イサナ 龍宮の闘いへ たつみや章

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「月神シリーズ」から始まったたつみや作品の読書もとりあえずここで一段落です。  Amazon なんかで調べてみると他にも出版されている本があるみたいだけど、とりあえず吾妻郡図書館では見つけることができなかったので、残りはまだいずれ・・・・・ということで。  ま、てなわけで本日の KiKi の読了本はこちらです。

イサナ 龍宮の闘いへ
著:たつみや章 絵:東逸子  講談社

51+VX8XpdsL._SL500_AA300_.jpg  (Amazon)

不知火のきみはきさきに殺されたと知り、息子ヒコナは仇討ちに燃える。  しかし、神通力の源の宝の珠を借りに有明のきみの宮へ向かった船は、つぎつぎと敵に襲われ、イサナとクレ、そして綿津見一族の男たちも闘いの渦にまきこまれていく...。  はるかな昔、神とともに生きる海の民と、不知火海を支配する龍一族を巡る海洋冒険ファンタジー終章。  (単行本扉より転載)

まずは大団円でよかった、よかった・・・・・ということになるんでしょうけれど、正直なところこの作品に関してはいまひとつノリきれないまま終わってしまいました。  KiKi がどうしても苦手だったのがイサナの鬱陶しさ・・・・・と言いきってしまうとちょっと語弊があるかしら・・・・・・(苦笑)  前向きで明るくて自分が求めている物が何なのかを強く自覚している女の子という設定はいいと思うんだけど、彼女の「考えなしのお喋り」としか言いようのない不用意発言にはかなり辟易としちゃったんですよね~。  

上巻からず~っと色々な人に注意をされているにも関わらず、ここまでそれらの注意を聞く耳持たずで、思ったことをポンポン言っちゃうお調子者でいられるというのはいかがなものか・・・・・と。  個人的には人の顔色ばかり伺っているような女の子よりは、この物語のイサナぐらいはっきりした性格の女の子っていうのは決して嫌いじゃないんだけど、自己主張する以上は主張してよい時と場所をもう少しわきまえないと単なる「お騒がせ娘」になっちゃうような気がするんですよね~。


まあ、そんな性格のイサナだからヒコナも素を出すことができるという筋書きになっているのもわかるし、そうであればこその二人の結末というのもわからないじゃない・・・・・。  意地っ張りな性格ゆえに成し遂げられたこと(活躍場面)が多いと言うのもわかる・・・・・。  でもねぇ。  この物語を読んだ子供がこのマネをするようになったら、そしてその言動のどこに問題があるのか理解できないままだったとしたら、恐らく世間からは総スカンを食らっちゃう哀しい女の子になってしまうのじゃないかしら??  せっかくの児童文学なんだし、せっかくの試練の連続の物語なんだから、もう少しイサナには成長してもらいたかったなぁと思わずにはいられません。  

又、ヒコナは神様なわけだから人間と同じような感情の動きがあるとは限らないかもしれないんだけど、中途半端に心情描写が書かれているために、逆に食い足りない印象を持ちました。  だいたいにおいて、「掟」だからといってイサナの姉のアケヒメ(巫女)を嫁にと言ったかと思えば、今度はイサナを嫁にと言い出し、挙句に突然登場した同じ龍族のミノメヒメと結ばれちゃうらしいという展開では、このフラフラさ加減にどんな意味があったのかさっぱり??です。  まあ、神様の恋愛事情と人間の恋愛事情は異なると言ってしまえばそれまでだけど、そもそも色気のないこの物語の中で、敢えて現代的な恋愛感情に近い描写を入れる必要性があったのかどうか・・・・・・。

結構笑えたのは、シャチの妃が派遣した戦闘部隊のやる気のなさです。  特にウツボ & ウミヘビ編成隊の分裂の仕方はかなり笑えます。  でも、逆に言えばここまでやる気がない状態でシャチの妃からは何のお咎めもなかったんですかねぇ。  だとしたら、どうして戦闘部隊にそもそも参加していたのかしら??  まあ、正面切って断ることはできなかったけれど、その実、働く気は全くなくて「参加した」という結果だけを残しておけばいいやっていうことだったのかもしれませんけれど・・・・・(苦笑)

言葉に魂が宿るという日本古来の言語文化については多くを考えさせられる物語でした。  古事記なんかを読むとまるで呪文のような神様の名前の羅列に頭を抱えちゃうことも多いけれど、そしてそれはカタカナ表記だと尚更だけど、漢字表記になるとその神様が何を司る神様なのかが伝わってくるものがあるわけで、そういう意味では日本の言語文化っていうヤツは案外洗練されたものだったんだよなぁと思わずにはいられません。    

  

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このページは、KiKi (Brunnhilde)が2012年3月10日 11:15に書いたブログ記事です。

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