聖地をたどる旅 熊野 原水音

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本が好き!から献本いただきました。  多謝。 ozigi.gif

聖地をたどる旅 熊野
著:原水音 アールズ出版

41zzNSWQJsL._SL500_AA300_.jpg  (Amazon)

熊野に暮らす著者が教える、地元民しか知らない特別な熊野のスピリチュアル・スポットを集めました。  古代から続く大いなる自然崇拝の心は、変わらず地元の人々の心に受け継がれています。  世界遺産ブームに沸いた数年前から月日は流れ、今、この地を訪れる人々は、ある種の精神的支えを求め、混迷の世に生きる意味を自問自答し、見えない明日への希望を模索するような、内省的な旅をする人が増えてきているといいます。  1000年以上前から人々が祈りを捧げてきた聖地、熊野の中でも、手垢に汚されていない聖なる場所を訪ねてこそ、自分を見つめ直す最高の旅になるのかもしれません。
政治的制圧、宗教弾圧、繰り返される自然災害......。  熊野は、幾多の苦難に見舞われるたび、力強くよみがえってきた、よみがえりの郷です。
そんな力強いエネルギーがみなぎる大自然の聖地、熊野がもつスピリチュアルな魅力をまとめた、新しい熊野ガイドBookです。  (Amazonより転載)

熊野という地名は KiKi にとってある種の憧れの地名でした。  日本の歴史の中で「熊野詣」と言えば超有名だし、現代に暮らす私たちよりもはるかに自然と身近におつきあいしてきた古代の人々が神聖視してきた場所っていうのはそれだけで何か大きな力があるような気がするんですよね~。

特にこの「熊野」という土地は山が多いから KiKi のような「海よりは山」人間にはたまらない魅力を放つ場所だと思うんですよ。  これでこの場所が東京からもっと近くて、さらにはあそこまで水系の災害の多くない場所だったら、恐らく KiKi のLothlórien_山小舎の第一候補地に間違いなく選ばれていたエリアだと思います。

この本ではそんな熊野の必ずしもメジャーとは言い難い場所までもをとりあげ、周辺地図も収録され、図版も多い・・・・とまさに至れり尽くせりのガイドブックだったと思います。  又、個人的には最後の章で触れられていた「熊野の食 ~四季折々の美味~」を興味深く読みました。  土地柄的には決して地味豊かとは言い難い(ようするに田んぼや畑が作りにくい)場所に暮らしてきた人々がどんなものを食してきたのか?は他の旅行ガイド本ではなかなか出会えない情報なのではないかと感じられました。

ただ個人的には「スピリチュアル」という言葉が多用されることには若干の抵抗も感じました。  こういう場所が醸し出す静謐さ、清純さ、自然の放つパワー等々に関しては恐らく著者と KiKi は似たような「神聖な何か」を感じるタイプだと思うんですけど、そこに横文字の「スピリチュアル」という言葉を使われちゃうと何となく有難味・・・・というか、実際にその場所が持つ神聖さみたいなものが、薄っぺらくなっちゃうような気分になっちゃった・・・・・ ^^;

何て言うか、このての横文字言葉にはひと頃流行った「LOHAS」という言葉に感じるのと同じような「胡散臭さ、嘘っぽさ」みたいなものを感じてしまうんですよね~。  まあ、これは偏に KiKi がひねくれているからではあると思うんですけどね。  でもね、大自然の中で自然とどんな風に交感するか、呼吸するかな~んていうのは人それぞれだと思うんです。  人間、空気の良い気持ちの良い所へ行けば誰しも深呼吸するもの(それは必ずしもラジオ体操の最後の深呼吸と同じではないにしろ)だと思うし、その風景の中で何をイメージしたっていいと思うんです。

結局のところこのテの静謐で手垢に染まっていない大自然の中に身を置いた時、多くの人が感じるのは「自分という存在のちっぽけさ」とか「自分が今、ここに存在するというその意味」とか「生かされているという実感」とか「自然の前では無力な自分」とか「歴史の重さ」といったようなことで、とどのつまり「謙虚にならざるをえない」感覚なんだと思うんです。  これは実は「スピリチュアル」というものとは別物のような気がするんですよね~。

とは言うものの、コラムの中で触れられている明治の神社合祀令でこの地に存在していた多くの社がなくなってしまったことを残念に思っておられる筆者の言葉には、深く頷かされました。  日本という国が近代化の中で捨て去ってきたものの中に「日本人を日本人たらしめていた核となる何か」を感じている今の KiKi には尚更です。  グローバル化を余儀なくされている昨今の世界情勢の中でローカライズばかりを希求するのも偏狭に過ぎる行為だからその匙加減は難しいものだけど、日本人が日本国という風土の中で培ってきたものはやはり「祖国の文化」として大切にしていきたいものです。

読了後にもう一度、この本に収録されている写真をざっと見直してみると、この場所に立つ自分がかなりリアルにイメージされ、一度はここに網羅されている各所を訪れてみたいと強く感じました。

    

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