着替えのできない母

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最近では早朝から家の中を歩き回り、前日の夜に大騒ぎの末に味噌汁を KiKi に作らせ、納豆をお皿に盛っただけの状態で「朝食の準備ができました」とふれまわり、すぐに食堂に顔を出さないとアカラサマに不機嫌になって大騒ぎまでする母が、今朝は珍しいことになかなか起きてきませんでした。  「母が起きて来ない≒ まともな朝食の準備ができる」 という奇妙な法則が成り立つ昨今の我が家。  でも、こんな些細なことが大いなる喜びにさえ感じられ、ちょっぴりホクホク気分だった KiKi でした。  でも、「あじの干物」を焼いている真っ最中にこれ以上ないほど不機嫌な表情で食堂に姿を現した母を目にした瞬間、思わず手にした菜箸を取り落としそうになってしまいました。

まず頭はいつも以上にボサボサで、着ているシャツは昨日別の人(父)が着ていたもの。  おまけに下半身は半分以上ずりおちたズボンといういでたち。  その状態で何やら意味不明のことをブツブツとつぶやきながら、出現です。

「おはよう。  どうしたの?」

と声をかけると、どことなく苛立っているような声で

「足が痛いのよ。  どうしてこんなになっちゃうのかしら!!  まったく歳をとるっていや~よね。」

そりゃ、脚の骨を折って手術したんだから、痛むのは当たり前でしょ・・・・・ と言いたい気持ちをぐっと押さえ

「あら、今朝は足が痛いの?  でもまあ、怪我をしちゃったから仕方ないかもね。  歳をとったからじゃないわよ。  骨を折っちゃったこと覚えてる??」

「え?  私骨を折ったの?  何で??」

「転んじゃったらしいわよ。」

「転んだ??  どうして??」

「さあ、私はその場にいなかったからどうしてだかわからないけど。」

「どこで??」

「うちの台所・・・・・って聞いてるけど。」

「えぇ?!  うちの中??  何でかしら??」

「さあ、夜中だったらしいから、寝ぼけていたか暗くてよく見えなくて何かに躓いちゃったか、貧血でも起こしたか・・・・・。  あなたは覚えていないの?  (あなたが覚えていなかったら誰も「何でか?」は知らないんだけど・・・・・・。)」 

「覚えていないの・・・・・・。  いや~ね。」

「それはさておき、あなた、何着てるの??」

「え?  そこにあったのを着てるけど、何か変???」

「まあ、めちゃくちゃ変ってこともないけど、何となくそのシャツ、お父さんのだと思うんだけど・・・・・。」

「え?  これ、そうなの??」

「それにそのズボン。  もうちょっと上まで上げたら??  (と言いながらズボンに手をかけるとパジャマのズボンの上からズボンを履いていることが判明)」

「着替えた方がいいんじゃない??  ベッドの所に赤いシャツがあるから、それを着ましょうよ。  一人で着替えられる??」

「大丈夫です。」

「じゃ、私、今お魚を焼いている最中だから、一人で着替えてね。」



そしてその30分後、ようやく起き出してきた父が KiKi のところに来て


「私のシャツがないんだけど、知らないか??」

「え?  今朝、お母さんが着ていたから着替えさせたんだけど、あの黄色いポロシャツのことでしょ??」

「いや、下着のシャツ。  黄色いポロシャツはある。」


さては・・・・・・・・・・


「お母さん、ちょっといい??  ごめんね、ちょっと赤いシャツの下に何を着ているか見せてくれる??」  (・・・・・・・と覗く)


「お父さん、あったわよ。  あのね、お母さんが今着てる。  どうする??」

「そうか、じゃ、まあいい。  別のシャツを着るから。」


こうして一番外側だけは何とか体裁が整い、1日が終わろうとしていました。  そして恒例の入浴介助タイムがやってきました。  今、母は左足を自由に上げ下げすることができないため、入浴前には左足の脱衣に関しては KiKi の手助けが必要です。

      

「さあ、お母さん。  じゃお風呂に入りましょう。  でも、長いズボンは脱衣所では脱げないから、この台所の椅子に坐って脱いじゃいましょう。」


まあ、この後、別の意味で疲れる会話が毎日15分ぐらい費やされるのですが、それは又、別の機会に・・・・・・。


そしてようやくズボンを脱ぐという一大タスクを成し遂げ、KiKi が目にしたのは、朝一番で目にしたズボンの下のパジャマこそちゃんと脱いであったものの、代わりに(?)父のパッチを履き、更にその下には自分のパッチとパンティを履いていた母の姿でした ^^;


「あら、あなた、これ、お父さんのズボン下じゃない??」

「え?  これ、そうなの??  いや~ね、年寄りってやることがメチャクチャで・・・・・。  男も女もなくなっちゃうし・・・・・。  私ね、頭、パーチクリンでいつもボ~っとしていて何が何だかさっぱりわかんないのよ。」


こうしてふとしたタイミングで必ずといっていいほど、母の壊れ具合を目の当たりにする今日この頃なのです。


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このページは、KiKi (Brunnhilde)が2013年2月17日 21:36に書いたブログ記事です。

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