南から来た男 金原瑞人(編訳)

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2年前の8月、猛暑を吹っ飛ばせ!とばかりに読んだこちらの続編がこの夏に発刊されました。  本当だったら「今年の8月の猛暑を再び吹っ飛ばせ!」とばかりに読みたかった本ではあったんだけど、今年の夏は「トールキン月間」としていたため積読状態が続き、結局9月にずれこんでしまいました。

これが東京だったらまだまだ残暑が厳しいんでしょうから「遅ればせながら」とは言え「季節外れ」とまではいかなかったんでしょうけど、ここLothlórien_山小舎付近は朝晩めっきり冷え込むようになってきたし、昼間だってじっとしていたら汗だくな~んていうことは一切なくなってきている(さすがに野良仕事をすると汗びっしょりですけど ^^;)ので、やっぱりタイミングを逃しちゃった感は否めません。

南から来た男 ホラー短編集2
編訳:金原瑞人  岩波少年文庫

51phFN67pNL._SL500_AA300_.jpg  (Amazon)

好評ホラー短編集第二弾。  緊迫感あふれるロアルド・ダールの表題作をはじめ、スティーヴンソン、ウェルズ、ブラッドベリ、デ・ラ・メア、フォークナーらによる、英米ホラーの傑作11編を収録。  訳者によるポーの翻案をふくむ、全編新訳。  (文庫本裏表紙より転載)

以前、このエントリーでもお話したように KiKi にはかなり重症気味なホラー苦手意識があります。  とにかく「ホラー」の文字を見たり、それっぽいおどろおどろしい表紙を見たりすると、どんなに評判の良い本でもできるだけ近寄らないように(本屋さんでもその棚を遠巻きに歩く)したくなる拒絶反応に近いものが出てきちゃうんですよね。  

でも、前の巻の「八月の暑さの中で」の読後感は想像していた以上にさわやかなものだったし、今回も同じ金原さんの編纂だし、こと岩波少年文庫に関しては一応全冊読破を目標に掲げているわけだから、この本を避けて通るわけにはいきません。  ・・・・って言うか、これといった根拠はないんだけど「このシリーズなら絶対にいける!」という確信に近いものがありました。

この巻に収録されているのは以下の作品群です。

★収録作品★
 エドガー・アラン・ポー「ナンタケット島出身のアーサー・ゴードン・ピムの物語」(翻案)
 ロアルド・ダール「南から来た男」
 オー・ヘンリー「家具つきの部屋」
 H・G・ウェルズ「マジックショップ」
 ウォルター・デ・ラ・メア「不思議な話」
 アルジャーノン・ブラックウッド「まぼろしの少年」
 フォークナー「エミリーにバラを一輪」
 エリザベス・ボウエン「悪魔の恋人」
 ブラッドベリ「湖」
 スティーヴンソン「小瓶の悪魔」
 エレン・エマーソン・ホワイト「隣の男の子」

やっぱり KiKi の根拠のない確信が裏切られることはありませんでした。  第1作のポーの作品を下地にした「ナンタケット島出身のアーサー・ゴードン・ピムの物語」は金原さんの翻案作品で、ちょっとワルノリしちゃった感がなきにしもあらず・・・・・。  でも、KiKi の愛するワーグナーさんの「さまよえるオランダ人」を彷彿とさせ、物語そのもの以外にも別の面でも楽しむことができました。

収録されているその他の作品はどれもこれも不思議な魅力があって甲乙つけがたいんだけど、個人的にはオー・ヘンリーの「家具つきの部屋」、ウィリアム・フォークナーの「エミリーにバラを一輪」、レイ・ブラッドベリの「湖」、そしてスティーヴンソンの「小瓶の悪魔」が特に印象に残りました。

これらの4作品は「怖い」という想いも抱きつつもどこかもの悲しさが残る作品群だったと思うんですよね。  そして、これらの作品に共通するのがどこかくすんだカラーを思わせ、それが幻想的でもあり、さらには登場する人物たちの「想いの深さ」をほどよく中和していて、そのバランス感覚に強烈に魅せられちゃうと思うんですよ。 

収録作品リストを眺めれば、この本に収録されている作品の作者たるやホント錚々たるメンバーで、読む前から「駄作はありえない」と思える安心感があるうえに、そんな作者たちの作品ばかりなだけに読んでみるとストーリー・テリングの巧みさに魅せられちゃう。  KiKi と同じように「ホラーって苦手・・・・ ^^;」って思っている人にも安心してオススメできる作品集だと思います。

最後の作品「隣の男の子」の作者のみ存命中ということで、作品のカラーも他の作品とはちょっと違う(どことなくライト・テイスト??  それともドライ・テイスト??)けど、これがラストに配置されていることにも金原さんのセンスのようなものを感じました。  ま、個人的にはこの最後の作品は物語としてはそんなに好きな部類じゃなかったけれど、後味は悪くありませんでした。

前のホラー短編集1の Review で、「岩波書店さん。  是非是非続巻を作っていただけないものでしょうか??」って書いたら実際にこの第2集が発刊された(← って別に KiKi のリクエスト効果だったわけではないけれど ^^;)ので、今回も書いちゃおうかな??

岩波書店さん。  ホラーが苦手な KiKi でも読める上質ホラーの続編を更に更にお願いします!!   

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