指輪物語 5 王の帰還(上) J.R.R.トールキン

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昨日お話したDVDの修復は、今のところ成功に至らずのまま・・・・です。  う~ん、これはどこかで諦めないといけないかもしれません。  それにしてもつくづく思うのは、あの問題のDVDが「ロード・オブ・ザ・リング」のSEE版じゃなくて良かった~!!ということです。  もしも同じ現象がこっちのDVDで発生していたら KiKi はショックのあまり寝込んでしまったかもしれません(苦笑)  そしてこちら、映画に負けず劣らず大好きな物語の第5巻を読了しました。

指輪物語 5 王の帰還(上)
著:J.R.R.トールキン 訳:瀬田貞二・田中明子  評論社

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裏切り者サルマンの野望を打ち砕いた、アラゴルンはじめ指輪の仲間やローハン国の騎士たち。  かれらは、今や馬首をゴンドールの都ミナス・ティリスに転じ、ゴンドールの救援に駆けつけることとなった。  そこへ、「裂け谷」のエルロンドからアラゴルンに伝言がもたらされた。  それを聞いたアラゴルンは、ローハンの面々と別れ、「死者の道」を行くと言う。  聞くもおぞましい「死者の道」とは・・・・・。
アラゴルン一行が別れていって3日後、朝はやってこなかった。  モルドールの暗闇が全土を覆ったのだ。  攻め寄せる闇の軍勢から、必死にミナス・ティリスを防衛するゴンドール軍。  ゴンドール救援に馳せ向かうローハン軍。  そして、「死者の道」を行ったアラゴルンは・・・・・
空にはナズグルが飛び交い、風雲急を告げるなか、指輪戦争の火蓋が切られた。  (単行本扉より転載)

KiKi はね、映画の「ロード・オブ・ザ・リング」も半端じゃなく好き & 気に入っているし、原作本の「指輪物語」もそれを若干上回るぐらい好き & 気に入っているんだけど、映画の中でどうしても気に入らない箇所を1か所だけ挙げるとするなら、ゴンドールの執政・デネソール候の描き方なんですよね~。  映画のデネソール候には偉大なところ・高貴なところがほとんど感じられず、ま、端的に言ってしまえば「性格が歪んでいて、子どもを差別し、権力欲にも取りつかれた尊大でいやらしいオヤジ」に過ぎないように見えちゃうと思うんですよね。

そうであるだけに、いかにピピンがボロミアを慕っていたと言えども、彼がデネソール候に仕える決意をしたのが、お調子者の単なる思い付きに見えなくもなかったりするように感じちゃうような気がするし、仕えたのと同時にず~っと後悔しているように見えなくもない・・・・・・。  特にファラミアが望みのない戦いに出る際に、デネソール候の居室で歌を歌うシーンなんてその最たるもので・・・・。(あの歌は半端じゃなく良かったけれど)

でもね、物語のデネソール候は確かに映画で描かれていた人物に通じる負の側面は持ち合わせているものの、あそこまで「ダメっぽい執政」では決してありません。  そしてデネソール候を狂気に追いやったのは彼が覗いたパランティア(映画でピピンが覗いておかしくなった丸い石)を通したサウロンの思念だったわけで、それと重症のファラミアを前にした相乗効果でさらにおかしくなっちゃったわけで、そのあたりが描かれていないと、どうしてこの危急の時までゴンドールが持ちこたえていたのかがよくわかんなくなっちゃうと思うんですよね~。 

この第5巻では再びフロ・サムコンビは姿をあらわさず、人間たちの大活躍が描かれています。  ペレンノール野の戦いは映画でも凄かったけれど、物語の方も物凄い!  映画ではまともなのはゴンドールとローハンの人たちだけで後の人間は全部サウロン側みたいな雰囲気だったけれど、実際にはもっといろいろな人種が出てくるし、ローハンの皆さんがペレンノールに辿りつく際に重要な役割を果たすガン=ブリ=ガンを筆頭とする野人の登場あり、「死の道」を行くアラゴルンを助けるために駆けつけた野伏の皆さんありで、これがいかに大きな戦いだったのかが「エントのエピソード」と相俟って真に迫ってきます。

映画ではこのペレンノール野の戦いがかなり明るい中で行われていたけれど、物語では真っ暗な中で行われるわけで、そうであるだけに時折垣間見えるわずかな光が効果的です。  もっともこれを原作通りに映画化しちゃうと、あの「ハリポタ」の最後の方の映画みたいに老眼の KiKi には画面が暗すぎて何が起こっているのかさっぱりわからなくなっちゃっただろうけど・・・・・ ^^;

この巻では映画でちゃんと映像化されたいわゆる「見応えのある」シーンが満載で、もっと若い頃の KiKi はやっぱりそっちに気を取られちゃっていたけれど、今回の読書ではメリ・ピピ・コンビに思わず引き寄せられました。  パランティアを覗いてしまったことによって、これまでず~っとメリーの後をくっ付いていた感のあるお調子者のピピンが独り立ちする様(さま)に、そしてまずはガンダルフ・ピピンに置いて行かれ、次いでアラ・レゴ・ギムに置いて行かれ、さらにはセオデン王にまで置いて行かれそうになった中で必死に自分の居場所を作ろうと頑張るメリーに思わず感情移入してしまいました。

そして「かかる戦いでそなたは何をしようというのか?」とセオデンに問われたことの真実の重さを実感し、それでいてナズグルの首領と対峙しているエオウィンを助けるために勇気を奮い起こしたメリーの姿は本当に感動的でした。  映画では観た目の恐ろしさ以上にはこのナズグルの首領と渡り合ったエオウィン & メリーの受けた傷の深刻さは伝わってはこなかったけれど、療病院のシーンが「王の帰還」の象徴的な出来事であるのと同時に、彼らの重体度を物語ります。

そして KiKi のお気に入りの二人の会話です。

「あ~あ、僕たちトゥックやブランディバックの一族は高尚なものばかりでは一生暮らせないね。」

「暮らせない。  僕はダメだ。  とにかくまだダメだ。  だがね、ピピン、少なくとも僕たちは今ではそういうものがわかるし、それをあがめることもできるよ。  思うに、自分が愛するのにふさわしいものを愛するのが最善じゃなかろうか。  どこかで始めなきゃならないのだし、どこかに根をおろさなきゃならないんだから。  それにホビット庄の土は深いしね。  だけど、もっと深くもっと高尚なものが存在していることはたしかだ。  どんないなかのとっつぁんだって、そういうものがなければ、とっつぁんのいわゆる『安穏』のうちに果樹園の手入れはできないだろう。  とっつぁんが知っていようといまいとね。  嬉しいことに、僕はそういうものが今は少しはわかっているんだよ。」

KiKi はメリーのこの言葉がそのまま「指輪物語」を読むたびに見つける新しい発見とクロスしているように感じられるし、同時にこれこそが「読書」という最高に贅沢な娯楽の醍醐味なんじゃないかしら?と感じるんですよね~。       

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このページは、KiKi (Brunnhilde)が2012年8月29日 10:11に書いたブログ記事です。

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