ベートーヴェン ピアノソナタ第4番 Op. 7

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昨年11月は個人的な用事で忙しくてブログをさぼり気味、その後12月の母の骨折騒動があり、そこから突入した介護生活ですっかり忘れていたのですが、実は KiKi は昨年の11月にクラシック音楽カテゴリーで新しい企画ものを始めていたんですよね。  でもバタバタしている中でそれはず~っと放置しっ放し(苦笑)。  それをひょんなことから思い出しちゃったので凡そ8か月ぶり・・・・・とはなってしまうのですが、その企画を貫徹するための音楽鑑賞を再開してみたいと思います。

企画名は「ベートーヴェン・ピアノソナタ特集企画」です。  手がけたものの作品2の3つのソナタでストップしたきりです。  もっともそれまでにいくつかの有名どころのソナタに関してはそれなりにエントリーを書いているので、基本的にはその穴埋め的な感じで聴いていくことになるわけですけどね。  ま、てなわけで本日の KiKi のBGMは第4番のピアノソナタです。

ベートーヴェン ピアノソナタ第4番 Op. 7
ASIN: B00000E4TV  演奏:C. アラウ (pf)

414CTMWHPFL__SL500_AA240_.jpgのサムネール画像  (Amazon)

若かりしベートーヴェンは彼の熱心な支援者の1人だったヴァルトシュタイン伯爵から「不断の勤勉によってハイドンの手からモーツァルトの精神を受け取りたまえ、」というエールを送られ、1792年に音楽の都、ウィーンに進出しました。  当時のベートーヴェンは作曲家としてではなく、ピアニストとして楽壇にデビュー。  その類まれな演奏能力により数多の貴族から寵愛を受け、演奏活動を続けながら対位法の大家アルプレヒツベルガーや、音楽の父・ハイドンといった錚々たるメンバーの元で作曲の勉強に打ち込みます。

そんな駆け出しの新進作曲家ベートーヴェンが残したピアノ・ソナタがこの第4番です。  ある時期からベートーヴェンのピアノ・ソナタは3楽章形式がスタンダードになっていくのですが、この頃の彼のピアノ・ソナタは4楽章形式です。  前作の作品2の3曲も4楽章形式で言ってみれば「ピアノ・ソナタとは4楽章形式であるべきもの」というある種の固定観念に縛られていた時期とも言えるし、同時に前作での成功を踏襲しつつ、新たな展開を模索しつつある時期とも言えます。


それが顕著に表れていると KiKi に感じられるのは第1番からこの第4番までのソナタを俯瞰してみると、小節数という観点からすれば、第1番から進むにつれて大きくなっていることが挙げられます。  でも、曲の構成という観点からすると、この曲の第1楽章は主題の提示部に比較して展開部がかなり小規模になっているということが特徴的だと思うんですよね。  恐らくベートーヴェンはまず形式からピアノ・ソナタの作曲に入ったけれどこのピアノという自身がもっとも得意とする楽器での表現規模の拡大化を試みて、あれやこれやと試行錯誤してみた・・・・・そんな感じじゃないかと思うんですよ。

と同時に、冒頭の音楽を聴くと、主題を繰り返している楽器の音はピアノ・・・・・というよりはどこか管弦楽を意識しているような気がします。  うまく言えないんだけど「ピアノによる管弦楽的表現」とでも呼ぶべきものを志向しているんじゃないか?  そんな感じがするんですよね~。  ハイドンやモーツァルトのピアノ・ソナタは楽器の制約という部分ももちろん大きかったけれど純粋に「ピアノ音楽はピアノ向きの音楽」だったのに対し、ベートーヴェンのピアノ・ソナタに至って「ピアノは1人オーケストラ」と呼ばれるにふさわしい音楽になっていった・・・・その端緒がここにある、そんな気がします。

特に第1楽章はどこかファンファーレを思わせ、低音の打鍵の力強さも印象的で、リズムに導かれた音楽っていう感じ。  右手がメロディで左手が伴奏というモノフォニックな音楽とも違うけれど、右手と左手がそれぞれ歌いながら多声が絡み合って統一感を保つというポリフォニックな音楽とも一線を画していて、ピアノという楽器に挑戦している、そんな感じがします。  もっともピアノという楽器が画期的に進歩して現代の楽器に近づくのはこれよりもっと時代が下ってから・・・・・ではあるんですけどね。 

第2楽章は第1楽章の激しさとは対照的に穏やかで落ち着いた複合三部形式の音楽です。  気品のある音楽です。

そしてメヌエットなのかスケルツォなのか、非常にビミョーな感じのする第3楽章。  第1楽章が管弦楽的だったとするならこちらは室内楽的な音楽です。  4声部がしっかりと響き合っている音楽という印象です。

そして終楽章はロンド・ソナタ形式。  第1楽章の激しさ、長大さと比較するといかにも「つけたし的」な短い楽章になっています。  冒頭主題は下降音形であの第1楽章の威圧感は何だったんだ?っていう感じだし、途中もどこか単純で穏やかといった雰囲気です。  右手と左手の対話とでも呼ぶべき音楽が流れ、徐々に波が引いていくように静まっていくアルペジオが印象的に幕を閉じます。  美しい音楽ではあるけれど第1楽章で「どうだ、見ろ!」とばかりに始まった音楽の終楽章とは思えないような「こじんまり感」を受けずにはいられません。

KiKi にはこの第4番までひたすらピアノ・ソナタという楽曲形式の拡大化、音の厚みの膨張化を目指してきたベートーヴェンがことここに至り「はて?  拡大すればいいってもんじゃないんじゃないか?」と踏みとどまった楽章という印象が強いんですよね。  実際、これに続く第5番のピアノ・ソナタではここまで踏襲してきた「4楽章形式」を捨て去ってもいますし・・・・・。  ま、恐らくベートーヴェン的にはある時期の1つの到達点とでも呼ぶべきエポック・メイキング的な音楽のような気がします。

う~ん、この曲はベートーヴェンのピアノ・ソナタ全曲制覇を目指すんだったらもちろん避けては通れない音楽だと思うけど、KiKi の余生の中で手掛けてみたい音楽にはあんまりなりそうにないなぁ・・・・。  ことこの曲に関してはたまに聴くだけでいいや。  そんな印象です。

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