水滸伝 6. 風塵の章  北方謙三

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北方水滸第6巻の2周目です。

水滸伝 6. 風塵の章
著:北方謙三  集英社文庫

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楊志を失った梁山泊は、その後継者として官の将軍・秦明に目を付けた。  秦明を梁山泊に引き入れるため、魯達は秘策を考え出す。  また、蔡京は拡大する梁山泊に危機感を抱き、対策を強化するため青蓮寺に聞煥章を送り込む。  聞煥章は李富が恐怖を覚えるほどの才覚を持っていた。  聞煥章が最初に試みたのは、宋江の捕縛である。  強力な探索網が宋江を追い詰めていく。  北方水滸、緊迫の第六巻。  (文庫本裏表紙より転載)

まずは恒例の各章のサブタイトルとその星が表す豪傑の名前の列挙からです。

地闊の星: 摩雲金翅・欧鵬
地文の星: 聖手書生・蕭譲
地狗の星: 金毛犬・段景住
天猛の星: 霹靂火・秦明
地劣の星: 活閃婆・王定六

前巻で二竜山の頭領だった楊志を失った梁山泊。  とりあえずの頭領代行は林冲だったけれど、案の定、彼は騎馬隊あり、歩兵軍団あり、ついでに集団生活のマネージメントありという組織を動かすジェネラリスト・タイプではなく、結局その後継者を外部からのヘッドハンティングに頼らざるを得ませんでした。  こうしてよく言えば「オーガナイザー」、悪く言えば「人たらし」の名人魯達によるリクルート活動が始まります。  こういうあたり、現代のビジネス社会と同じです。  もちろん人にもよるけれど、往々にして超有能なスペシャリストが必ずしもマネージメントには向かないのとまったく同じ構図です。

北方水滸での秦明のヘッドハンティングの秘策というヤツ。  必ずしもフェアとは言い切れない部分はあるものの、原典でのヘッドハンティングのやり方に比べれば遥かにまともで、彼が官軍を抜けて梁山泊に与するに至るシナリオの説得力は上と KiKi は見ました。  まぁ、これも現代的価値観によれば・・・・・ということではあるんですけどね(苦笑)

さて、宋江さんと愉快な仲間たちの全国行脚の旅は続いています。  前巻で長江の中洲に築かれた砦に立て篭って、官軍二万に包囲されるな~んていう経験をした割にはあまりに呑気な宋江さん。  もちろん集団のリーダーたるもの、小さなことに一喜一憂しているようでは務まらないし、配下の人間が釈迦力になっている時ほど上に立つ者はどこか余裕を見せないと組織というものは上手く回らないというのは KiKi 自身もマネージメント経験の中で身に沁みて感じてきたことではあるものの、宋江さんの場合は、ちょっと度が過ぎるような気がしないでもありません。  本人も仰っているように「鈍い」としか思えません ^^;

もちろん宋江さんただ一人を捕まえる(もしくは消す)ために何万もの大軍を派遣すること自体「はぁ??」と言いたくなっちゃうようなことであるっていうのもわからないじゃないけれど、少なくともあの長江中洲の砦から無事脱出できた際に、もうちょっと現状認識をするべきだと思うし、もっと危機感を持ってもいいんじゃないかしら?  二万もの大軍を派遣する官軍も官軍だけど、宋江さんを助けるために未だ発展途上の梁山泊だって、持てる限りの・出せる限りの勢力を出さなくちゃいけなかったという事実に関して、ちょっと無頓着過ぎると感じるのは KiKi だけかしら?

もっともその呑気な全国行脚続行のおかげで、従者は武松1人だけという体制だったのが、ふと気が付けば「宋江さんと愉快な4人の仲間たち」となっているわけで、そういう意味での成果はあったんですけどね。  更に言えば宋江さん自身が「自分を取り巻いていた狭い地域から発する考え方」をさらに広げるという意味で役立っていると言えばそれはそうなんですけどね。  更に、更に梁山泊軍に目を転じてみれば、調練だけでは習得できない実戦による勘みたいなものも鍛え上げられつつあるというのもわからないじゃない。  それでもねぇ・・・・・・。  この宋江さんの「今の自分が置かれている立場」に対する鈍感さが何等かの悲劇を生みそうな気配がプンプンしています。  

そして梁山泊に相対する青蓮寺側も体制強化が図られました。  新たに宰相によって青蓮寺に送り込まれてきた頭脳派の人材が聞煥章。  ちょっと色恋に溺れ気味の李富の刺激にもなり、同時にどこか硬直しかかっていた青蓮寺という集団に新風を巻き起こす男という役どころで、それまでどちらかというと個人技の世界で裏から体制を支えていた青蓮寺にも組織で動く文化を導入し、同時に官軍再編のアクション・プランを企画し確実に実行できる遂行力も示す人物です。  KiKi は個人的にこの聞煥章みたいな男、好きなんですよね~。  世が世なら一緒にお仕事をしてみたいタイプです(笑)。

さて、呑気な宋江さんの全国行脚の旅が結果としてどんなことを梁山泊にもたらすのか、その顛末にドキドキしながら第7巻に進みます。

  

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このページは、KiKi (Brunnhilde)が2013年8月 1日 12:18に書いたブログ記事です。

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