長い長いお医者さんの話 K.チャペック

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昨日のエントリーでもお話したように、今日から暫くの間の「岩波少年文庫 全冊読破企画」の書籍選択はかつてこのエントリーでお話した「宮崎駿選 岩波少年文庫の50冊」に則って進めていきたいと思います。  ま、てなわけでその記念すべき再開第1作はこちらの作品となりました。

長い長いお医者さんの話
著:K.チャペック 訳:中野好夫  岩波少年文庫

51T504J7TZL._SL500_AA300_.jpg  (Amazon)

チェコの文豪カレル・チャペックの楽しい童話集。  親切な町のお医者さんたちや、働き者の郵便屋さんなどが活躍する、しゃれたおとぎ話を9編。  兄ヨセフのゆかいな挿し絵とともに、多くの人たちに愛されてきた現代の古典。  (文庫本裏表紙より転載)

この本はね、子供時代に学校の図書館で何度も借り出したお気に入りの童話集だったんですよ。  でもその後、この物語のことはすっかり忘れてしまって、さらに言えば子供時代には作者が誰かな~んていうことはあんまり気にしていなかったので誰の作品なのか知らないまま KiKi は大人になっちゃったんです。  で、大人になったら同じチャペックの「園芸家12ヵ月」(↓)に出会ってクスクス笑いをさせてもらって、ふと気が付けば「この2つ、同じ作家の作品じゃあ~りませんか!」となってそれからますます愛着がわくようになったという物語集です。

2013_Sep13_002.JPG  (Amazon)

チェコの生んだ最も著名な作家カレル・チャペックは、こよなく園芸を愛した。  彼は、人びとの心まで耕して、緑の木々を茂らせ、花々を咲かせる。  その絶妙のユーモアは、園芸に興味のない人を園芸マニアにおちいらせ、園芸マニアをますます重症にしてしまう。  無類に愉快な本。  (文庫本裏表紙より転載)

この「園芸家12ヵ月」の Amazon Link の文庫本の表紙は KiKi がご紹介している写真のものとは別(Amazonの方が新しい)なんだけど、KiKi がご紹介しているこっち(↑)のこの絵が本日読了した「長い長いお医者さんの話」でも挿絵を担当しているお兄さんの絵で、実にほのぼのとした味わいのある絵なんですよね~、これが。  お話もどこかとぼけたところのある語り口(それはどちらの本にも共通している)なだけに、この挿絵との相乗効果には絶大なものがあると信じて疑わない KiKi です。

さて、我が家には実はこの「長い長いお医者さんの話」は2冊あったりします。  1冊は冒頭でご紹介した現在も販売されているこのヴァージョン。  そしてもう1冊は「岩波少年文庫 愛蔵版 全30巻」の中の1巻でこちらは装丁が実に美しいんですよ。  しかもハードカバー。  実はこれ、KiKi の宝物です。

2013_Sep13_001.JPG

こういう装丁の本、KiKi の子供時代には多かったんですよね~。  日本の製本技術は優れているから現在のソフトカバー本であっても、アメリカなんかのペーパーバックと比較すればはるかにしっかりできていて、その割にはお値段も安くて文句のつけようもないとは日々感じていることだけど、それでもこういう厚紙仕様で風格のある本っていうのは本を読む前の心構えみたいなものを読む側に要求する独特のオーラを放っています。  で、せっかくだから今回はこちらの愛蔵版で・・・・と最初は思ったんですよ。  でも結局読了したのは冒頭でご紹介した現在市販されているソフトカバー本の方にしました。  その理由はね、実は現在市販されているソフトカバー本の方が収録作品数が多かったんです。


長い長いお医者さんの話
郵便屋さんの話
カッパの話
小鳥と天使のたまごの話
長い長いおまわりさんの話
犬と妖精の話
宿なしルンペンくんの話
山賊の話
王女さまと小ネコの話

これ(↑)が現在市販されているこの本の収録作品一覧なんだけど、な、な、なんと愛蔵版の方には最後の2つのお話が収録されていません。  せっかくの「全冊読破企画」で読み落としがあるようじゃ勿体ない・・・・ということで、結果的にソフトカバー本を手に取るに至ったのでした。

とまあここまで本の内容以外のことでずいぶん字数を使ってしまいました。  この本の中の物語の感想についてお話しなくちゃね♪  これらのお話はどれもこれもおとぎ話風のホンワカムードのお話ばかり(これには挿絵の影響もかなりあります)なんだけど、話の進め方に至っては結構奔放であっちへ飛んだりこっちへ飛んだりするんですよね~。  でもそれが不思議と不快じゃなくて何だかチャペックモードに乗せられているうちにスイスイと読み進めちゃうんですよ。

で、もともと語られたお話に忘れた頃に戻ってきたりもして、挙句そこでちょっと意表をつかれるようなこともあって、どこか人を食っていると言うか手玉にとって遊んでいるというかそんなところもある物語集だと感じます。  でも、読んでいる間不思議と幸せな気分に浸っていられるのですから、やっぱりこれは天才の手による作品なんだろうなぁ・・・・・。

どのお話も結構 KiKi 好みだったんだけど、今回の読書で一際 KiKi の興味を引いたのは第3作「カッパの話」です。  カッパって、これは KiKi の思い込みだけなのかもしれないけれど日本固有の妖怪かと思っていたら、Far East の島国日本から遠く離れたチェコにもいたんだ!とかなりビックリ!!!  しかもその挿絵を見るとこれがまさに私たち日本人にお馴染みのカッパそっくり。  でも、この挿絵は間違いなくK.チャペックのお兄さんヨゼフ・チャペックが描いたものなわけだからやっぱりチェコにもカッパはいた(と信じられていた)と思うしかありません。

しかもお国は違えどもやっぱりカッパは水と縁が深い生き物だったようで、この物語の中でもチェコの川にお住まいなんだそうな・・・・・。  しかも本文の中ではっきりこう性格づけられています。

カッパというものは、なにか水に縁のある仕事でないとやれないのです。

どうです??  これじゃまったく日本の河童と一緒でしょ?  う~ん、これはカッパについてもう一度学び直してみる必要があるかもしれません。  少なくともこの「カッパの話」を読む限りでは、チェコのカッパがキュウリ好きなのかどうかまではよくわからなかったんですけどね。  これは岩手県は遠野市に出かけて行って「カッパおじさん」のご意見を聞いてみる必要があるかもしれません ^^;  そして可能であればチェコまで出かけて行って彼の地に伝わるカッパ伝承を調べてみる必要も・・・・・。  ま、そんな妄想までフツフツと湧き出してくる楽しい読書だったのです。


因みに、例の宮崎駿さんの豆本での推薦文は以下の通りです。

この本を書いた人は、「ロボット」という言葉を発明した人です。  とはいっても、この本はロボットの話ではありませんが・・・・・。  この人は、精神のかがやきのようなものを持っていると感じます。  とても善良で、かしこくて、硬くてキラキラしていて、あたたかいのです。  こういう人がパイプをくわえて、窓辺でジッと考えにふけっている姿を想像して、なんだかなつかしいかんじがします。  ずっと昔、自分もそういうものを持っていたような気がしたりするのですが、ただの錯覚なのでしょう。


う~ん、カッパ問題のヒントになりそうなことは何一つ書かれていませんねぇ・・・・・(苦笑)    

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このページは、KiKi (Brunnhilde)が2013年9月13日 10:43に書いたブログ記事です。

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