黄昏の岸 暁の天 小野不由美

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久々の読書エントリーです。  3月に「守り人シリーズ」の再読企画をやって、その余韻に浸っていた・・・・というわけでは決してなく、図書館から借り出した本に躓き、農業シーズンが幕あけ、ついでに親戚筋に生まれた赤ちゃんイベントで旅が多く、その赤ちゃん誕生祝いだったはずのベビー・キルトが間に合わず、ついでに久々にゲームなんちゅうもんに手を出しちゃった・・・・・等々でちょっと読書から遠ざかってしまっておりました。

たまたまこの間の日曜日から昨日まで東京で用事があったために移動時間にたっぷりと読書タイムを持つことができたので、今日はその読了本のご紹介です。

黄昏の岸 暁の天
著:小野不由美  講談社文庫

515SDJDCBKL._SL500_AA300_.jpg  (Amazon)

登極から半年、戴国再興に燃える泰王驍宗。  反乱鎮圧のため自ら文州に赴いた王の悲報に、留守を預る幼い泰麒は衝撃をうけ、大鳴動とともに忽然と姿を消した。  王と麒麟を突然失い、偽王の圧政が始まった戴―。  その行く末を案じ将軍季斉は命をかけて景王陽子に会うため空を翔けるが...。  (文庫本裏表紙より転載)

「魔性の子」から始まった KiKi の十二国記シリーズの読書。  いきなりの展開でビックリ仰天だったあの本の裏側(というよりこのシリーズではあっちが裏か? 笑)でどんなことが起こっていたのかを語る物語でした。  あちらの Review で「ちょっと死者の数が多すぎる・・・・」と書いた KiKi だったんだけど、その謎もようやく氷解した・・・・・そんな読後感でした。

物語の構成としては「風の海 迷宮の岸」のあれこれがあって、泰麒(高里君)がこの十二国記の世界で戴国の国王を決め、その後この「黄昏の岸 暁の天」の事件が発生。  この物語で描かれているのが十二国側で起こっていた出来事で、泰麒がワープしちゃった先の日本(蓬莱)での出来事が「魔性の子」という感じでしょうか??

色々な意味で惹きつけられ興味深く読了することができた「魔性の子」で感じた多くのKiKi の「?」に応えてくれる物語でもありました。  

2つほど不満があるとすれば、その1つはあの「魔性の子」で泰麒を食うほどの存在感を示していた広瀬さんがどうなったのかさっぱりわからない(というよりは恐らくは被害に遭っちゃった??)ということ。  そしてもう1つは「で、要するにその後戴国はどうなっちゃったわけ??」という部分がまったく描かれていないこと・・・・・でしょうか。

KiKi にとってかなりお気に入りだったのが、ようやく蓬莱に流された泰麒が十二国に連れ戻され、同じ「胎果」である泰麒(高里君)と陽子が名乗り合うシーン。


「・・・・中嶋、陽子です」
陽子の言に、彼はちらりと笑う。
「高里です」
陽子は息を吐いた。  狼狽(うろた)えるほど奇妙な気分がしていた。

(中略)

もう戻ることのない故国だ。  陽子とは無関係の世界になってしまった。  他愛もない話題を見つけて懐かしむにはまだ生々しい喪失。  変に語れば、里心に駆られそうで怖い。  そう--多分、陽子が向こうで待っていた家族や同級生や、そんなもの全てがきっと死に絶えた頃にならなければ、ただ懐かしく思い出すために語り合うことなど、できないような気がする。


個人的にはとっても好きなこの描写だったけれど、正直なところコレ(↑)を出しちゃったところで、ちょっぴりこの物語の世界観が破綻しちゃったような気がしないでもありません。  それから、十二国の人の物語だったところに無理やり「天」を登場させちゃったことも・・・・・。  KiKi の勝手な憶測としてはこの2つが著者を雁字搦めにしちゃって、この物語、未完というか執筆が止まっちゃっているような気がしないでもない・・・・・。

とは言うものの、その「天」が姿を取った存在とでも言うべき西王母が登場し、実に神様らしい慈悲もへったくりもなさそうな発言をなさったのは結構良かった(笑)  人間は「神様」って人間に都合の良いことをしてくれる存在だと勝手に思いたがる傾向があるけれど、KiKi は何となくそんなもんじゃないと思っているようなところがあるので、このパーツも結構好きです。

そして、この世界観の中で「天」及び「天意」に疑問を持った陽子が導き出した1つの答えも KiKi にとってはとても好ましいものに映りました。  曰く

もしも天があるなら、それは無謬ではない。  実在しない天は過ちを犯さないが、もしも実在するなら、必ず過ちを犯すだろう。  だが天が存在しないなら、天が人を救うことなどあるはずがない。  天に人を救うことができるのであれば、必ず過ちを犯す。  人は自らを救うしかない、ということなんだ。

当初は巻き込まれ系ヒロインだった陽子ちゃんの大きな成長を見た気分で、何だかちょっぴり嬉しい♪

  

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このページは、KiKi (Brunnhilde)が2012年4月18日 09:52に書いたブログ記事です。

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