ベートーヴェン 弦楽四重奏曲第16番 Op. 135

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なんだかんだとゴタゴタしていて、「ベートーヴェンのカルテット Review を完成させる企画」があと1曲を残して中途半端な状態になってしまっていました。  ま、てなわけで本日の KiKi のBGM はこちらです。

べートーヴェン 弦楽四重奏曲第16番 Op. 135
シャルプラッテン TKCC-70012 演奏:ベルリン弦楽四重奏団(ズスケ・カルテット・ベルリン)

c0021859_1910571.jpg  (Amazon)

(毎度のお断りではありますが ^^;)因みに、このCDは今では廃盤になっていて、リマスタリングしたこちら(↓)が現在の定番商品になっているみたいです。

51F0Zx4ZqbL._SL500_AA300_.jpgのサムネール画像  (Amazon)

ベートーヴェン最後のカルテットにして、まとまった作品としても生涯最後の作品です。  この後にいわゆる「大フーガ」の代わりに作曲された、「弦楽四重奏曲 第13番」のフィナーレ部分があるものの、言ってみればベートーヴェンの白鳥の歌と呼べる作品がこのカルテットであることを考えると、音楽を楽しむこちらの身もひきしまるというものです。

「最後の作品」、「気難しいベートーヴェン」、「難解な後期のカルテット」という先入観をもってこの音楽を聴くと、多くの人は「あれ?」と肩透かしを食らったような気分になるのではないかしら??  KiKi にはこの音楽は愛らしく、時にモーツァルトを彷彿とさせる音楽に聞こえます。

    

もちろん全曲通して聴いていくと時に深淵な部分にも遭遇するし、まして第4楽章の冒頭には「ようやくついた決心」という言葉が書かれ、歌詞(?)と言ってもいいかもしれない

Muß es sein ? --- Must it be? (そうじゃなくちゃいけないの?)

というヤツがくっついていて、さらに言えばまるで禅問答みたいに「そうじゃなくちゃいけない」、「そうじゃなくちゃいけない」な~んていう返答のような、念押しみたいな歌詞までくっついているわけで、深刻になろうと思えばいくらでも深刻になれそうなところ(実際、「そうじゃなくちゃいけないの?」の部分は結構深刻ぶっていたりもする 苦笑)なんだけど、返答の方が異様に軽い・・・・というかあっけらかんとしているんですよね~。

だいたいにおいて第1楽章からして明るく完結で耳にやさしい音楽なんですよね~。  KiKi なんぞは初めてこの曲を単体で聴いた時、「あれ?  これがベートーヴェンの後期のカルテット??  ひょっとしてCDの入れ間違い??」と思っちゃったぐらい・・・・(笑)  何て言うかベートーヴェンの、特に後期の音楽にはつきものの「緊張感」とでも呼ぶべきものがほとんど感じられないんですよ。

第2楽章のヴィヴァーチェはまぎれもないベートーヴェン節で、ここはスケルツォ。  ちょっと第9のスケルツォ部分に通じるものがあります。  そして第3楽章はゆったりとした悲しみの旋律です。  でも、ベートーヴェンの悲しみっていうと「慟哭」に近いものが多いと KiKi は感じているんだけど、ここでの「悲しみ」は何となく穏やかなんですよね~。  悲しみをちょっと遠くに置いて、それを遠目に眺めている・・・・そんな雰囲気があって、どことなく達観しちゃっているような感じがするんですよね~。

で、それに続くのがあの「そうじゃなくちゃいけないの?」であり、「そうじゃなくちゃ」「そうじゃなくちゃ」であるわけです。  迷い道クネクネで人生に絶望したり、希望を見出したりとなかなか波乱万丈だったベートーヴェンのたどり着いた最後の境地(ベートーヴェン自身がこの曲を作曲した時点で自分の死期をどの程度意識していたかはわからないけれど)が、ある意味で多くを吹っ切ったような開き直ったようなものだった感じがして、胸を打ちます。

でもね、この第4楽章を繰り返し聴いてみると、ベートーヴェンは達観しきっていたわけじゃないような気もするんですよ。  「ようやくついた決心」と言いつつも、実はまだまだ固執している何かがあって、それに対して「そうじゃなくちゃいけないの?」「そうそう、そうであるべき、あるべき」と自問自答・・・なのか、自分を納得させようとしているのか、そんなような雰囲気があると感じたりもするんです。  でね、ここでの自問自答と、ベートーヴェンの最期の言葉とされる「諸君、喝采を。  喜劇の終わりだ」には何となく相通づるものがあるように感じる KiKi なのです。


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