え? そうだったの??  完全看護 その1

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さて、ここまでは「介護保険」に関してあれこれ綴ってきたわけですが、そして、これまでお話してきた以上にこの後もこの介護保険に関しては「え? そうだったの??」と思うことが満載なわけですが、ここでちょっと寄り道してこの「介護保険申請」と並行して発生していた事件についてお話しておきたいと思います。  よく「介護家族の孤立化」という話を耳にしますが、KiKi 自身がそれを最初に痛感したのが今日からお話する事件(?)と介護保険申請手続き上で発生したあれこれ(その1、 その2、 その3)が同時発生したことにより追い詰められた気分に陥ったことが原因でした。

このブログでは何度もお話しているように、KiKi の介護生活はばぁばが自宅台所で転倒し、大腿骨骨頭骨折という大怪我を負ったことから始まっています。  帰省翌日にばぁばの入院した病院を訪ねた KiKi は嫌になるくらいたくさんの書類を渡され、それに署名・捺印し、色々な人から色々なことを聞かされと大忙しでした。  その中で病院がしきりに強調していたのは

「ここは完全看護の体制を敷いている病院ですから、ご家族の付き添いはご遠慮いただいています。」

ということでした。  我が家の場合、これはある意味では願ってもいないシステムでした。  大正生まれのじぃじは家事一切ができない昔気質の人です。  ばぁばがいなければご飯も食べられなければ、洗濯も掃除もできない、自分の着替えがどこにあるのかさえ正確には把握していない、そんな人なんです。  しかも「片づける」ということが昔から苦手な人で、どんなものでも出したら出しっ放し、やり始めたらやりっ放し。  その面倒を見ながら・・・・となると毎日お見舞いに行くのが精一杯。  とてもじゃないけれど付き添いな~んていう洒落たことができるような状態ではありませんでした。

しかも・・・・です。  これまでの KiKi は帰省しても自分にあてがわれた部屋かリビングにいることが多く、ましてじぃじとばぁばの寝室の押し入れの中だとか、洋服ダンスの中なんて覗いたこともなかったんですけど、いざばぁばがいないということでそれらを空けてみたらビックリ仰天!  何事もキチンとしていたばぁばだったはずなのに、洋服ダンスの中の洋服はメチャクチャだし、押し入れに至っては「ここはゴミ入れか?」というように雑多なものが詰め込まれ、ものすごいことになっていました。

ま、てなわけで、お見舞いに行かない時間には家中の大掃除に着手し、たまっていた洗濯物やら洋服ダンスに押し込まれていた「最後に洗ったのはいつ?」というような衣類を洗濯したりと大忙し。  買いだめしたまま仕舞い込んで変色しちゃっているお砂糖だとか、ペットボトルに色がついちゃって見た目もドロドロになっているお醤油やらを廃棄処分したりと、とにかく休む暇もありません。

それでもばぁばの手術が終わるまでの数日は忙しいながらもそこそこ普通っぽい生活ができていました。  それはたまたまばぁばが入院した病室がナース・ステーションのお隣の個室だったこと、更には尿道カテーテルを装着されていたために、この後発生する「おしっこ問答」に煩わされることがなかったからです。  ばぁばが緊急入院したのは12月27日の夜でした。  その病院では整形外科の先生はすべて「通い」の先生で、特に大腿骨骨頭骨折の処置ができる先生は週一でその病院にいらっしゃる先生でした。  年末年始を挟んだというタイミングの悪さも手伝って、手術予定日は1月4日になり1週間余りは痛み止め以外には手を下すこともできないまま時間を過ごさざるを得ませんでした。

  

この時点での KiKi の心配事はただ一点。

「怪我をしてから手術までこんなに間が空いてしまって、本当に再び歩けるようになるんだろうか??  このまま寝たきりになっちゃったらどうしよう??」

ということでした。  そういう意味では KiKi 自身がばぁばの認知症に関してはまだまだ認識が甘かったのです。  こうしてばぁばは手術日を迎えました。  手術は無事成功し、ばぁばも特に調子が悪そうという様子もなく病室に戻ってきました。  執刀医の先生から「手術はうまくいきました。  後はリハビリ次第です。」との説明を受け、家族全員がほっと一安心。  その日は実にゆっくりと眠ることができました。  

手術の翌日、ばぁばのお見舞いに行った KiKi を看護婦長さんが病室から呼び出しました。  聞けば、その日までいた病室は「整形外科病棟」にあたり、手術が終わった今、ばぁばは「整形外科病棟」の患者ではなく「療養病棟」の患者になったため、病室を移動するとのこと。  たまたま入院した時は4人部屋に空きがなかったため個室だったけれど、今度は4人部屋に移動しますとのことでした。  その時のお話としては「ばぁばの認知症のことを考えても、話し相手がいる環境の方がいいと思われるので・・・・」というお話でした。

とりあえず理にはかなったお話だったし、看護のプロの方が「認知症のばぁばに良かれ」という判断からの提案ということで KiKi も即座に了承しました。  そしてばぁばの病室引っ越しをお手伝いし、同じ病室の方にご挨拶をしたうえで帰宅。  この日も無事に終了しました。

事件は翌日の早朝に発生しました。  朝の7時頃、自宅の電話が鳴り響きました。  出てみると病院からです。  何でもばぁばが夜中に拘束されているミトンを外し、拘束紐もほどき、ついでにベッドの柵まで乗り越え室内及び院内を徘徊したうえで大騒ぎをし、手が付けられない状態に陥ったとのこと。  そこで相部屋には置いておける状態ではないと判断され、「療養病棟の個室」に移されるという連絡でした。  因みにこれ、大腿骨骨頭骨折をして、その手術を受け、リハビリだって始まったばかりというタイミングです。  どうやって歩き回ることができたのかそっちが不思議なくらいです。

こうしてばぁばの「相部屋体験」はたった一晩で終了し、またもや「個室」に逆戻りです。  しかもその個室は「療養病棟」の端も端。  万が一火災なんかが発生した際にはシャッターを下ろすその外側で、又ばぁばが大騒ぎするようなことがあった場合にはそのシャッターを閉めることもありうるとのことでした。  その騒ぎとやらがどれくらい激しいものだったのか KiKi は知らないわけだけど、普通の常識で考えてもそういう問題行動を起こす人間が相部屋にはいられないことは理解できるし、他の患者さんのご迷惑を考えればその病室移転に文句を言えたぎりではないことはよ~くわかります。

でもね、物凄く正直に言うならば、家族の気持ちとしては実に複雑なものがありました。  だって自分の母親がまるで「諸悪の根源」「一般社会にはもはや適応できない逸脱者」として扱われているのですから・・・・・。  頭では理解できても気持ちはなかなかそれについていきません。  どうしても頭をよぎるのは

「あの母が・・・・・。  私の母なのに・・・・・。」

という想いです。  でも拒否なんてできません。  ご迷惑をおかけしたことは事実らしいのですから・・・・。  そこで事後承諾という形ではあったものの、再び母の病室引っ越しがあり、それでもその個室に移って2日ほどは家族にとっては特に大きな事件もなく、無事に過ごすことができていました。  ところが・・・・・・

病室を移って3日目。  再び看護婦長さんが KiKi をお見舞いに行った病室から呼び出しました。  聞けば夜中の徘徊が激しく、それを何とかしようとすると暴れる、騒ぐとやりたい放題。  家族がお見舞いに来ている時間は安定しているようなので、誰かが泊まりこんでほしいとのことでした。  幸い、個室なので追加の補助ベッドを入れるスペースには事欠かないと言うのです。

これを言われた時、KiKi はこれをどう受けとめればいいのか正直わかりませんでした。  入院した際にくどいぐらいに

「ここは完全看護ですから、付添は一切お断りしています。  そのことをご家族はご了承ください。」

と繰り返され、既に提出済みで手元にコピーさえないので、何と言う名前の書類だったかも覚えていないけど、そのことに同意する旨の署名・捺印さえさせられたのはつい先日のことでした。  でも、結果的に手に負えないから家族に泊まり込めと言います。  しかも追加ベッドは有料です。  更に更に、家族が付き添ってくれないと面倒を見切れないので出て行ってもらうこともありうるということを匂わせて、決断を迫ってくるのです。

「え?  完全看護じゃなかったの??  誰かに付き添えと???  しかも金まで取って???  で、それを断ったらまだリハビリだって始めたばかり(この時点では杖を使っても危なっかしい状態でしか歩けなかった)なのに出ていけと???」

もちろん KiKi だってバカじゃありませんから、ばぁばのように夜中に徘徊して大騒ぎするような患者が迷惑なのはよ~くわかります。  でも、あれだけしつこく「完全看護」を強調しておいて、手が負えなくなるとまるで手のひらを返すように「付き添い」を強要するって、何じゃそりゃ! って思っちゃったわけです。  でも、家族にはそれを拒否することができないのです。  こうして家族の誰かが泊まり込む入院生活が始まりました。  


to be continued ......

      

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このページは、KiKi (Brunnhilde)が2013年10月 6日 10:01に書いたブログ記事です。

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