殺す鳥 J.ハインズ

| コメント(0) | トラックバック(0)

本が好き!の Reviewer になって、初めて頂いた献本です。  感謝♪  ミステリーとか推理物ってなかなか買ってまでして読む気にはなれなかった KiKi。  そうであるだけに情報にも疎くて図書館で探すといってもちょっと手がかりがなくて、なかなか手が出なかった分野です。  こうやって少しずつ・・・・ではあってもこの分野が開拓していければいいなぁと思う次第。

殺す鳥
著:J.ハインズ 訳:神林美和  創元推理文庫

41G+o4f90fL._SX230_.jpg  (Amazon)

夏のコーンウォールで、女流詩人キルスティンは死んだ。  バスタブの中、裸で。  自殺という検死審問の結論に、娘のサムはただひとり異議を唱える。  本当に自殺なら、母の日記と、詩集の表題作になるはずだった詩「殺す鳥」はどうして見つからない?  消えた日記と詩を探すサムの行動が、事件に新たな局面をもたらす...。  心理描写に長けた英国の才媛が贈る、サスペンスに満ちた逸品。  (文庫本裏表紙より転載)

KiKi にとってさほど馴染みのある分野ではないミステリー。  その目新しさも手伝って楽しく読むことができました。  でも、さて、書評を書こうと思った段階ではたと困っちゃった・・・・・ ^^;  と言うのもね、KiKi がこれまで Review を書いてきた物語は、謎解きとか次に何が起こるのか?ということをハラハラ・ドキドキ楽しみにしながら読み進める本とはちょっと違うので、ある程度のネタバレはアリだと勝手に思っているんだけど、この手の作品の Review ではネタバレはやっぱりご法度なんだろうしなぁ・・・・・。  

ここまでならOK、ここからはNGという限界線が理解できていないので、ひょっとしたら書き過ぎちゃうかもしれないけれど、「そのあたりの匙加減は今後、修行します!」と事前に宣言しちゃっておこうと思います。  ま、てなわけで万が一書きすぎということがあったとしても、若干大目に見ていただけると幸いです(笑)  一応、それなりには気をつけますけどね♪


さて、物語はとある女流詩人の変死体が発見されたところから始まります。  ところがそこにこの物語の核となるお話(つまり女流詩人の死亡)とはまったく関係がなさそうな、赤の他人の起こした殺人事件の話が出てきて、冒頭で KiKi の頭は??に・・・・。  でもまあ、この全く関係のなさそうな殺人事件の背景にある「どうして事件が起きたのか?」というお話と、女流詩人の死亡、さらには過去を遡ったある一族にまつわるいくつもの事件とが微妙に絡み合ったお話・・・・・となっています。

KiKi は「誰が真犯人か?」という点については、かなり早い段階で察しがついちゃったんだけど、途中で「まさか?」と思うような人が逮捕されちゃったりして若干混乱させられました。

物語を牽引していくのは女流詩人の娘で、チェリストという設定のサムという女性です。  チェロ、いいですねぇ!!  KiKi はピアノを弾く人間なんだけど、ピアノ以外の楽器の中でもっとも惹かれる楽器がチェロなんですよね~。  チェロの音色って全ての楽器の中でもっとも人の声に近いと言われていて、楽器のシェイプも女性の体みたいで、奏でるに当たっては抱きしめるような格好になって・・・・・  とにかくチェロと言う楽器そのものが「愛おしむ」という言葉を形にしたらこんな感じ・・・・・という楽器だと思うんですよね。

で、そんなサム。  まわりが「自殺」ということで事件を終わらせようとしている中、ただ一人自殺説を否定し続けるという設定なので、ある意味とても頑なで、攻撃性もありで、なかなか感情移入しづらい筆致で描かれています。  でも、彼女が正しい音をなぞることだけはできていても音楽が奏でられていないという状況に陥っているくだりを読むと、言葉少ない彼女の言動には説得力がでてきて、かえって冷静に心を寄せながら読み進むことができたような気がします。  彼女が抱えている底なし沼のような孤独感、疎外感の深さが身に沁みます。

もう1人、物語の核心に近い存在である亡くなった詩人のかつての夫、辣腕弁護士という設定のラフという男性に関しては、職業柄ということもあるんでしょうけれど割とポーカーフェイスを貫いているので、どんな立ち位置の人なのかがわかりにくい人物となっていますが、最後まで読んでみてようやく「ああ、そういうことだったのか」と得心する・・・・・そんな描き方だったように思います。

誰もが心の中のどこかで守りたいと切望している「普通」 & 「平穏」な日常。  それが外的な力によって壊されそうになった時、人は何を選択するのか??  そこに普遍的な「道義心」とか「正義」といったような類のものがどの程度顔を見せるのか??  そんなことを考えさせられました。 

事件を起こした人物の行動を容認することは決してできなかったけれど、「もしも自分が同じ立場に置かれた時に、何ができるのか?」を考えた時、これという答えがあるわけでもない・・・・・・。  そんな不思議な感慨の読後感でした。          

トラックバック(0)

トラックバックURL: http://poco-a-poco.chu.jp/mt/mt-tb.cgi/1211

コメントする

2015年2月

1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28

Current Moon

CURRENT MOON

東京のお天気


山小舎のお天気


Booklog



ブクログ

アーカイブ

ウェブページ

Powered by Movable Type 4.261

TrackbackPeople

クラシック・ピープルの Trackback People Site


チェロ ラヴァーズの Trackback People Site


Piano~ぴあの Trackback People Site


ピアノオススメ教本の Trackback People Site


ピアノ教室の Trackback People Site


Book Love Peopleの Trackback People Site


本好きPeople・ぴーぷるの Trackback People Site


今日読んだ本の Trackback People Site


ファンタジーが好き♪の Trackback People Site


この絵本がすごい!の Tackback People Site


児童書大好き♪の Trackback People Site


ハヤカワepi文庫の Trackback People Site


岩波少年文庫応援団の Trackback People Site


薪ストーブの Trackback People Site


週末は田舎暮らしの Trackback People Site


野菜育てPeopleの Trackback People Site


ガーデニングの Trackback People Site


パッチワークキルトの Trackback People Site


あなたの訪問は?


日めくりカレンダー


Real Time News


カテゴリ

ノルンはいくつ?

本が好き!


読書メーター

KiKiさんの読書メーター
KiKiさんの読書メーター

最近読んだ本

KiKiの最近読んだ本

今読んでいる本

KiKiの今読んでる本

読了目標





今やってるゲーム

KiKiの今やってるゲーム

このブログ記事について

このページは、KiKi (Brunnhilde)が2012年5月22日 10:04に書いたブログ記事です。

ひとつ前のブログ記事は「世紀の天体ショー 金環日食と田んぼ」です。

次のブログ記事は「ビブリア古書堂の事件手帖 1&2 三上延」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。

高速運賃





Edita

ブロガー(ブログ)交流空間 エディタコミュニティ

名言黒板


作家別タグ