え? そうだったの?? 認知症 その5

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さて、今日は「え? そうだったの?? 認知症」シリーズのとりあえず最後のエントリーです。  そのトピックは言わずと知れた「徘徊」です。  幸いなことに我がばぁばは排泄のトラブルは入院中を除くとほぼ皆無(何度か失敗した気配はあるけれど、ちゃんと自分で始末できていた)、いわゆる異食(本来食べ物ではないものを食べる)といった類の周辺行動はありませんでした。  これらがなかったことが KiKi にとっては救いと言えば救いだったんだけど、それでもこれまでお話してきた「寝かせてもらえないこと」「何でも拒否症状 with 暴言 & 暴力」「のべつまくなしのゴハン攻撃」、そして前回お話した「家中のコンセント抜き歩きプロジェクト」と今日これからお話させていただく「徘徊」だけでもアップアップでした。

さて、「徘徊」です。  ばぁばの場合、幸いなことに出かけたきり行方不明になって1日以上帰ってこないというほど重度の徘徊はありませんでした。  多くの場合、2時間も探し回れば見つかる所を歩いていて、何とか連れ帰ることができる(但し、その連れ帰り担当はダーリンでなければダメ)程度で事無きを得てきたので、徘徊で本当に苦労されていらっしゃる方と比較すれば大したことではありませんでした。  でもね、頻度と言う意味では結構何度もあるうえに、やっと見つけても KiKi が連れ帰ろうとすると「何でも拒否症状 with 暴言」が発動されるのでこれにはかなり悩まされました。  

多くの場合、ばぁばの「徘徊」の原因を作るのはじぃじでした。  生憎その現場に居合わせたことがないので、きっかけが何だったのかはわかりません。  ただ後でじぃじから聞いて類推するに、ばぁばが何かを話しかけたのにツンボのじぃじには聞こえなくて返事をしてもらえなかった(or トンチンカンな返事が返ってきた)というようなことが繰り返されてばぁばが被害者意識を募らせたか、何かのきっかけで我儘 & 頑固なじぃじに怒鳴られたとかいったことが原因だったようです。  いずれにしろ


「そんなに私のことが嫌いで迷惑なら、出て行きます!」


という捨て台詞を吐いて、家を飛び出していることは確かでした。  同居中、実家の2階は基本ダーリン & KiKi のスペース、1階はじぃじ & ばぁばのスペースだったのですが、多くの場合この喧嘩はダーリン & KiKi が2階にいてじぃじ & ばぁばが1階で2人きりの間に発生しました。  そして、ダーリン & KiKi が事件発生に気がつくのはばぁばの金切声と玄関のドアが開いて締まる音によって or 自力で何とか解決しようとしたじぃじがばぁばにはついていけず、諦めて家に戻って報告にくるかによってでした。

前者であればばぁばが家を飛び出してから捜索活動までにさほど時間がかかっていないうえに、 KiKi たちは家を飛び出す前に2階の窓からばぁばがどちらの方向へ向かったのかを確認したうえで追いかけることになるので、比較的スンナリと見つけることができたのですが、後者の場合は手を焼きました。  何せじぃじが見失った場所から捜索活動を始めるしかないわけですが、そこからじぃじが家に戻ってくるまでの間のロスタイムがかなり大きいうえに、しかも既に見失ってしまった場所にまず誘導されるので、そこからどっち方面へばぁばが向かったのかその手がかりがまったくなくなってしまうからです。

こうなるとダーリン & KiKi はとにかく闇雲に探し回るしか手がありません。  ばぁばの場合、常に同じコースを歩くのではなく、家を中心に全方向に向けて歩き回るようなところがあったため、「当てをつけて探す」という手法が取れませんでした。  そのうえ、何か本人なりの目的があってそこへ向かって出かけているつもり・・・・・というよりは、怒りに任せて家出をしてほっつき歩いている状態なわけですから、そこには法則性もへったくりもないのです。

しかも ばぁばは昨年の12月末に大腿骨の骨頭骨折をしているわけですが、その後のリハビリを担当した理学療法士さんからも「期待以上の回復力・抜群の基礎身体能力」と太鼓判を押されたほどの回復を見せています。  そこに怒りモードの追い風を受けて、こちらが走らなければ追いつけないようなスピードでぐんぐん歩いていくのですから、ようやくそれらしい姿を遠くに見つけてもあっという間に後ろ姿が小さくなり、視界から消えていきます。

   

ようやく追いついて、「探しに来た」とか「連れ戻しに来た」な~んていうことは決して言わず、まるで散歩中に偶然出くわした風を装って声をかけるんですけど、こういう時、ばぁばは認知症患者とは思えないほどの記憶力(?)を発揮します。  いえ、実際には「何が起こって自分が怒るに至ったか?」は覚えていないんですけど、「じぃじに虐められた(本当に虐められたか否かは別として)」という記憶だけはしっかりと残っています。  だから KiKi が

「あら、○○さん。  こんにちは。  お散歩?」

と声をかけても不機嫌極まりない・・・・。  ニコリともしなければ挨拶も返してはくれません。  挙句、

「あなた、うちの方にいらっしゃるの?  もしあっちの方へ行くなら、私がここにいるってあいつに言わないでね。」

な~んていうことをのたまいます。  仕方ないので

「あら、私、お宅の方へは行かないわよ。  お散歩しているの。  ○○さんもお散歩?  もしよかったら少し一緒に歩かない?」

と言ってみるのですが、なんだかんだとゴネて一緒に歩くことも拒絶します。  ばぁばは KiKi が自分の娘であることを忘れているんですけど、それでも心の中のどこかで「自分に近い人間」であることは感じとっているようで、とにかく追い返そうとします。  

こういう時、頼りになるのはダーリンです。  ばぁばはダーリンが誰なのか、自分との関係はどうなのかはまったく覚えていないのですが、「赤の他人よりは自分に近いけれど、じぃじや KiKi よりは遠い人間」と認識しているようで、こういう時の拒絶の仕方が明らかに KiKi に対するものとは異なります。  更に、ダーリンの「怒りモードの認知症患者の扱い方」が実に上手で、付かず離れず一緒に歩き回り、興奮が冷めやった頃合いを見計らって実に上手に声をかけ、挙句ばぁばと手まで繋いで家に帰ってきます。

そこで多くの場合、ばぁばの連れ戻しはダーリンに任せて KiKi は事後策のために(じぃじにばぁばを怒らないように言い含めるとか、帰ってすぐにばぁばが休めるように準備するとか)家に帰ってみるのですが、今度はばぁばの家出事件に責任を感じたらしいじぃじが1人でフラフラとばぁばを探し回りに出かけちゃっていること多数・・・・・・。  やっと1人を見つけてほっとしたのも束の間、今度はじぃじの捜索活動開始です。  じぃじの場合、頭はしっかりしているので、ばぁばのように「徘徊」になってしまう可能性はほぼゼロなんですけど、こっちは足腰がだいぶ弱ってきているので、途中でぶっ倒れていない保証はありません。

ようやくじぃじを発見して連れ戻すと、時にダーリン & ばぁばの方が先に帰っていることもあり、そういうケースでは2人は家を絞め出された状態なので、当然ばぁばのご機嫌は斜めです。  でもこれが1人だったら大騒ぎになるところが、ダーリンという話し相手がいるので斜め程度で済んでいます。  後でダーリンに聞くと、時にかなり手こずることもあったようです。

さて、何度もお話しているように、こういう事件が恙ない日常生活の中、単発で起きる事件だったら、我がばぁばの徘徊事件はダーリンという「連れ戻し担当」がいてくれている限り、大した問題にはなっていませんでした。  ところがこれが「連日の睡眠不足で頭がフラフラする状態」で、さらには「洗濯のし直しの真っ最中」に発生し、ようやく連れ戻してお茶でも一服と思っていると、そこに「ゴハン攻撃」で追い打ちをかけられることになると、こちらの受け止め方も変わってきます。

さらにそれが連日・・・・・となると、最初の頃は心配だけで探し回っていたのに、いつしか


「またぁ??  そんなに家出したいならもう帰ってくるな!  好きな所に行けばいい!」

とか

「ああ、こんなことになるんだったら、あんなに苦労してリハビリに通わせるんじゃなかった。  歩き回れなければこんなこともしでかさなかっただろうに・・・・・。」


な~んていうことを考えるようになります。  と同時に家でもしでかす数々の問題行動を考えると


「まさか徘徊中に人様にご迷惑をおかけしたりしていないだろうなぁ??  もしもそうだったらどうしよう・・・・・」

とか

「ああ、何でこんなことでこっちがアクセクしなくちゃいけないんだろ。  しかも叱って何とかできるわけじゃないだけにタチが悪い・・・・・。」    


な~んていうことも考えるようになります。  そして、そんなことを考えた自分を再認識すると自己嫌悪にも陥ります。  ダーリン曰く、この頃の KiKi は口癖のように言っていたそうです。


「私って、人間的に冷たいのかなぁ?  最低だよね。」

「私って、人間失格だよね。」


ってね。

そして肝心要のばぁばはこちらのそんなヤキモキにはまったく頓着せず、ついさっきまで怒りに任せて徘徊をしていたこと自体を全く覚えていないときています。  更にじぃじはじぃじで、「またばぁばと関わって家出でもされては叶わん」とばかりに、ばぁばから逃げ回る・・・・・。  ばぁばから逃げるじぃじに付き纏われ、「ゴハン攻撃」でばぁばに付き纏われ、こちらは休む暇もなし・・・・・・・。

こうして、KiKi はどんどん精神的に追い詰められていったのでした。  

    

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このページは、KiKi (Brunnhilde)が2013年11月 3日 10:41に書いたブログ記事です。

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