宝島 R.L.スティーヴンスン

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この物語の読書中にちょっと浮気をして「ハリー・ポッター 死の秘宝」の再読なんていうことをしてしまったのでちょっと読了するのに時間がかかってしまいました。  本日の KiKi の読了本はこちらです。

宝島
著:R.L.スティーヴンスン 訳:海保眞夫  岩波少年文庫

514ZBERDE1L._SX230_.jpg  (Amazon)

ジム少年は、トレローニさんや医者のリヴシー先生とともに、フリント船長が埋めた莫大な財宝を探しに出帆した。  が、船のコックとして乗り組んだ一本足の海賊シルヴァーがおそろしい陰謀を企んでいた...。  海洋冒険小説の名作。  (文庫本裏表紙より転載)

今回、この物語の読書中にちょっと浮気をしちゃったのは、決してこの物語がつまらなかったからじゃなくて、たまたまダーリンの入院前に体力温存のために映画(DVD)鑑賞なんちゅうことをしていて、その時たまたま観たのが「ハリー・ポッターシリーズ」で、その映画の中でどうしても腑に落ちない点が出てきたので本で確認したくなっちゃったからでした。  因みにその腑に落ちない点というのは「分霊箱」のお話で、早トチリの KiKi は分霊箱は7つあると確信していたんです。(実際には分霊箱は6つでヴォルテモートの肉体に宿る魂1つと合わせて7つということだった)  それにも関わらず3つ目の分霊箱をロンが破壊した際に「残りはたった3つ」と言う所で「あれ?  計算が合わない・・・・・。」と思っちゃって、映画では端折っちゃった(と思われる)分霊箱1つは何かをどうしても知りたくなっちゃったんですよね~ ^^;

で、わざわざ「死の秘宝」を全部読み返してみたんだけど、やっぱり本の中身も映画と一緒で、結局この読書では謎は解けませんでした。  でもさすがに「謎のプリンス」まで読み返してみる気力は湧いてこず、結局インターネットで「ハリー・ポッター 分霊箱」で検索。  そして見つけたいくつかの解説を読んでやっと合点した次第。  こんな結末になるなら、最初からネットで調べれば良かった・・・・・・(苦笑)

ま、てなわけで「分霊箱の謎」が解けたところで再びこの「宝島」に戻ってきました。  「ロビンソン・クルーソー」を読了したのが9月16日。  この「宝島」を読了したのが9月21日。  別にスピードを重視した「全冊読破企画」ではないから、1冊に何日かかろうが大した問題ではないんだけど、この程度の厚さの本で、しかも哲学書みたいな難解な本ならいざ知らず5日もかけたとは何気に不満足・・・・・。  今度からは寄り道はできるだけしないように!と自分を戒めた次第です。

さて、本題。  「宝島」です。  こちら、このエントリーにも書いたように、KiKi の子供時代には「男の子の必読本」みたいな位置づけの物語でした。  正直なところ、この「宝島」や「ロビンソン・クルーソー」あたりがこの宮崎駿氏の推薦リストに載っているということ自体がある意味で「時代」を感じさせるような気がしないでもありません。  イマドキの子供たち(特に男の子)はこの2作品を読んでいたりするのかなぁ??  KiKi であってさえ、この2冊に関しては「元祖 海洋冒険小説」というような捉え方をしているところがあったりするぐらいですから、イマドキの子供たちにしてみればもっともっと「古臭い物語」という印象があっても不思議じゃないような気がします。

そしてね、読了してみて感じるのは昨今の刺激に満ちた「アドベンチャーもの」と比べるとどことはなしに地味な気がしないでもない・・・・。  決して物語としての起伏がないわけじゃないし、面白いんだけどそこかしこに感じるこの「地味」という感想の根っこにあるのは何なのかしら?  色々考えてみて、思い当たったポイントがあるのでそのお話をしてみたいと思います。

  

この物語、構造としては宝島探検に出かけた際の顛末を当時は少年だったジム・ホーキンズの回想という形をとっています。  回想だから仕方ないのかもしれないし、ある意味ではジムさんの「自己肯定」の当然の成り行きなのかもしれないけれど、ジム少年の向こう見ずな行動(別の言い方をすれば「冒険」)の話を始める際に、必ずと言っていいほど出てくるのが以下のような趣旨のフレーズです。


私の選択は無謀であったが結果的にそれが私たちの幸運を招くことになったのだ。


こういう前置きがあっての冒険だから、読者はある意味で「結果オーライ」であることを知ったうえでジム少年の冒険を読むことになるんですよね。  これって「刺激的に過ぎる」ことを避けるある種の節度でもあるとは思うんだけど、やっぱり冒険ものに「ハラハラ・ドキドキ」は必要不可欠な興奮状態であるとも言えるわけで、もっと刺激の強いものにさらされている現代人にはちょっとお節介に過ぎる印象を残しちゃうんだと思うんですよ。

そもそもが「回想」だからジム少年がこの冒険で生き残ることは明白なわけで、敢えて話を始める前に「結果的に彼の選択が幸運を呼び寄せることになった」ことを言わなくなってストーリーの中でわかればそれで十分とも言えると思うんです。  で、こんな前置きがあっての「海そのものや海賊との死闘」やら「捕虜生活」の話はどうしてもどこか緊張感に欠けちゃうんですよね~。

もちろんそれを補って余りある(と言ってもその余りはわずかなんだけど ^^;)ストーリーは用意されているんだけど、それでも・・・・・と思ってしまうのは、やっぱり KiKi がハリウッド的な刺激に馴らされちゃっている証左なのかもしれませんが・・・・・・ ^^;

この物語の中で KiKi にとって一番ハラハラ・ドキドキだったのは、宝島に到着してからの本格的な海賊たちとの争いの場面ではなく、ベンボー提督亭(ジム・ホーキンズのお父さんが営む酒場兼宿屋)で起こる一連の事件の部分で、どう贔屓目に見ても「荒くれ者」としか見えない宿泊客ビリー・ボーンズ(老海賊)が得体の知れない「一本足の船乗り」や「黒犬と呼ばれる男」の出現を警戒している場面です。  この部分に関しては上記のような余計な注釈がない分、そしてジム少年が「よく分からないうちに巻き込まれちゃった」状態だっただけに、ある種の緊張感が溢れていて KiKi を物語世界にグイグイと引き込んでいってくれました。

それにしてもこの物語の悪役、ジョン・シルバーという男は実に難解な男です。  現代的な「理性」みたいなものはまったく持ち合わせていない割には、まるで二重スパイさながらの立ち位置の変更をあっという間に成し遂げるし、凶悪な表情を見せたと思うとやけに人当たりの良い普通の人っぽい表情も見せ、窮地に陥ると結構頭の回転は早くなるし、魅力的と言えば魅力的、醜悪と言えば醜悪な人物だと感じます。  ま、あんまりお友達にはなりたくないタイプですけどね♪


さて、最後に・・・・  この本の宮崎駿さんの推薦文は以下のとおりです。


この本をもとに、どれほどたくさんの宝探しの物語、映画、マンガ、ゲームが作られたことか。  宝物もありとあらゆるものが考えられました。  沈没船の金貨の山、大判小判がギッシリつまった瓶、握りこぶし位のダイヤモンドや宝石、黄金の王冠から魔法の珠や剣、その他・・・・・。  宝のありかを記した地図も形を変えて今でもしょっちゅう使われています。

どうして人は宝物が好きなのかということはさておき、この本は本当におもしろいのです。  読んで損はないと思います。  何しろおおもとの本なのですから。


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このページは、KiKi (Brunnhilde)が2013年9月22日 10:13に書いたブログ記事です。

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