やかまし村シリーズ A.リンドグレーン

| コメント(0) | トラックバック(0)

今日はこちらの3冊をまとめて Review したいと思います。

やかまし村の子どもたち
著:A.リンドグレーン 訳:大塚勇三  岩波少年文庫

61Y855XZ3XL._SL500_AA300_.jpg  (Amazon)

やかまし村には、家が3軒きり、子どもは男の子と女の子が3人ずつ、ぜんぶで6人しかいません。  でも、たいくつすることなんてありません。  ひみつの手紙のやりとりをしたり、かくれ小屋をつくったり、毎日楽しいことがいっぱい!  (文庫本裏表紙より転載)

やかまし村の春・夏・秋・冬
著:A.リンドグレーン 訳:大塚勇三  岩波少年文庫

1141290.gif  (Amazon)

やかまし村は、スウェーデンの小さな農村。  クリスマスにはショウガ入りクッキーを焼き、復活祭には卵パーティーで大盛り上がり!  夏休みには宝物を探しに湖の島へ。  子どもたちの四季おりおりの遊びやくらしを、生き生きと描きます。  (文庫本裏表紙より転載)


やかまし村はいつもにぎやか
著:A.リンドグレーン 訳:大塚勇三  岩波少年文庫

51ZJ6Xnm7+L._SL500_AA300_.jpg  (Amazon)

やかまし村の子どもたちは、楽しいことを見つける天才!  リーサが子ヒツジを学校へ連れていったり、みんなでオッレの歯をぬく作戦をたてたり、宝箱をめぐって男の子と女の子がかけひきをしたり・・・・・陽気な話がつづきます。  (文庫本裏表紙より転載)


やかまし村は、たった3軒の家で構成されている村で、そこで暮らす3人の男の子 & 3人の女の子(その後+1人の赤ちゃん)の日常が描かれています。  その6人の子供達の中の8歳の少女の一人称で語られる「遊びの毎日」は実に生き生きとしていて、少なくとも KiKi ぐらいの年齢の読者には遠く離れた国のお話でありながらも違和感を感じさせない物語なんじゃないかしら?  同じ作者の「ピッピ」のように奇想天外な登場人物が出てくるわけでもなし、「カッレ」のように大きな事件が起こるわけでもない。  でも読んでいて「あった、あった!  こういうこと。  KiKi の子供の時はね・・・・・。」と似たような体験を思い出させる何とも懐かしく、微笑ましい物語の宝庫でした。

登下校の際に石の上を歩くことを仲間内の決まりとして、万が一何かの拍子で地面に足をつけちゃうようなことがあったら「死んだことにする」な~んていう遊びは KiKi にも覚えがあります。  もっとも KiKi たちの時代は、その遊びには子供なりにちゃんとした(?)本当の理由がありました。  当時は舗装道路と言えば自動車道路限定でした。  そして急増していた「交通事故」から学童自動を守るために通学路は畑の中とか民家の軒先が指定されていて、そこは未舗装だったんですよね。  だから一度雨でも降ろうものならそこかしこに水たまりができちゃって、そこを歩くと靴はドロドロになるし、下手をすると靴下まで泥水が浸み込んで気持ち悪いことこのうえない。  だからどうにかして靴をドロドロにしないために石の上を飛んで歩くというのは必要に迫られていたことでもあったんです。

でも、それをそのまま口にしちゃったら余りにもつまらないし、まして程よい距離感で都合の良い石があるわけでもなし。  だからそこに遊びの要素を持ち込んで、「石から落ちたら死んじゃうということにしよう!」となったんですよね。  この物語を今回再読するまで、そんなことはすっかり忘れていたんだけど、読み進むにつれて飛び石下校にまつわるアレコレを鮮明に思い出しました。  本来「靴を汚さないため」の飛び石下校だったはずなのに、子供の跳躍力ではとうてい辿りつけない石しか見つけられなかった時に「えいや!」とばかりに飛んでみたら、結局大きな水たまりのど真ん中に落っこちて、挙句そこで足を滑らせて靴はおろか、スカートからブラウスまでドロドロになっちゃって、帰宅するや否や母に叱られたことまで思い出しちゃった・・・・・ ^^;

さて、このシリーズで描かれる一つ一つの出来事は実際に似たような経験があって懐かしかったり、同じような経験はないものの、そこに流れる子どもらしい「遊びの精神」に共感してノスタルジーに浸ったりすること多し・・・なんですけど、その感覚は必ずしもこの物語に限ったものでもありませんでした。  例えば「小さな牛追い」みたいな物語でもそれに近い感覚は持つことができました。  でも、この物語を読んでいて初めて振り返ることができて、読了後も強く印象に残ったお話がありました。  それは、「乳歯が抜ける」という誰もが体験してきた事件(?)とそれに対しての子供たちの反応の物語でした。

KiKi 自身は乳歯が抜けきって永久歯にはえ変わって早○十年。  そんな事が自分の人生の中で起こったことさえ忘れていたけれど、今回この物語を読んでいてあの歯のあたりがむずかゆい感じやグラグラし始めた時の頼りなさ。  硬いものを噛んだときにたまたまそれがグラグラしている歯の部分にあたり、「グキッ!」となったような気がしたうえに涙が出そうなほど痛かったこと。  その歯のグラグラが気になって気になって、しょっちゅう口の中に指を入れて弄っていたことなんかをありありと思い出しました。

最近の子供は抜けちゃった乳歯をどうしているのか知らないけれど、KiKi の子供時代は上の歯が抜けたら縁の下へ、下の歯が抜けたら屋根の上に向かって投げ

「早く立派な歯がはえますように」

と唱えるのが決まり事のようになっていました。(← これは地域的な風習だったのかしら?  そのあたりはよく知りません。)  我が家ではこれを子供1人でするのではなく、両親と一緒にするのが「家庭内ルール」だったため、父が帰宅している時で、母の手が空いている時間で、さらに明るい時間帯(つまり夜はありえない)にしなくちゃいけなかったので、歯が抜けてからこの行事が執り行われるまでにはそれなりの時間が空いてねぇ・・・・。  その間はその大切な「抜けた歯」をこの物語の子供達同様、小さな箱(それがどんな箱だったかは覚えていないけど)に入れて、暇さえあれば眺めていました。

決して眺めていて気持ちの良いものではなかったはずなんだけど、それでも何だか宝物のような気がしていたんですよね~。  あの抜けた歯というヤツは子供時代から大人へ向かうイニシエーションの賜物であり、人生の中で大人への階段の第一歩を示す象徴でもありました。  そんな大切な一大イベントだったはずなのに、人は生きていく中でそんなことがあったことさえ忘れ去っちゃうものなんだと思うと、何気にショックを受けたような気分になりました。

さて、この物語の中で1つだけ KiKi なんかの子供時代とは大きく違うところがありました。  それはやかまし村の子どもたちが学齢に達しているにも関わらず、学校の同学年のお友達とはほとんど交流していないように感じられることです。  一巻目の「やかまし村の子どもたち」だけならいざ知らず、2巻目に進んでも3巻目に進んでも、ず~っと向こう3軒両隣という狭い社会の中だけで遊んでいるんですよね~。  

もっとも彼らが通う学校は本当に小さな学校で、クラスだって学年別ではなくて日本でいうところの1年生から6年生までが1つの教室に集っちゃうという状態だから、実は同学年の子供が1人もいない・・・・ということがあったのかもしれません。  さらに言えば、やかまし村から学校まではかなり遠いので KiKi の子供時代のように「一旦うちに帰って、ランドセルを置いたら公園に集合!」とはいかなかっただろうこともわかります。  しかもこの通学路を集団登下校よろしく、常に6人で行き来しているので、「放課後に運動場でかけっこしてから帰ろう!」というのも難しかったのはわかります。  恐らくイマドキの(これは KiKi の子供時代も含め)子供と比較して、家庭内での労働もあったことでしょう。

でもね、KiKi なんかの感覚では学齢に達するとそれまでは年下の子とも楽しそうに遊んでいた子供であってさえも、知力も体力も自分には及ばない年下の子と遊ぶより同年代の子供と遊ぶことを優先するようになっていくのが普通だと思うんですけど、この「やかまし村の子どもたち」は相変わらず6人の小さなコミュニティの中だけで遊び続けているんですよね~。  だからと言って社会性が育っていないのか?と言えば、そうでもないのがこれまた不思議でねぇ・・・・・(苦笑)  


さて、最後にこの本(「やかまし村の子どもたち」)の宮崎駿さんの推薦文をご紹介しておきましょう。


この世界に楽園があるとするならば、やかまし村がそれです。  読んだ子供達は、みんなこの本が好きになり、自分たちもやかまし村に生まれたら良かったのにと思います。  こんな風な楽しさは子供の時にしかありません。

それなのに、このような村でくらすチャンスはめったにないのです。  それで、「ああ~おもしろかった」と読み終えてから、ちょっぴり残念が気持ちがするのです。


トラックバック(0)

トラックバックURL: http://poco-a-poco.chu.jp/mt/mt-tb.cgi/1546

コメントする

2015年2月

1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28

Current Moon

CURRENT MOON

東京のお天気


山小舎のお天気


Booklog



ブクログ

アーカイブ

ウェブページ

Powered by Movable Type 4.261

TrackbackPeople

クラシック・ピープルの Trackback People Site


チェロ ラヴァーズの Trackback People Site


Piano~ぴあの Trackback People Site


ピアノオススメ教本の Trackback People Site


ピアノ教室の Trackback People Site


Book Love Peopleの Trackback People Site


本好きPeople・ぴーぷるの Trackback People Site


今日読んだ本の Trackback People Site


ファンタジーが好き♪の Trackback People Site


この絵本がすごい!の Tackback People Site


児童書大好き♪の Trackback People Site


ハヤカワepi文庫の Trackback People Site


岩波少年文庫応援団の Trackback People Site


薪ストーブの Trackback People Site


週末は田舎暮らしの Trackback People Site


野菜育てPeopleの Trackback People Site


ガーデニングの Trackback People Site


パッチワークキルトの Trackback People Site


あなたの訪問は?


日めくりカレンダー


Real Time News


カテゴリ

ノルンはいくつ?

本が好き!


読書メーター

KiKiさんの読書メーター
KiKiさんの読書メーター

最近読んだ本

KiKiの最近読んだ本

今読んでいる本

KiKiの今読んでる本

読了目標





今やってるゲーム

KiKiの今やってるゲーム

このブログ記事について

このページは、KiKi (Brunnhilde)が2013年10月15日 12:00に書いたブログ記事です。

ひとつ前のブログ記事は「じぃじのひざかけ チョキチョキ終了」です。

次のブログ記事は「KiKi を培った本たちのご紹介」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。

高速運賃





Edita

ブロガー(ブログ)交流空間 エディタコミュニティ

名言黒板


作家別タグ