苦しまねばならない。

これって常々 KiKi がこのブログでも綴っている

正義とは立場が変われば変わるもの
耳触りの良い、正義を振りかざした「言葉」には多くの場合嘘がある

に通じるものがあると思うんですよね~。

まあプロットとしてはちょっと安直な感じもしないじゃなかったけれど、最後の最後の延王の登場の仕方(内乱のトップ 斡由(あつゆ)との直接対決の場面)なんかは遠山の金さん的で笑えちゃったけれど、それでもこの一言(↑)があっただけでも KiKi にとっては読み応えのある物語でした。

さて、次は「風の万里 黎明の空」です。  文庫本裏表紙の解説によれば、お久しぶりの陽子さんの登場みたいですね。  現代の日本の普通の女子高生だった女の子が麒麟に選ばれた王としてどんな風に成長していくのか、楽しみです。   

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