水滸伝 10. 濁流の章  北方謙三

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北方水滸第10巻の2周目です。

水滸伝 10. 濁流の章
著:北方謙三  集英社文庫

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官はついに地方軍の切り札・代州の呼延灼将軍に出撃命令を下した。  呼延灼は、一度だけなら必ず勝てると童貫に宣言し、韓滔らとともに、戦の準備を着々と進めていく。  凌振の大砲をはじめとして、恐るべき秘策を呼延灼は仕込んでいた。  一方、梁山泊は晁蓋自らが本隊を指揮し、万全の布陣で戦に臨む。  精強な軍同士の衝突が、静かに始まろうとしていた。  北方水滸、血戦の第十巻。  (文庫本裏表紙より転載)

まずは恒例の各章のサブタイトルとその星が表す豪傑の名前の列挙からです。

地威の星: 百勝将 ・韓滔
地軸の星: 轟天雷・凌振
天祐の星: 金鎗手・徐寧
地英の星: 天目将・彭玘
地刑の星: 菜園子・張青

ここまで官軍相手の戦では大きな兵力差をものともせず、連戦連勝を続けてきた梁山泊。  いくら民間伝承をベースにした物語とは言え、さらには官軍が情けない状態であることに助けられていたとは言え、やはりここいらで官軍サイドにも発奮していただかないと、物語に深みっていうモンが出てきません。  青蓮寺という好敵手がいる・・・・・と言えども、あちらは言ってみれば諜報機関 & 特殊部隊。  やっぱり軍隊には頑張ってもらわないと納税者に叱られます。  それに仮に組織がメタメタであちこちに綻びがあるとしても、人が多いということは中には埋もれている人材が必ずいるものです。

で、颯爽と登場するのが梁山泊側からも既に触手が伸びている呼延灼将軍。  楊志が「楊家将」の楊業の末裔なら、呼延灼は同じ時期に「楊家将」に登場した呼延賛の末裔です。  


でね、この呼延灼が率いる軍のメンバーがなかなかいいんですよね~。  正規軍ではない民兵の中にいる「地威星: 百勝将 ・韓滔」が特にいい!!  語り口のせいもあるかもしれないけれど、懐の深さ、人生経験の豊富さ、バランスの良さみたいなものを感じます。  でね、この韓滔さんのみならず、呼延灼将軍のもう1人の外部助っ人、「地英星: 天目将・彭玘」さんのお二方に実にいい感じで事前に接点を持っているのが、行者・武松と黒旋風・李逵の凸凹コンビです。  さらにさらに、個人的にあんまりお友達にはなりたくないタイプの「地軸星: 轟天雷・凌振」もスペシャリストらしいスペシャリストでそこそこ気になる存在です。

ところで、この物語では鉄の玉を飛ばす大砲が出てくるんですけど、この当時、大砲は本当に実用化されていたんでしょうか??  轟天雷・凌振さんが大砲の名手であることは決して「北方オリジナル」な話ではないし、大砲に対するおおかたの軍人さんたちの反応(結構冷たい 苦笑)を見ると、あっても不思議じゃないし、もしもあったとしたらこんな扱いだったこともさもありなん  という感じだけど、他の好漢たちの武器との差がありすぎてちょっと不思議・・・・。  チョコボに乗って剣や槍で戦う人たちのところに何故か飛空艇があるのと同じくらいのギャップを感じてしまいます。

で、梁山泊初の大敗後にあれやこれやで結局呼延灼さんは梁山泊入りと相成りました。  この戦で亡くなってしまったのは以下の方々です。

地伏星: 金眼彪・施恩
地鎮星: 小遮攔・穆春
地走星: 飛天大聖・李袞

相変わらず晁蓋さんは未だ健在(但しこの巻でちょっとだけ危なかったけど)です。  さて、オーガナイザーが目を点けていた官軍側の目ぼしい人材3名のうち、これで2名が梁山泊側に同心しました。  残る1人が仲間になるのもそう遠くなさそうです。  そんな期待も抱きつつ第11巻に進みます。

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今晩は。北方水滸伝2周目とは凄いですね。私などは昨年9月から水滸伝を読み始めてやっと楊令伝の14巻の後半に入ったところです。岳家軍や張家軍と梁山泊軍が正面決戦に入るあたりですね。北方先生のファンに怒られるかもしれないのですが、楊令伝、童貫が打ち取られたあたりから少しテンションが落ちたような気がするのですよ。童貫は本当に偉大な武将でしたから。梁山泊の敵なのだけど本当に戦術・人格ともに超一流の武将。岳飛の師匠でもありますよね。水滸伝後半で梁山泊が童貫軍に陥落させられてから、楊令が童貫を倒すあたりまでは本当に読みごたえがあったのですが、童貫がいなくなってから何か寂しくなりましたね。部下には厳しかったけれど、自分に一番厳しい方でしたから。王進の凄いところは童貫と楊令2人の武術の師匠であるところですが、王進が単身自分に会いに来た童貫に「貴方は自分を苛めすぎるところがありました」というところがあったかと思います。宦官であるゆえのコンプレックスもあったのかもしれませんが…童貫を打ち取ってからの梁山泊は、税一割という夢のような国になりますが、楊令は「理想の国家とはどんな国家なのか。理想の社会とはどんな社会なのか」と思い悩むようになりますよね。それは楊令が少年時代からずっと考え続けてきたことなのでしょうし、楊令がリーダーとしてそういう問いを絶えず追い求めていくことは本人にとっても民にとっても有意義なことなのでしょうけれど、童貫戦を夢中になって読み耽っていた私などには少しこういう深刻なテーマの思索は読んでいてしんどいのですよね。宋江時代からの同志も呉用・史進・武松などは健在ですが、多くの人は死に絶えていますし…余程13巻を読了した時もう読むのをやめようかとも思ったのですが、楊令や岳飛や李富がどうなるのかが気になるので結局15巻まで読んで、続編の岳飛伝も読んでしまいそうです(笑)。

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