え? そうだったの??  介護保険 その1

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先日このエントリーを書いて以来、どうも気分がモヤモヤとしている KiKi。  何にモヤモヤしているのか?と言えば「認知症介護現場の実際」がほとんど社会的には理解されていないような気がすることに端を発しているような気がしてきました。  KiKi 自身もこのLothlórien_Blog に「介護日記」というカテゴリーを設けてわずかばかりのエントリーを書いてきたけれど、どちらかと言えば「愚痴」に近いようなエントリーばかりで、どんなことが起こり、どんなことをして、その時にどんなことを感じ、どんな風に自己嫌悪に陥ったのかを文字にする時間的余裕も精神的余裕も持ち合わせていませんでした。

世の中には「認知症」について書かれた本や「介護生活」について書かれた本が数多く存在しています。  KiKi 自身もそういう本には何冊もお世話になったし、実際の介護生活で役に立った情報をいくつももらったのは事実です。  でも、それらの本に共通していたのはどこか「綺麗事」が書かれていたなぁということでした。  我が国では高齢化の進展とともに、認知症の人数も増加しています。  65歳以上の高齢者では平成22年度の時点で、7人に1人程度とされているのだそうです。  でも残念ながら決して他人事ではないこの認知症と向き合う生活がどんなものなのかについての情報はまだまだ足りていないように感じます。

介護疲れから主介護者が亡くなったケースもあります。  献身的な介護の末に限界に達し、被介護者を殺めてしまうケースもあります。  心中と言う痛ましい決断を下すに至ったケースもあります。  介護の実際を経験したことのない方の目から見れば「なぜ?」「追い詰められる前にできることがあったんじゃないの?」と思われることも多いのではないかと思います。  でも、KiKi 自身も手こそ下さなかったけれど心の中では何度もばぁばを抹殺したくなったし、何もかも投げ出して逃避したいと考えたことが何度もありました。  そこには KiKi の弱さがなかったとは言いません。  でもその時は「そうしなければ私がばぁばに殺される」とさえ感じていたのも又事実です。

認知症の症状は人によって千差万別なところがあります。  そういう意味では KiKi が経験・見聞してきたケースはほんのその一例で認知症に罹患された方全てにあてはまるわけではないし、認知症介護の現場で起こる出来事はそれこそケース・バイ・ケースです。  でも、認知症患者を抱えた介護家族は多かれ少なかれ、「まさか?が休みなく継続する日常」を、「終わりの見えない希望がないとしか思えないような生活」を送っているのは事実です。  ですから今後このカテゴリーでは綺麗ごとは極力排し、その実際がどんなものなのかを、KiKi の記憶が鮮明なうちに、しかもじぃじとばぁばを老人ホームに預けることによって、かなり精神的に落ち着いてきた今、できるだけ赤裸々に記述しておきたいと思います。  これは今しかできないことのような気がするのです。

今日はまずその第一弾。  介護保険に関するお話からです。

  

皆さんは健康保険に加入されていらっしゃると思います。  病院へ行く時に「保険証」を持参すると、医療費の大半を保険組合が払ってくれるため個人の負担が3割とか1割になるアレです。  そして40歳を迎えるとその「健康保険料」に追加で「介護保険料」が徴収されていることを意識されていらっしゃる方はどれくらいいらっしゃるのかしら?  実は KiKi 自身、ビジネス・ウーマンとして働いている時にはそのことにほとんど注意を払ったことはありませんでした。  現行の制度では40歳以上65歳未満の人は「健康保険料」と一緒に徴収され、65歳以上の人は年金支給額から「特別徴収」という形で自動的に徴収されます。

この徴収された保険料が何に使われるか?と言えば、介護が必要になった際に利用するかもしれない(利用することになるとは言い切れない)様々なサービス代金の補填として使われます。  例えば介護家族が働いている日中、要介護者を預かってもらう「デイ・サービス」を利用するとか、お泊りで要介護者を預かってもらう「ショート・ステイ」。  更には要介護状態になった時に必要となる自宅改修の費用(上限アリ)とか、介護グッズ(車いす、介護用ベッド、浴室補助器具等々)の購入などの際に、本人(及び家族)負担は1割、残りは介護保険により補填されるという具合です。

介護保険制度は社会の高齢化に対応し、1997年の国会で制定され、2000年4月1日から施行された日本の社会保険制度です。  財源は、被保険者の納付する保険料と、国・都道府県・市区町村の税収で賄われます。  制度設立の目的は大雑把に以下の4項目とされています。

要介護者が本人や家族の所得や財産にかかわらず、要介護者本人や家族が望む必要で十分な介護サービスを介護事業者から受けられるようにする。

要介護者の家族を介護負担と介護費用負担から解放し、社会全体の労働力と財源で介護する体制を確立する。

多様な事業者によるサービスを提供し、専門的サービス産業としての介護産業を確立する。

医療と介護の役割分担を明確化し、急性期や慢性期の医療の必要がない要介護者を介護サービスにより介護し、介護目的の入院を介護施設に移すことにより、役割分担を明確にする。

我が家もこの制度の恩恵はそこそこ受けています。  ばぁばが大腿骨骨頭骨折をし、自宅に帰ってきた時に家の中の段差を解消するためのちょっとした工事をしましたし、お風呂用の取り外し可能な手摺りを購入したり、シャワーチェアというようなものを購入する際には全て1割の支払いでばぁばの受け入れ環境を整えることができました。  又、現在じぃじとばぁばは「介護付き有料老人ホーム」という所に入所しているのですが、その施設にもこの介護保険から少なからず補填がなされています。  (もちろんそれをはるかに上回る経費負担が介護家族には発生しますが・・・・)

そういう意味ではお世話になっている制度に文句を言えたぎりではないんですけど、いざ、この介護保険を利用しようとした時、「ええ?  そうなの???」となってしまったことが多々あったのも又事実なんです。  まずはそのあたりからエントリーを起こしていきたいと思います。

まず第一の関門は、介護保険を利用しようとしたときの手続きがあります。  「限られた財源で可能な限り多くの方にサービスを適用しようとするからどうしてもでてきてしまう弊害」と言ってしまえばそれまでなんですけど、この申請は本人もしくは家族、更にはそのどちらからか依頼を受けた専門職の方が役場に出向かなければいけません。  多くの場合出頭先は「福祉課」というような名前のついている窓口だと思われます。  少なくとも KiKi の実家のある町ではそうでした。

我が家の場合、申請に行ったきっかけはばぁばの入院でした。  それまでも認知症の症状は呈していたばぁばでしたが、何とか日常生活はこなしていたし、もっと言えば「できるだけ人様のお世話にはならない」をモットーとしている世代ですから、昨年の12月の事故以前に何度 KiKi が「申請だけでもしておけば・・・・」と勧めても二人は頑として承知しませんでした。  本人たちが嫌がるものを無理強いしたり、内緒で申請とまでは思いきれなかった KiKi も悪いと言えば悪いんですけど、そんなこんなでばぁばの入院前まで、じぃじとばぁばは「要介護認定」を受けていませんでした。

ところが12月28日(ばぁばが入院した翌日)、病院へ行った KiKi を看護婦長さんが病室から呼び出しました。  そして仰るには

「とても残念なことですが、恐らくこの入院中にお母様の認知症はかなり進行するだろうと思われます。  ですから、できるだけ早く介護保険申請をして『要介護認定』を受けてください。  恐らく役場はあれこれ言って先延ばししようとしますが、そこは『病院がもう申請をするように言っていた』と仰って下さい。  退院されたその瞬間からこの制度が使えないと大変なことになります。」

とのこと。  この時点で KiKi はまだまだこの制度のことを甘く見ていました。  「病院が申請するように言っていた」と言いさえすれば何事もパッパと進むものなんだろうと考えていたのです。  その時の KiKi にとっての最大の懸念は「頑固一徹、大正男児のじぃじをいかに説得するか」でした。  少なくとも過去に何度勧めても「そんな必要はない」の一点張りだったじぃじです。  しかも元教育者ですから反論は理論的です。  感情論だけで攻めてくる相手だったらあしらいようもあるものの、ああだこうだと理屈を言います。  しかも話が長い・・・・・。  何と切り出すべきか・・・・・。

援護射撃が必要だと判断した KiKi は母が入院する際に色々お世話になったという「地域統括支援センター」の方からセカンド・オピニオンを頂くことにしました。  父がその方たちからいただいていた名刺に書かれた電話番号に電話をしました。  とりあえずは前日お世話になった御礼と母の現状報告をし、そのうえで本題を切り出してみました。

「あの、今日病院へ行ったら看護婦長さんからできるだけ早く介護保険申請をするように言われたんですけど、どう思われますか?」

すると、案の定、それはできるだけ早くした方がいいとのこと。  更には申請時には申請理由は「大腿骨骨頭骨折」ではなく「認知症」だと強調した方がいいとのアドバイスも頂戴しました。  そこで専門家2人のアドバイスというお墨付きを手に KiKi はじぃじの説得にかかりました。

お正月をはさんで約1週間。  延々と続く家族会議の末、ようやく首を縦に振ったじぃじにほっと一安心。  本来なら本人の意向というヤツも重視されるのですが、残念なことにその時のばぁばはもはや自分に関することであってさえも何かを合理的に判断できる状態ではなくなっていました。  こうして、じぃじと KiKi は1月7日、役場の福祉課へ足を運びました。

to be continued .....

    

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このページは、KiKi (Brunnhilde)が2013年10月 3日 11:12に書いたブログ記事です。

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