ついに始まった介護生活

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ちょっと休眠化しているここLothlórien_Blog です。  そのいきさつはこのエントリーに書いた母の入院に端を発しています。  幸いなことにその入院の直接のきっかけとなった大腿骨骨頭骨折の方の手術は成功し、その後の経過も良好で、リハビリの先生(理学療法士さん)のお言葉を借りれば「素晴らしい基礎身体能力」とのこと。  

実際あれだけの大怪我をした割には、今では杖をつけば背筋もピンと伸びて、かなりのスピードで歩けるし、リハビリの最中にいきなり頼み(のはずの)杖をひょいと振り上げて何かを指し示したりしながら自力で歩いているし、もっと言うなら入院中は病院のベッドの両脇にある柵(と呼んでいいのかわからないけれど)を自力で乗り越えベッドから降りてトイレを探してフラフラとお散歩(しかも無事故!)しちゃっていたぐらいでした。

でも問題なのはこの入院中に認知症の方がさらに進んでしまい、自分が骨折をしたことも覚えていないし、自分の苗字も分かったり分からなかったり、つれあいの名前も覚えていたりいなかったり、同居していなかった KiKi のことともなれば娘であることを認識するのは10回に1回ぐらい(正解率1割 ^^;)、名前は最初の一文字をヒントで与えない限りまったく思い出せないという状態です。

入院中、もっとも困ってしまったのは排泄の問題で、入院当初から手術当日まではおしっこの方は尿道カテーテルで出してもらっていたので本人には何ら自覚がなかったんだけど、ウンチの方はいわゆるオムツだったんだけどこれに対する抵抗には物凄いものがありました。  それでもウンチの方は回数が少ない分、後になってみればトラブルも大したことはなかったんだけど、いざ手術が終わりリハビリ病棟に移ってからはその尿道カテーテルも外され、尿とりパッドに変更になったら、これに対する抵抗が半端じゃありません。  

そもそも自分が骨折したという自覚がない(記憶がないと言うべきか?)んですよ。  でも、羞恥心とか自尊心だけは半端じゃなく残っているから

「ここはトイレはどこ?」

「あのね、トイレはとっても遠いから今は行けないの。」

「どうして?」

「あなたは足の骨を骨折しちゃったから、まだ歩けないの。」

「骨折?  どうして??」

「転んじゃったらしいわよ。」

「何で?」

「さあ、夜中だったから、寝ぼけちゃっていたか、暗くて何かに躓いちゃったか・・・・。」

「じゃあ、おしっこはどこでするの?」

「今はここでするしかないの。」

「ここってどこ??」 (あたりを見回す素振り・・・・)

「ここよ。  このベッドの上。」

「いやよ!!  だってビチャビチャになっちゃうじゃない。」

「大丈夫。  今はこれを着けているから。」 (尿とりパッドの実物を見せる)

「これ?  これを今、私は付けているの?」

「そう。  これはね、生理のナプキン、覚えてる?  その何百倍もパワーがあって、あなたのおしっこの3回分ぐらいはちゃんと吸収してくれるの。」

「そんなもの必要ないわよ。  私はトイレぐらいちゃんと1人で行けますから。」

「あのね、ここのトイレはもの凄~く遠いし、今はまだ1人じゃ行けないの。」

「どうして?」

「あなたは足の骨を折っちゃったから、まだ歩けないの。」

「でも、おしっこしたい時はどうすればいいの?」

「今はここでするしかないの。」

「ここってどこ??」

「ここ、ベッドの上」

「嫌よ!  だってビチャビチャになっちゃうじゃないの。」

「大丈夫、これが全部吸ってくれるから。  これを今付けているのよ。  これ、生理のナプキンの何百倍も吸収してくれるから、ベッドは絶対に汚れないの。」

「へぇ・・・・・そうなの凄いわね。  で、ここはトイレはどこ??」

(以下 上記の問答を繰り返すこと約30分から1時間  家族の間ではこれを「おしっこ問答」と命名 苦笑)

てな感じで、これがおしっこの度に繰り返されます。  少しでも母の精神的負担を減らそうと必要ないのにビニール風呂敷を準備してお尻の下に敷いてみたり、オムツの宣伝みたいに水を吸わせて見せたりとありとあらゆる手段で納得させようとしても、「自分が骨折した事」「今は歩けないという事」を忘れちゃうので、オムツの話に納得してもトイレに自力で行くと言い張り、骨折のことを思い出させた頃にはオムツの強力さの話は忘れちゃうという繰り返しで、ほとんどエンドレスの会話を何度繰り返したことか・・・・・。

ウンチに至ってはオムツであることにまず抵抗、次にそのオムツをヘルパーさんに取り替えてもらうことにさらに抵抗。  挙句の果てに、「ウンチは我慢する」と言い張り、便秘になる始末・・・・・。

リハビリが始まり、ある程度歩けるようになると今度は室内に設置するポータブル・トイレに変更になったんだけど、それが部屋の中に置きっぱなしであることにまず抵抗し、次はその排泄物を水で流すことができずヘルパーさんに捨ててもらうことになることに抵抗し・・・・と排泄行動絡みのトラブルを数え上げたらきりがないぐらい・・・・・。  そしてこの「排泄トラブル」の度に興奮状態に陥り、その興奮状態と比例して認知症の症状が増々悪化するという負のスパイラルに突入していきました。

この排泄トラブルは母にとって精神的負担が余りにも大きかったとみえ、挙句の果てには「もう嫌だ、死にたい。」「殺して。」な~んていう言葉を何度も何度も繰り返すようになり、それを口にする度に肩を震わせながら涙を流している姿は見ていて本当に辛いものがありました。

  

と同時に、夜中に騒いだり、病院内を徘徊したりと数多くの問題行動も起こすようになり、挙句の果てに抑制されている紐を自力でほどき(ミトンまではめられていたのに、どうやって紐をほどくことができたのか不明 ^^;)、病院のベッドの柵を乗り越え、院内を徘徊した挙句、人様の病室のゴミ箱で排泄しちゃったりというとんでもないことまでしでかすようになってしまい、病院からは「早く引き取って欲しい」と要請されるに至ってしまいました。

KiKi が様子を垣間見ている限りにおいては母の問題行動の多くは「排泄絡み」であることは明らかだったので、自宅に連れ帰って普通の水洗トイレを使わせてあげればある程度は精神的にも落ち着くかもしれないと考え、父も又、一刻も早く自宅に連れ帰ってあげたいという希望が強かったので、かなりバタバタと退院させ自宅へ連れ帰ったのが1月29日でした。

実際問題、自宅に連れ帰って以降「排泄トラブル」は皆無で、その面では随分落ち着きを見せ、母の表情も明るくなったように思うのですが、入院中に培われた(?)徘徊癖は治まりを見せず、今度は自宅内を始終徘徊するようになりました。  自宅へ連れ帰るにあたって KiKi が一番心配していたのは「階段」で、両親はこれまで 2階 で生活していたのを今回の退院を機に1階で生活できるように、あれやこれやと準備したんですけど、骨折したことを忘れちゃっているのは相変わらずで、「階段の上り下りは禁止」といくら言い聞かせてもその時は「そうね、危ないわよね」な~んていう返事が返ってくるものの、10秒もすればそれを忘れちゃうんですよね~。

で、ふと気が付くと今では2階で暮らしている KiKi たちの部屋に日に何度も姿を見せ、その度に KiKi は肝を冷やしながら1階の新しい母の部屋に連れ帰る・・・・・な~んていうことを繰り返しています。  と、同時に母のように人工骨頭を入れた人は和式の生活(布団での寝起き、正座、女の子座り、お風呂でお尻をつく 等々)は一切禁止と病院から言われているんだけど、これも何度言い聞かせても忘れちゃう・・・・・・。

「メガネがない」 「バッグがない」 「お財布がない」 という紛失(実際には自分でどこかに仕舞い込む)事件は日に何度も繰り返す代わりに、妙なところだけはやたらしっかりしていて、「戸締り」「ガスの元栓」に関しては1日に50回ぐらいは人に確認させるし、家中のコンセントというコンセントは片っ端から抜いて歩きPCが知らないうちにバッテリー切れになっていたりTVが映らなくなったりといった事件は今となっては日常茶飯事です。

今は介護保険の最終認定結果を待っている状態なのですが、事前に地域包括センターで紹介されていたケアマネさんが役場で一次判定の結果を聞いてくれた情報によれば、「要介護4」とのこと。  はてさて、これから先、どんな介護生活が待ち受けていることやら、戦々恐々としている KiKi なのです。

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このページは、KiKi (Brunnhilde)が2013年2月 6日 20:49に書いたブログ記事です。

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