ベートーヴェン 弦楽四重奏曲第4番 Op. 18-4

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今日は久々にくっきりと晴れ上がった青空で気持ちのよい朝を迎えています。  姦しい鳥たちの囀りの中、車やら草刈り機やらチェーンソーやらのモーター音がこの静かな村にも響き渡り、人も動物も活動再開!といった風情です。  ま、そんな清々しい気分の中、本日の KiKi のBGMはこちらです。

ベートーヴェン 弦楽四重奏曲第4番 Op. 18-4
シャルプラッテン TKCC-70012 演奏:ベルリン弦楽四重奏団(ズスケ・カルテット・ベルリン)

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(毎度のお断りではありますが ^^;)因みに、このCDは今では廃盤になっていて、リマスタリングしたこちら(↓)が現在の定番商品になっているみたいです。

51F0Zx4ZqbL._SL500_AA300_.jpgのサムネール画像  (Amazon)

ベートーヴェンらしさが段々濃厚になってきました(笑)  ま、それというのもことこの曲に関しては「ベートーヴェンの運命の調性」とも呼ばれているハ短調の音楽であるっていうことが最大の要因なんですけどね。  ベートーヴェンご本人がどの程度意識されていらしたかはさておき、後世の人は「モーツァルトと言えばト短調、ベートーヴェンと言えばハ短調」とでも言いたげに評論しておりまする。  ま、他人事みたいに言ってますけど、実際 KiKi 自身、「あ、この曲。  たまんない!!」と幼心にも感じた彼らの音楽はモーツァルトならト短調、ベートーヴェンならハ短調というのはあったりもするんですけどね(苦笑)

そもそも子供時代の KiKi がベートーヴェンのハ短調に嵌ったきっかけは、「月光ソナタ」であり、「悲愴ソナタ」であり、「運命交響曲」だったのは間違いのないところです。  この調性の持つ「陰鬱さ」「翳りのある寂しさ」「暗さの中にほの見える愛らしさ」「抑えようのない怒り」みたいなものが夢見る夢子ちゃんだった KiKi のハートにグッサリと突き刺さったものでした。  そして、長じるにつれ彼が抱えていた耳の疾患を知り、家庭内トラブルを知り、貴族の令嬢に惚れては振られるを繰り返すダメ男ぶりを知り、そんな楽聖の素の姿に重なるものを感じたものでした。

 

さてこのカルテット。  そんなベートーヴェンの運命の調性という宿命を最初から背負った曲ではあるんですけど、そこはさすが初期の作品です。  ハイドンの明晰さ・明るさ、モーツァルトの情感とは性格を異にしつつも、そこはかとなく「古典臭」を漂わせています(笑)  第一主題の持つ不安さ、何かに追われているような切迫感を「ジャン、ジャン、ジャン」のユニゾン3音で吹っ切ってはまた引きづるという、まだ真綿で首を絞められているところまではいかないけれど、雁字搦めに絡め取られている「運命」とでも呼ぶべきものにドラマチックさを感じさせ、冒頭から聴く者のハートを鷲掴みにします。

でも、さすがに若き日のベートーヴェンです。  だからといって妙に深刻になったりはしません。  かと言って「運命に立ち向かうぞ!」というほどの戦闘意欲があるわけでもありません。  言ってみれば「大丈夫、明日はきっともっとよくなるさ」的な根拠のない希望を胸に秘めて怒りや悲しみを抑え込むことができちゃっている、そんな若さが感じられます。

そして第2楽章にスケルツォ。  時折、悲しげな表情も見えなくはないけれど、悲愴感に打ちひしがれているということだけはありません。  全体的に静かな曲調を保ちつづけます。  続く第3楽章はメヌエット。  メヌエットと言えば本来は舞曲なわけで、ズン・チャッチャのズンのところに強拍があるわけですが、このメヌエットはその法則を全く無視して、3拍目に強拍が置かれていて、どことなく精神的な不安定さ・・・・みたいなものを暗示させているように感じます。  実際、音楽はどことなくメランコリック、どことなく挑戦的。  だいたいにおいて「スケルツォ」の後に、こんな一風変わった「メヌエット」を配しているところからして、普通じゃありません(笑)

そしてジュピター音形が印象的な終楽章。  切々と悲しみを語り、時に激昂・・・・・。  そんな印象の音楽です。  「ああ、やっぱり切れちゃった・・・・」そんな感じです(苦笑)

このカルテット。  カルテットと言いつつもどことなくシンフォニックな印象が強い音楽だと思うんですよね。  と同時にいわゆる古典派の形式美、情感から少し離れて(ここがポイントで、まだ脱却しきってはいないんですよ。)聴き方によっては「獰猛」というか「乱暴」ともとられかねない、「怒り」を表現する音楽への1つのきっかけの楽曲だったような気がします。  

KiKi はベートーヴェン節の本質は「怒り」だと思っているんだけど、その怒りはまだまだ抑え気味(「傑作の森時代」ほどの激しさはない)で、この曲の段階では古典美と絶妙なバランスを保ちながら表現されたベートーヴェンの「怒り」の本質・・・・みたいなものを感じるように思うんですよね~。    

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このページは、KiKi (Brunnhilde)が2012年6月23日 10:00に書いたブログ記事です。

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