水滸伝 19. 旌旗の章  北方謙三

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北方水滸第19巻(最終巻)の2周目です。

水滸伝 19. 旌旗の章
著:北方謙三  集英社文庫

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最終決戦の秋が訪れる。  童貫はその存在の全てを懸けて総攻撃を仕掛けてきた。  梁山泊は宋江自らが出陣して迎え撃つ。  一方、流花寨にも趙安が進攻し、花栄が死力を尽くし防戦していた。  壮絶な闘いによって同志が次々と戦死していく中、遂に童貫の首を取る好機が訪れる。  史進と楊令は、童貫に向かって流星の如く駈けた。  この国に光は射すのか。  漢たちの志は民を救えるのか。  北方水滸、永遠の最終巻。  (文庫本裏表紙より転載)

まずは恒例の各章のサブタイトルとその星が表す豪傑の名前の列挙からです。

地満の星: 玉旛竿・孟康
天威の星: 双鞭・呼延灼
地醜の星: 石将軍・石勇
地明の星: 鉄笛仙・馬麟
天捷の星: 没羽箭・張清
天魁の星: 呼保義・宋江

この巻単体で物語の評価をするなら正直なところ KiKi にとってはさほど面白い本ではありませんでした。  過去にも似たような記述を読んだような気がする戦闘シーンが全体に占める割合が多く、さもなければ続編に続く布石の物語のオン・パレードという印象なんですよね。  滅びの物語だから仕方ないとは言え最後の3巻ぐらいは好漢たちの死にざまの描写もどこか淡々としているし(まあ数が多いうえに戦場のお話だから仕方ないとも言えるけど ^^;)、周辺情報の描き方も物語の最初の頃に比べるとやっぱり雑さ加減が散見されます。

よくよく思い出してみるとこの印象は2周目だから・・・・・というよりは初読の時にも感じていたような気がするんですよ。  ただ初読の時はこの世界全体の結末がどうなるのか早く知りたくて、どうせ革命第一世代の物語は残念な結果に終わってしまうことは見え透いていたので最後の方は KiKi 自身が半ば飛ばし読みしていたような気がするんです。  つまり北方さんもそうだったのかもしれないけれど読者である KiKi 自身の気持ちの方もとっくに「楊令伝」に飛んでいた・・・・・そんな気がするんですよね。  

でもね、今回は2周目の読書なわけです。  そういう意味ではこの「水滸伝」の世界、革命第一世代の物語をもっともっと堪能したいと思って2周目に手を出したはずなのに、途中から「楊令伝」への布石のお話(しかもそれが結構唐突だったりする)がボロボロと出てくると、何て言うかちょっと冷めちゃうんですよ。  特にこの最後の最後に至っていきなり子持ちであることが判明する花栄とか 呼延灼の話なんかは、「はぁ??」っていう感じ・・・・

楊令君の描き方に関しては前巻の Review でも触れたけど、それでも彼の場合は楊志に拾われ、楊志の死にざまを目撃し、二竜山で育ち、その後子午山で修行し、魯達から遺言を受けと絵に描いたような「革命第二世代」としての育てられ方をストーリー上もされているからまあよしとして、父親とずっと離れて梁山泊とはある意味隔絶された環境で育った花栄や呼延灼の息子たちのお話は、どこかいただけない・・・・・。  もっとも初読の際にはそれが花栄という人、呼延灼という人の人となりを表すエピソードかもしれないと割とスンナリと読んじゃった(そしてそんなことを唐突に語られたことを忘れちゃっていた)ことは白状しておきますけどね(苦笑)

でもね、結局そのお話に深みはほとんどなかったし、「楊令伝」を一読した今となって感じるのは「なんだ、これも布石かよ。」っていう感じ?(苦笑)  それに同時に別の疑問が KiKi の心に沸きあがってきちゃったんですよ。  つまりね、「彼ら子供世代が本当に幼い頃はともかくとして、どうしてある程度の年齢に成長した時、彼ら父子はそれでもず~っと別居状態を続けなくちゃいけなかったんだろう??」っていうこと。

ま、それはさておき、案の定というか何と言うか「童貫軍 vs. 梁山泊の決着は次の『楊令伝』でね~。」という終わり方をしてしまった北方水滸。  ありえないほど強くなっちゃった2人の英傑の物語は「楊令伝」に引き継がれちゃったし、さらに言えば本家本元の「水滸伝」(100回本や120回本)では語られる方臘征伐のお話も「楊令伝」に引き継がれてとうとう宋江さんまで死亡。  こうして魯達のみならず宋江さんからも遺言を受け取ってしまった重荷背負いまくりの楊令君なのでした。

はぁ、それにしても長かった。  この「北方水滸」(&「楊令伝」や「楊家将」や「血涙」)に最初に手を出したのが今年の2月。  「水滸」だけは2周目も含めてだけどほぼ7か月を北方節とお付き合いしてきたことになります。  超娯楽歴史もの大作としてかなり楽しめたのは事実だけど、今はちょっと No More Kitakata-Bushi っていう感じです。  このブログではそのうち「楊令伝」の Review も書いておきたいとは思っているけど、とりあえず暫くは北方節からは離れてみたいと思います。  恐らく次の Book Review は初心に戻って(それに宮崎駿さんもアニメ映画から引退するらしいし)「岩波少年文庫」にいくことになるだろうと思います。

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このページは、KiKi (Brunnhilde)が2013年9月 7日 11:49に書いたブログ記事です。

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