逆説の日本史 10. 戦国覇王編 井沢元彦

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例の交通事故事件が発生する前に読み始め、凡そ2/3 を読み進めたあたりで事故の第一報を受け、そこから約2週間、読書どころではない生活をしている間に、その本に書かれていたことをすっかり忘れ去ってしまった、そんな本をようやく読了しました。  ま、てなわけで本日の KiKi の読了本はこちらです。

逆説の日本史 10. 戦国覇王編 - 天下布武と信長の謎
著:井沢元彦  小学館文庫

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企んだのは朝廷か将軍義昭か、はたまたイエズス会か?  謎に包まれた本能寺の変の真相に迫る第十巻。  信長は残虐な無神論者ではなく、敬虔で寛容な政治家だった。  歴史学界の定説を覆し、「信長論」の新たなる地平を切り拓く野心的な歴史ノンフィクション待望の文庫化。
第1章: 織田信長の変革編 - 将軍義昭との抗争
第2章: 信長 vs. 宗教勢力の大血戦編 - 安土宗論にみる宗教弾圧の正当性
第3章: 新しき権力の構築編 - 大坂遷都計画と安土城の謎
第4章: 本能寺の変 - 明智光秀、信長暗殺の真相  (文庫本裏表紙より転載)

顕如は「生き仏」である。  だとしたら、それに対抗するためには「生き神」になるしかないではないか。  顕如が「来世の幸福」を保証する「生き仏」なら、信長は「現世の幸福」を実現する「生き神」たらんとしたのである。
つまり、信長が生きていれば、天正12年おそくとも13年頃、秀吉とは比べものにならない強固な統一政権が生まれ、秀吉のような国内戦のロスもなく外征に乗り出すことができたに違いないのである。
あの「無神論者」と評された信長ですら、天皇を海外に言わば「島流し」にするという方法は考えていたようだが、抹殺についてはまったく考えていないのである。  では、なぜそうなのか?  (文庫本表紙より転載)

「日本の歴史上の人物の中で誰に一番惹かれるか?」と問われると躊躇することなく「織田信長」と答えてきた KiKi にとってこの巻は実に楽しみだった巻でありました。  そういう意味では一気に読み終えたかったにも関わらず途中で突発事項が発生し、読みかけ状態で放置せざるを得なくなってしまったことがあの理由によるものでなかったら、ひょっとしたら本気で怒り出しちゃったかもしれません(笑)  

宗教心が希薄だと言われる日本人の気質の大元には信長が戦闘的な宗教集団と徹底して戦い、結果、この時期以降の大半の日本人が異なる宗教もしくは宗派間での血なま臭い争いから解放されることになったことにも起因するという井沢氏の分析には、心から賛同します。  世界中の歴史を見てもこの時期以降の日本の歴史ほど「政教分離」が徹底できていた世界はそうそう滅多にあるものではありませんから・・・・。

 

個人的にちょっと不満だったのは以下の2点です。  一つは「本能寺の変の黒幕に関する考察」の部分、そしてもう一つは「信長は最終的に天皇家をどうしようと考えていたのか?」ということに触れている部分です。  

KiKi はもともと本能寺の変に関しては世に数多ある「陰謀説」のどれにも与する者ではなかったんだけど、この本ではかなりあっさりと「明智光秀単独犯行説」を唱えて終わっちゃっていて、しかも「昔は僕も○○説だったけど今はね・・・・」的な文章で終わらせてしまっていて、正直なところ「へ??」という感じ・・・・・。  巷にあるいくつかの「○○説」への反証らしい反証もなく、せっかく自説を変えたにも関わらずそのなりゆきさえもがちゃんと書かれているとは言い難い筆致なために、さらっと読んで終わっちゃった・・・・・ ^^;  

文庫本の裏表紙で「企んだのは朝廷か将軍義昭か、はたまたイエズス会か?」な~んていう風にある意味読者を煽っておいてそれはないだろう・・・とちょっと肩透かしを食らっちゃったような気分なんですよね~。    

そして「天皇家をどうしようと思っていたのか?」という考察部分では、現代的合理精神の持ち主であり、ある意味で一本筋が通っている人として1巻丸々描かれている信長にも関わらず、「vs. 天皇家」となった瞬間に井沢氏の歴史観である「怨霊信仰」でチャンチャンというのはちょっと安直な感じがしちゃいました。  少なくとも、旧来の権威である天皇家を超える権威である「神」になろうとした男として描かれている信長像と「怨霊信仰」ではどことなくミスマッチ感が漂うような気がするのは KiKi だけかしら??  

少なくとも、信長がなろうとした「神」と「怨霊」の相対的な位置関係をもうちょっと説明してくれないと、信長公のおかげ様で「宗教的なものの見方」の基礎がまったくできていない現代日本人の KiKi には井沢氏の結論がある意味で唐突に感じられてしまいました。  


さて、ここまで「逆説の日本史シリーズ」をせっせと読み進めてきているわけですが、ここから暫くは「逆説の日本史シリーズ」はお休みとさせていただきます。  飽きちゃったわけでも、文庫本が入手できていないわけでもなく、たまたま例の交通事故事件発生当日に「本が好き!」で献本をいただいていた本があるのですが、その本にまったく手をつけられていないというのが1番目の理由です。  そして2つ目の理由がどうせここで中断するのであれば、8月15日を挟む1か月ほどぐらいは「かの大戦の時代」に思いを馳せる読書をしてみようかなぁ・・・・と感じているということがあります。

たまたま半藤一利さんの著作をいくつか購入してあるし、先般読了した「不毛地帯」の影響で購入したきり積読状態になっている保阪正康さんの「瀬島龍三 ― 参謀の昭和史」も気になっていたんですよね~。   

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このページは、KiKi (Brunnhilde)が2012年7月30日 11:49に書いたブログ記事です。

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