ベートーヴェン ピアノソナタ第7番 Op. 10-3

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ピアノ・レッスン再開と新しい挑戦「囲碁講座入門編」、そしてじぃじとばぁばの冬のプレゼント作りのためのパッチワーク。  家事の合間に(逆かもしれないけれど ^^;)これらをこなそうとすると必然的に読書タイムが削られます。  というわけで、ちょっとペースダウンし始めた「北方水滸の読書」。  結果的に寝る前にお布団の中で・・・・・という読書スタイルに落ち着きつつある今日この頃なんですけど、昼間の猛暑で疲れ切った身体で横になって本を読むと、どうしても睡眠導入剤代わりになっちゃうんですよね~、これが ^^;  ま、てなわけで、今日も昨日から引き続き「ベートーヴェン・ピアノソナタ特集企画」を先へ進めたいと思います。

ベートーヴェン ピアノソナタ第7番 Op. 10-3
ASIN: B00000E4TV  演奏:C. アラウ (pf)

414CTMWHPFL__SL500_AA240_.jpgのサムネール画像  (Amazon)

大作志向に第5番と第6番のソナタで別れを告げたかと思われたのに、この第7番は再び4楽章形式で大作志向に回帰したかのような印象があります。  あれこれ試してみたけど、やっぱり4楽章形式かなぁ・・・・というような(笑)  もっともこの後に続く8番から10番までの3曲は再び3楽章形式に戻るので、この頃のベートーヴェンは形式と内容の両面からあれこれと試行錯誤を繰り返していたのかもしれませんが・・・・・・。

この第7番のソナタの一番の特色は第2楽章じゃないかと思うんですよね。   「レント・エ・メスト」と記されたこの楽章は、ベートーヴェン自身が「心の憂鬱を表し、そのあらゆる陰影や相を描く」と言ったといわれていて、「メスト(悲しみ)」と敢えて書いていることからもわかるように、ベートーヴェンの初期作品の中では際だって深刻さを表に出している作品だと思います。  モノの本によれば「後期の曲の深遠さに匹敵する」な~んていう風に書かれることもあるみたいだけど、KiKi の印象としてはそこまではまだ到達していなくて、せいぜいが「青臭いニヒリズム」っていう感じでしょうか?(笑)

第1楽章 Presto

ちょっと意表をつくのは第1楽章からいきなり「プレスト」という速度表示になっていること。  ベートーヴェンの数あるピアノソナタの中でこんな風にしょっぱなからプレストというのはちょっと思い返してみても「第25番 Op. 79」ぐらいしか思い当たりません。  ユニゾンで一気に駆け上がる第1主題、颯爽とした第2主題は、開放的で颯爽としています。  躍動感と力強さに溢れた音楽で、両手が鍵盤の上を縦横無尽に上行・下行し、「無窮動」という雰囲気もあります。  そんな中で示されるロ短調の推移部の旋律はとても印象的ですが、やはりこの楽章ではそれも束の間で、プレストというテンポの中、「前へ、前へ。  先へ、先へ。」という推進力に呑み込まれてしまったかのようです。

第2楽章 Lento e mesto

第1楽章の躍動感と開放感がすっかり打ち消されて、いきなり深い悲痛感に苛まれている・・・・・そんな雰囲気です。  でもね、雰囲気のことはちょっとあっちへ置いておいてこの曲をよくよく観察してみると緩徐楽章で、ここまで感情的な音楽なのに、ソナタ形式(提示部 - 展開部 - 再現部)をきっちりととっているんですよね。  直接的な悲しみと緊張感を保ちながらも形式を崩さない。  これって凄いことだと思うんですよ。  因みに冒頭で KiKi は「青臭いニヒリズム」と書いたけど、これ、決してバカにしている表現ではありません。  晩年の枯淡な心境に至る前、もっと感覚的に、半ば自分の精神状態に少し酔いながら吐露する深刻な悲しみ・・・・  そんな雰囲気があると思うんですよね。  後期ソナタを練習する前にここを勉強してみるのもいいかも・・・・と感じさせる、そんな音楽です。

第3楽章 Menuetto,Allegro

重々しかった第2楽章に続く音楽は、ある意味「必然」とも言えるように本来明るいはずの「メヌエット」です。  でも、このメヌエット。  屈託のない明るさというようなものは皆無で、KiKi には脱力感と透明感のある哀しさを伴ったような音楽に聴こえます。  トリオ部分がメヌエット部分よりも溌剌としていて明るい感じ。  何とも小憎らしい構成の音楽だと思います。

第4楽章 Rondo, Allegro

終楽章のロンドというと、軽快で軽やかで、常に動いている舞曲風の曲というイメージがあるんだけど、この曲では主題もどことなくとぎれとぎれ、流れるような展開になるのかなと思っていると、なんか、つまづいたりと、なかなか予測を許さない意味深な音楽です。  「ベートーヴェン ピアノ・ソナタ 演奏法と解釈」という本を書いたパウル・バドゥーラ=スコダさんに言わせると「解放的というよりも、諦観的な印象の音楽」ということですが、KiKi には諦観的とはあまり感じられませんでした。  それよりはどちらかと言うと第2楽章で思わず「悲しみ」を熱く語り過ぎちゃった自分にちょっと戸惑っていて、「なんちゃって~」とおどけようとして、「でも、そう思わない?」と相手に問いかけるも答えは聞きたくないような気分に襲われ、その白々しさに自分で気が付いちゃって、とっ散らかっている・・・・・そんな印象なんですよね(苦笑)  エンディングなんて「ばつが悪いっていうのはこういうこと?」っていう感じだし。


さて、第8番のソナタは既に一度エントリーを書いているので、次回は第9番のソナタです。  ベートーヴェンのピアノソナタはおおまかに初期(第1番~第12番)、中期(第13番~第27番)、後期(第28番~第32番)と分けられることが多いのですが、初期の頂点とされているのがこの第7番と続く第8番の「悲愴」と呼ばれるソナタで、実は KiKi 自身、第9番~第12番のソナタにはあんまり興味がありません ^^;  ちゃんとエントリーが書けるんだろうか??  う~ん、我ながらちょっと心配だぁ・・・・。

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このページは、KiKi (Brunnhilde)が2013年8月10日 09:38に書いたブログ記事です。

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