水滸伝 18. 乾坤の章  北方謙三

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北方水滸第18巻の2周目です。

水滸伝 18. 乾坤の章
著:北方謙三  集英社文庫

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童貫軍の猛攻撃が始まった。  呼延灼は秘策をもってそれを迎え撃つ。  梁山湖では李俊ひきいる水軍が、巨大な海鰍船と対峙していた。  梁山泊に上陸される危険を背負いながら、幾百の船群に挑む。  一方、二竜山も陥落の危機を迎えていた。  趙安の進攻を一年以上耐え抜いた秦明は、総攻撃を決意する。  楊春、解宝が出撃、そして、青面獣の名を継ぐ楊令が初めて騎馬隊の指揮を取る。  北方水滸、死戦の十八巻。  (文庫本裏表紙より転載)

まずは恒例の各章のサブタイトルとその星が表す豪傑の名前の列挙からです。

天敗の星: 活閻羅・阮小七
地獣の星: 紫髯伯・皇甫端
地速の星: 中箭虎・丁得孫
天哭の星: 双尾蠍・解宝
地奴の星: 催命判官・李立
地平の星: 鉄臂膊・蔡福
地角の星: 独角龍・鄒潤

童貫さん、相変わらずありえないほど強いです。  でももっとビックリなのは楊令君です。  この段階でいくつなのかよくわからないのですが、王進スクールを卒業しいきなり梁山泊の新兵養成所に姿を現したと思ったら、入門試験で試験官をなぎ倒し、挙句あっという間に上級将校扱いです。  そして戦に参加したらいきなり相手の大将を討ち取ってしまうという活躍ぶりです。  もちろんこの手柄は手柄であるのと同時に規律を重んじる軍隊では許されることではない越権行為だったんですけど、その罰を受けるといきなり今度は正規の指揮官に、そしてふと気が付けば梁山泊本体の騎馬隊を任されちゃっています。

おまけに梁山泊入りして早々に林冲と手合せ、騎馬での駆け比べをしちゃってあの林冲をして「老い」を感じさせ焦らせちゃうというこれまたありえない成熟ぶりを示してくれちゃいます。  ますますもって世代交代を意識させられるストーリー展開にちょっと苦笑い・・・・・。  ところが苦笑いしている暇にふと気が付けば二竜山がいよいよもって危なくなっていて、楊令の養父といってもいいような梁山泊第7位、霹靂火・秦明が命を落とします。

  

で、そのまま楊令君は童貫元帥との戦になだれ込んでいくのかと思いきや、それこそ「楊令伝」の布石とばかりに北方へお出かけです。  そしてあの「楊家将」で楊業さんが戦った遼国内で決起したばかりの女真族の完顔阿骨打と意気投合。  幸いなことに童貫さんとの最終決戦が行われていない時期だからよかったようなものの、「梁山泊の戦はどうした??」という感じもなきにしもあらず・・・・です。  もちろん観光旅行に行ったわけじゃないけれどそれでもねぇ・・・・・。  

梁山泊軍の糧道である「塩の道」に関係している大事なお勤めだとか、北の国境付近に緊張状態を生み出し大国宋の目を梁山泊に集中させないとかいう周辺状況も描かれているし、そこ(遼国)に張り付けられている蔡福・蔡慶兄弟のお話を語る必要があるというのもわからないじゃないけれど、どこか間延び感を抱かずにはいられません。

で、ふと気が付けば楊令君は遼国出張から無事帰還され、何もなかったかのように童貫戦に突入していきます。  その戦の緒戦で窮地に陥った扈三娘を救うためにあの林冲が死亡。  林冲を失ってもほぼ丸々残された林冲騎馬隊を多くの上級将校が「あんなものは俺には扱えん。」というなか引き継ぐのもこれまた楊令。  ここまでいくといくらなんでもちょっとできすぎの感が拭えません。  しかも「いくらなんでも、まだ若すぎる」と危惧する呉用(& KiKi )に双鞭・呼延灼の言い放つ一言が

「戦には、経験も必要だが、もっと必要なものがある。  それが何かは口では言えん。」

とのこと。  感覚的にはわからないじゃないけれど、その一言でお終いですか、北方さん?という感じです。  う~ん、何とはなしにここへきてお話の進め方がちょっと乱暴になってきているような気がしないでもありません。

実は初読の際にはその林冲の散り方とか彼を失った公孫勝の悲しみ方なんかに気を取られて、このストーリー・テリングの強引さはさほど気にならなかった KiKi ですが、今回は2周目の読書ということもあって、何となく批判的な読み方になってしまいました。  もちろん童貫さんが出てきた辺りから「あとは滅びるだけ」が運命づけられている梁山泊なので、秦明さんや林冲さんが亡くなるのは仕方ない流れであるとはいえ、どこか雑さ加減が散見されるような気がするんですよね~。

「楊令伝」も既に読んじゃっているせいもあるかもしれないけれど、どこかに「童貫軍 vs. 梁山泊の決着は次の『楊令伝』でね~。」って言っている匂いみたいなものを感じちゃうんですよね~。  ま、何はともあれ残されたのはあの1冊。  とにかく最終章の第19巻へ進みます。  

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このページは、KiKi (Brunnhilde)が2013年9月 6日 14:05に書いたブログ記事です。

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