白狐魔記6 元禄の雪 斉藤洋

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TV番組でもあちらこちらで「忠臣蔵」が放映される季節になってきました。  その同じ時期に、吾妻郡図書館で購入依頼を出してあったこちらが届いたという連絡を受け早速読んでみました。  KiKi のお気に入りの「白狐魔記」の最新刊、「元禄の雪」です。

白狐魔記6 元禄の雪
著:斉藤洋  偕成社

51kKXZBj5WL._SL500_AA300_.jpg  (Amazon)

白駒山の仙人の弟子となり、修行ののち、人間に化けることができるようになった狐、白狐魔丸の人間探求の物語。  時は江戸時代中期、元禄十四年。  俳諧や歌舞伎など町の文化が花ひらき、人びとは天下太平の世を謳歌していた。  しかし、白狐魔丸は江戸城から強い邪気がただよってくるのを感じる。  赤穂事件がおきたのは、その直後だった。  (単行本扉より転載)

やっぱり好きだなぁ、白狐魔記。  前作で「白狐大仙(びゃっこだいせん)」な~んていう大層なお名前を白駒山の仙人から授かった白狐魔丸だったけど、やっぱりそんな立派過ぎる名前よりも白狐魔丸の方がしっくりきます。  これは白狐魔丸が持っているある種の素直さ、可愛らしさ、まっ直ぐさによるところが大きいのではないかしら??

今作は表紙からしても、タイトルからしても赤穂事件を扱っているのは読む前から明らかだったけれど、太平の元禄時代に江戸城から漂ってくるという邪気に関して言えば KiKi がイメージしていたものとは大きく異なっていました。  読む前にはこの邪気は吉良上野介と浅野内匠頭との間のスッタモンダによるものかと想像していたんだけど、太平の世ゆえの、そして徳川家独裁体制の中での大名家と幕府との間のパワー・バランスみたいなものに端を発している邪気という発想は KiKi にとってはちょっと意表をついていたのと同時に、読んでみて説得力のあるものでした。

白狐魔丸が人間社会を徘徊する際に化けるのは多くの場合が「白犬」か「人間の商人」というのは以前のシリーズからお馴染みだったけれど、今作は「生類憐みの令発令中」という状況下での「犬姿」なので、そこから出てくる物語にも説得力があり、安心して楽しめるサイドストーリーが多かったようにも感じました。

前作で白駒山の仙人様がご帰還あそばされたことにより、雅姫(つねひめ)の存在感は薄くなってしまうのかなぁ?と心配していたんだけど、結局せっかくご帰還なったものの1人でフラリと旅に出てばかりいる仙人様よりも、本人曰く「白狐魔丸とは格が違う狐」である雅姫の活躍ぶりは相変わらずでした。  もっともこのやたらと目立つ雅姫がいったいどんな風にして、白狐魔丸同様の(いやそれ以上の)霊験あらたかなお狐様になられたのか?に関しては、今作でも全く語られなかったんですよね~。  このシリーズの中のどこかでそのあたりの「雅姫はいかにして今の雅姫になったのか?」が語られることはあるんでしょうか??(笑)

浅野内匠頭の初登場シーンはちょっと意表をつくものでした。  もともと KiKi 自身は浅野内匠頭という人物に関してあまり好印象を持っていなかったし、今風に言えば「切れやすいタイプ」の人だったんじゃなかろうかと思っていたようなところはあったんだけど、こうもあっさりとそのイメージ通りの人物で描かれちゃうと、それはそれで唖然としてしまいました。  でも、白狐魔丸のセリフじゃないけれど、どんな事情があったにしろ殿中で刃傷事件を起こし、後のこと(領国のこと、お家のこと、そして家臣団のこと)をまったく考えていないようなお殿様はダメだよなぁ・・・・・。 

さて、時代は元禄まで下ってきちゃったわけだけど、次はどの時代へ行くんでしょうか??  逆に言えば現代まで残された時代もそうそう多くはなくなってきちゃったわけで、そこに一抹の寂しさを感じます。  と同時に、武士の時代をず~っと訪ね歩いてきた白狐魔丸が現代の日本人を目にしたら、どんな感想を持つのかに無性に興味がかきたてられます。       

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