ベートーヴェン 弦楽四重奏曲第11番 Op. 95 「セリオーソ」

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今日も昨日に引き続き、ベートーヴェンのカルテットのエントリーを書いておこうと思います。  と言うのもね、ベートーヴェンがこのジャンルの音楽を書くには最初の6曲(Op. 18)から次の3曲(ラズモフスキー)に行くのに5年間の沈黙期間があり、そこからさらに約5年間の沈黙期間を経て昨日の「ハープ」や今日のこの「セリオーソ」が書かれ、次の第12番に行くのにこれまた10年以上という年月を必要としているんですよね。  そんな彼の作曲頻度に聴く側であるこちらも併せて、可能な限りこのひとかたまり、ひとかたまりを聴いておきたいかなぁ・・・・・と。

ま、てなわけで本日の KiKi のBGMはカルテットの第11番。  別名「セリオーソ」と呼ばれる音楽です。  セリオーソ・・・・・英語で言えばシリアスですね。  「真面目な」とか「厳粛な」とか「深刻な」というほどの意味合いでしょうか。

ベートーヴェン 弦楽四重奏曲第11番 Op. 95 「セリオーソ」
シャルプラッテン TKCC-70653 演奏:ベルリン弦楽四重奏団(ズスケ・カルテット・ベルリン)

SusukeQ_Beethoven_3.jpg  (Amazon)

(毎度のお断りではありますが ^^;)因みに、このCDは今では廃盤になっていて、リマスタリングしたこちら(↓)が現在の定番商品になっているみたいです。

51F0Zx4ZqbL._SL500_AA300_.jpgのサムネール画像  (Amazon)

ベートーヴェンという人は基本は絶対音楽の人なので、自分の作曲した曲に安易に「愛称」とか「呼び名」を自ら振ったりすることはありません。  まあ、まったくないとまでは言わないんですけど、ロマン派の人たちのようには饒舌じゃないんですよね。  で、そんな中、この曲はある意味では例外的に直筆譜に「セリオーソ」と書かれていたそうですし、この曲の第3楽章には「アレグロ・アッサイ・ヴィバーチェ・マ・セリオーソ」と曲想が指定されており、本人が「真面目に」つけたタイトルだったようです。

ベートーヴェンが耳に疾患を患っていたことはとても有名な話ですが、具合が悪かったのは耳だけではなく、どうやら視覚もかなり悪くて目に見える世界でも実はかなりの制約を受けていたのだそうです。  人間にとって極めて大切な視覚・聴覚の2つが閉ざされ気味の世界。  それを想像するのは老眼を除けば五体満足の KiKi なんかにはかなり難しいことだけど、とは言っても普通の世界(社会)とは隔離されたような孤独感とは無縁ではないこと、そしてそれと逆行するかのように自分の内面の感覚だけは研ぎ澄まされていく・・・・・ということは何となく想像できるような気がします。


さて、そんな「セリオーソ」。  セリオーソらしさがあるのは第3楽章だけなのか?と思いきや、意外なことに第一楽章の出だしの序奏からしてかなり深刻ぶって(?)います。  まあこれは短調という調性のせいとも言えるわけですけど、決して「明るく楽しく生命を謳歌しよう!」な~んていう風情ではありません。  時に荒々しくもあり、時にあっさりと通り過ぎと、ちょっと支離滅裂気味(?)な迷いを呈しながら進んでいきます。  どこか鬱々とした雰囲気・・・・。  これもこの時期にあったベートーヴェンの悲しい恋の影響なんでしょうか??

第1楽章が鬱々としているので第2楽章にはちょっと趣向を変えて・・・・と明るくなるのかと思いきや、しょっぱなはチェロ(低音)の下降音型と来ています。  やすらぎ・・・・みたいなものも垣間見えなくはないように思うのですが、どちらかというと内省的な音楽で、中音域のヴィオラが紡ぐ音の世界は一種独特な雰囲気を醸し出します。  一応長調なんですけど、どこか「憂い」と言うべきか、「翳り」と言うべきかを帯びた渋めの音楽で、人の世のぬくもりみたいなものとはちょっと一線を画すような、無機質なものを感じさせるんですよね。  この楽章で個人的に好きなのは途中で表れるフーガっぽいところ。  どこか「この世のものではない、幻想的な世界」を連想させる音楽です。  

そして切れ目なくなだれ込む第3楽章があの「アレグロ・アッサイ・ヴィバーチェ・マ・セリオーソ」です。  一応、スケルツォ形式・・・・なのかな??  短調部分と長調部分が交互にあらわれ明るくはないものの美しい音世界が堪能できます。  本人が「セリオーソ」を宣言しているだけに、ここにベートーヴェンの一番言いたいことが詰まっているはずだとは思うんだけど、正直なところ KiKi にはよくわかんないんですよね。  

ちょっとロマン的でもあるように思うし、付点リズムをいじり倒しているだけの音楽のようにも思うし、まとまりがないわけじゃないんだけど、どこか労作っぽさがある音楽のような気もするし・・・・。  これからどうしていったらいいのかを真剣に模索しているような、そんな感じがしないでもない。

そしてちょっと熱っぽい、粘っこい旋律が劇的で印象的な終楽章。  ここも何だか「迷子の迷子のベートーヴェンちゃん♪」っていう感じがして、どっちへ向いてこの音楽が流れているのか「真面目に」わからなくなっていって、最後は案外あっさりと終わっちゃう。  ふと気が付くと迷子になっていたのはベートーヴェンちゃんではなくて、「真面目に」おつきあいしていた KiKi だったんじゃないか?と思っちゃうほど呆気ない・・・・・ ^^;  

でもね、意外とこの曲、KiKi は好きなんですよね~。  何て言うか屈折した高貴さみたいなものを感じるんですよね~。       


      

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このページは、KiKi (Brunnhilde)が2012年7月10日 07:10に書いたブログ記事です。

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