土曜日はお楽しみ E.エンライト

| コメント(0) | トラックバック(0)

「指ぬきの夏」が結構気に入ったので、岩波少年文庫に収録されている同じエンライトの作品、「土曜日はお楽しみ」を引き続き読んでみました。

土曜日はお楽しみ
著:E.エンライト 訳:谷口由美子  岩波少年文庫

51HpRXuthuL._SL500_AA300_.jpg  (Amazon)

土曜日は、何かが起こる!  4人きょうだいの結成したぼうけんクラブは、夢いっぱい、ゆかいな事件もいっぱい。  おさげを切って大変身したり、サーカスへでかけて迷子になったり、子どもたちがニューヨークの街をかけまわります。  (文庫本裏表紙より転載)

これも楽しい物語でした。  正直、できれば子供時代にこの物語を読みたかったなぁ。  子どもらしい発想がそこかしこに溢れていて、今となっては子供時代が遠い思い出となりつつある KiKi には甘酸っぱいやら、羨ましいやらで、何だかとてもまぶしいものを覗き見しちゃった・・・・・そんな気分にさせられる物語でした。

物語の主人公はメレンディ家の4人兄妹です。  上から♀、♂、♀、♂と実に見事に半々に分かれていて、それぞれの性格が又いいからとにかくバランスがいいんですよ。  いちばん上のモナはまだ大人にはなりきれない、でも長女ということもあってやっぱりどこか落ち着きを感じさせる夢見がちな女の子。  2番目のラッシュは、そんなお姉ちゃんをからかったり冷やかしたりするヤンチャなところもあるけれど、実は優しい男の子。  3番目のランディはなかなかのアイディアマン(ウーマン?)で、活気にあふれる女の子。  末っ子のオリバーはまだ6歳なんだけど、みんなに邪魔者扱いされちゃうような甘ったれでもキカン児でもない。  そしてこの兄妹、実に仲がいいんですよね~。  一人っ子だった KiKi はそれだけでも垂涎モノです。

彼らにはお母さんはいないんだけど、その代わりに家のことはすべて取り仕切ってくれている優しくも口うるさいばあやのカフィがいます。  そしてお父さんは懐が深くて子供たちに常に暖かい眼差しを注いでくれています。  そんな彼らの遊び場は「オフィス」と呼ばれている大部屋で、壊れかけたような家具ばかりが置かれている部屋なんだけど必要以上に大人たちが干渉してくるわけではないいわば自治区みたいな所。  何だか KiKi が子供時代に欲しかったもの全てを持っているような兄妹なんです。


でね、ある大雨の土曜日に次女のランディが素晴らしいアイデアを思いつきます。  それは一人一人がもらうお小遣いでは大したことができないけれど、兄妹全員のお小遣いを集めてかわりばんこにそれを使うようにすれば、ちょっとしたことができるようになるんじゃないか?という提案でした。  ランディはその「ISAAC(アイザック)基金」(「(I)いちどにひとり(S)すてきな土曜日(A)ああ、楽しい午後の(A)アドベンチャー(C)クラブ」)でメトロポリタン美術館で絵画鑑賞、ラッシュはメトロポリタン歌劇場でオペラ鑑賞、モナは初めてのパーマに挑戦、末っ子のオリバーはマディソン・スクエア・ガーデンでサーカス見物と KiKi が社会人になって初めて経験できたことをやってのけるんですよ。

KiKi にとってとにかく羨ましかったのはラッシュが観たオペラが「メットのリングのジークフリート」だったこと。  ワーグナーだよ、メットだよ!!  12歳であの舞台を観に行くことができたなんて、なんて生意気なガキなんでしょ!!(笑)  KiKi なんてメットで本物は観たことなくて、大人になってから乏しい稼ぎの中からそれこそ清水の舞台から飛び降りるほどの覚悟をしてLDを購入してやっと観ることができた舞台なのにぃぃぃ!!!  それにしてもラッシュは趣味がいいなぁ。  2回目の土曜日のお楽しみはルドルフ・ゼルキンのピアノ・コンサートですもんね。  もう KiKi が大人になってからであってもやりたかったことを2つもやってくれちゃっています。

ま、それはさておき、色々なことを堪能する子供たちの反応がこれまたすれていなくていいんですよ。  末っ子のオリバーがサーカス帰りに迷子になっちゃったのを機に、兄妹が毎週土曜日には全員で遊べるようなプランを考えるようになるっていうのも何だかとっても素敵です。

最後の方では立て続けに事件が発生するんだけど、それぞれの事件は実に子供らしいおっちこちょいが原因なんだけど、その原因を作ったことをものすご~く素直に反省する子供たちも素晴らしければ、その失敗をちゃんと説き聞かせ、子供たちの心に反省のみならず安心感を与える大人たちの対応がこれまた素敵なんですよね~。

そして最後の最後にランディが美術館でお友達になった老齢のオリファント夫人所有の海辺の別荘(灯台付き!)で子供たちが過ごすシーンはその自然描写・風景描写が美しくて思わずため息1つ。  こんな素敵な休暇を過ごすことができる子どもたちが羨ましくもあり、微笑ましくもあり・・・・・・。

文庫本の訳者のあとがきによれば実はこの物語、4冊のシリーズものの第1巻なんだそうです。  で、どうやら残りの3巻は邦訳されていないみたい・・・・・。  実に残念です。  どうせなら他のシリーズものと同じように谷口さんの訳で4冊セットで出してくれないかなぁ>岩波書店さん。  

トラックバック(0)

トラックバックURL: http://poco-a-poco.chu.jp/mt/mt-tb.cgi/1503

コメントする

2015年2月

1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28

Current Moon

CURRENT MOON

東京のお天気


山小舎のお天気


Booklog



ブクログ

アーカイブ

ウェブページ

Powered by Movable Type 4.261

TrackbackPeople

クラシック・ピープルの Trackback People Site


チェロ ラヴァーズの Trackback People Site


Piano~ぴあの Trackback People Site


ピアノオススメ教本の Trackback People Site


ピアノ教室の Trackback People Site


Book Love Peopleの Trackback People Site


本好きPeople・ぴーぷるの Trackback People Site


今日読んだ本の Trackback People Site


ファンタジーが好き♪の Trackback People Site


この絵本がすごい!の Tackback People Site


児童書大好き♪の Trackback People Site


ハヤカワepi文庫の Trackback People Site


岩波少年文庫応援団の Trackback People Site


薪ストーブの Trackback People Site


週末は田舎暮らしの Trackback People Site


野菜育てPeopleの Trackback People Site


ガーデニングの Trackback People Site


パッチワークキルトの Trackback People Site


あなたの訪問は?


日めくりカレンダー


Real Time News


カテゴリ

ノルンはいくつ?

本が好き!


読書メーター

KiKiさんの読書メーター
KiKiさんの読書メーター

最近読んだ本

KiKiの最近読んだ本

今読んでいる本

KiKiの今読んでる本

読了目標





今やってるゲーム

KiKiの今やってるゲーム

このブログ記事について

このページは、KiKi (Brunnhilde)が2013年9月 9日 23:40に書いたブログ記事です。

ひとつ前のブログ記事は「やっぱり第2週から キルティング開始」です。

次のブログ記事は「くろて団は名探偵 H.J.プレス」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。

高速運賃





Edita

ブロガー(ブログ)交流空間 エディタコミュニティ

名言黒板


作家別タグ